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子供のレッスンも大人と同じ。特別なことはしない

「子供のレッスンはしない!」と食わず嫌いしている方はいらっしゃいませんか?3,4歳の子供は、確かに、歌や踊りを取り入れた特別なレッスンが必要ですが、30分以上パソコンの前に座っていられる、母語の読み書きができる子供に関しては大人と全く違うレッスンをする必要はありません。親御さんとのコミュニケーションを大切にして、少しハイテンションでレッスンをするという以外に、特に変わったことはありません。ぜひ、子供の指導も挑戦するといい経験になると思います。

昨年、子供にレッスンを提供するメリットと注意点について記事を書きましたので、良ければ合わせてご覧ください。

教えることは同じ

大人も子供も教える流れは大体同じです。ひらがな、カタカナ指導から入り、文法、会話の練習をします。

教科書は「げんき」が一番つかいやすい

私が今まで使ったことがある子供向け教科書は、三重県が作成した「みえこさんのにほんご」、スリーエーネットワークの「こどものにほんご」、凡人者の「ひろこさんの たのしい にほんご」です。

ちなみに「みえこさんのにほんご」は、ひらがな、かたかなの教科書、文法教科書、ワークブックの3冊が無料でダウンロードできます。ほかはAmazonなどでの購入です。

最初の数回のレッスンでは、「とっつきやすくていい!」と感じたのですが、こうした子供向け教科書は、日本在住の外国人子弟、つまり日常生活で日本語を使う機会がある(むしろ必要に迫られている)子供を対象にしているからか、シンプル過ぎて練習問題が少ないです。

なので結局「げんき」を使っています。以前の記事では14歳以上と書きましたが、現在、英語圏出身の9歳のお子さんにも問題なく使用できています。特別大人びた子供というわけではありません。

子供向けの教科書も無意味というわけではなく、大人用の教科書を怖がってしまう子供もいると思うので、体験レッスン、初期のレッスンで慣れるまで使用するのはいいかと思います。

楽しくするかは講師次第

大人向け教科書を子供に使うのは、最初抵抗がありました。

「げんき」は主人公が大学生だし第1課から「メアリーさん専攻日本語です」という構文が出てきて、正直「小学生に『専攻』っていう語彙はいらないよね・・・」と思ってしまいました。ただ、大事なのはそこじゃありません。この構文の目的は、助詞「の」と「は」、肯定文「です」の使い方を正確に学ぶことです。

その構文を読ませて、練習問題をした後で、「XXさん何年生ですか。」「XXさん何歳ですか。」と本人の話つなげればいいだけです。

その後、レッスンの進捗に合わせて本人の生活に即した単語を別途少しずつ導入すれば簡単な会話が成立するようになります。

以下は第5課(レッスン時間20時間以下)までの学習でできる会話内容です。
「今日は何のクラスがありましたか」
「算数と英語のクラスがありました」
「算数のクラスはどうですか?」
「難しいです」

「週末は何をしましたか」
「空手にいきました」
「先生はどんな人ですか」
「怖い人です」

説明は大切

ただ、説明なしに明らかに大人向けの教科書を子供に使うと「本当は、子供のレッスンの経験がないのでは?」「面倒だから大人のレッスンをそのあまま子供に提供しているのでは?」と思われてしまうかもしれません。

子供の年齢に合わせて、本人または親御さんに「今日のレッスン、実は、大人の教科書を使ったのですが、順調に答えられていましたね!子供向けの教科書は日本在住の子供を対象にしていて、練習問題がすくないので『Genki』の方がいいと思います。内容は少しアレンジするのでこの教科書を使いましょう」となどと伝えると、相手も安心します。

子供はむしろ、「大人の教科書をつかっている」という事実にニヤリとすることが多いです。

子供とのレッスンのコツ:自主性に頼らない

子供とのレッスンでは、「宿題、自主性に頼り過ぎないこと」が大切です。私は大人には、ひらがな、カタカナは自分で覚えてくださいね。といって自力で覚えてもらったり、「次回は15課なので単語と文法ポイントを予習しておいてください」といった宿題を出しますが、子供には自力で新しいことはさせません。ひらがなは促音、拗音を含めて全部レッスン内で確認して、宿題はひらがな練習シートに書いて送ってもらいます。

とはいえ、大人でも予習も宿題も全くしない人がたくさんいて、結局レッスン内ですべてカバーすることもあるので、子供と大人の差ではなく、個人差です。11歳で日本語のアプリでひらがな、カタカナ、挨拶、基本単語を独学したうえで私のレッスンを受け始めたお子さんもいらっしゃいました。親御さんの教育に脱帽です。

子供とのレッスンのコツ:講師は極力話さない

大人のレッスンでも心がけていることですが、文法説明のページは基本的に飛ばして、文法ポイントは、口頭と板書で手短に説明しています。子供は大人より集中力低いことが多いので、私が説明する時間を極力減らし、子供に答えを言わせる、話させることを大人以上に心がけています。

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