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Creative of the week #01

週に1回くらいのペースで私が出会った素晴らしいクリエイティブを、アートディレクターという私の職業の視点も多少交えながら紹介していきます

初回は、中川ちえさんの「おいしいコーヒーをいれるために」

新鮮な豆を、そのつど挽いて、飲む分だけいれる。

自宅でコーヒーを楽しむための指南書です。

最近コーヒーを自宅でいれるようになり改めてこの本を開いてみたところ、内容もさることながら、モノとしてもちょうどいい塩梅の本だなぁ…と感じたので、そう感じた理由を探ってみました。


サイズ感と本の軽さ

サイズはA5変型:W144 x H215(本文W139 x H210)文庫本2冊分くらい

ページ数と重さ:64ページ、189g = 文庫本1冊分。文庫本364ページ相当

手に取った時の感覚として、程よい軽さがあり、A5より若干細長い小さめサイズ。全体の薄さと相まって、きちんと製本されたZINE(リトルプレス)かなといったライトな印象。この、軽やかな印象に仕上がっているのが内容とマッチしていていいなぁと感じたところ。

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表紙の紙も、南部せんべいの様に、薄くて硬め。

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メリハリある、紙の質感の使い分け

表紙や見開きなど、手に触れる外側にフカフカ・ザラザラの紙を、

本文紙にマットコート紙を使って、メリハリのある構成になっている。

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見開き扉に使っている紙のザラザラ感、伝わるだろうか

外側に使っている紙は、アラベールよりさらにフカフカしていて、いかにも紙焼けしそうだし、なんならコーヒー染みちゃいそうなのだが、それが逆に読み手の丁寧な気分を引き出す効果ありそう。もし例えば、、外側をマットPP貼り等でツルンと仕上げたなら、もう少しラフに扱っても大丈夫〜という気分になるから。

一方、中面はコート系の紙でツルツルしている。表紙とのギャップもあってグッと締まる印象。写真も鮮明に出ていてバランスが取れている。



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2視点の連続写真と、オノマトペ

定点2視点の連続写真を使った、動画を見ている様な説明部分がユニークだったので紹介したい。縦書きの本なので、右から左に進んでいくのだが、これが今見ると新鮮に感じる。そしてわかりやすい!そういえば昔の料理本の説明ってこんな感じありましたね。


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ポタ ポタ    ポタポタポタ

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ポタポタポタポタ    ダーーーーーーッ

上段のキャプションと、下段のオノマトペの組み合わせもユニークで機能的。

以上、・サイズ感と本の軽さ ・メリハリある、紙の質感の使い分け ・2視点の連続写真と、オノマトペという3つのお話でした。

最後に本のデータを記載します。作り手の名称がしっかり記載されているのも本ならではの良さですね。


おいしいコーヒーをいれるために
中川ちえ著
2002.11.20 初版
メディアファクトリー
アートディレクション:有山達也
デザイン:飯塚文子
撮影:新居明子
編集:丹治史彦
印刷・製本:凸版印刷株式会社
1,100円



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