野良猫

眠れない夜にでも読んでください。

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最近の記事

#05 小話「遣らずの雨」

「知ってる? ドラゴンと竜は違うこと。」 「じゃあ、君はどっちなの?」 「さぁね。」 ------------------------------------ ヒトリで暮らす日々に飽きてきた頃。 ふらっと外に出てみた昼下がりは、想像よりも薄暗く 胸に刺さった煌びやかな星が目立つ。 僕は魅惑のぽんぽこお腹を弾ませて、 永遠と謳われる宿木に「またね」と挨拶をしてみる。 僕たちはきっと誰かの目を探してた。 「やぁ。」 今日は遣らずの雨。 だから君は此処に居たんだね。

    • #04 風船を持って歩いている

      綺麗な佇まいの、喧嘩の声が響く家。 学校を休んで走って向かった好きな人の最寄駅。 アルバイトを三つ掛け持ちして、休む日々。 飲み歩くのに最適だった一人暮らし。 朝5時、外で横たわるおじいさん。 恋人を追いかけて来た東京。 思えばずっと、自分勝手になにもせずにいた。 ただそこに居て、朝が来たら泣いて眠る。 今の私は、夜眠る。 眠れない日はまだあるけれど、きっとこの眠れない時間は必要なんだと思う。 あの頃の朝を待つ時間は、どうしようもなく退屈で寂しくて、人を妬んでばかりだった

      • #03 あなたに人肌を配るひつじ

        今日はどんな一日だった? 今日は晴れてたね。 今日もお疲れ様。 心地の良い言葉だけをつらつらと並べたい。 綺麗事だと言う人もいるけれど、綺麗でなにが悪い。 子どもがお腹の中にいる時、周りの人に「大変だよ」と言われた。 もしも、友達に子どもができたら楽しんでねって言いたいな。 私は、人が産まれた時のあたたかさを知っている。 これを独り占めするのは勿体無いや。 あの人に思いが通じなくてもどかしいなら、夜通しお酒でも呑んであの人の話をしよう。 人間関係がうまくいかないなら、

        • #02 悲しい時は香水を嗅ぐ

          行きたくなかった中学校の通学路を澄ました顔で歩いて、おばあちゃん家に向かう。 途中のひんやりとした空気。 それに、金木犀の匂い。 好きじゃなかった、全部。金木犀も。 18歳の1人で暮らす日々は荒れていて、鮮やかで、楽しくて、寂しかった。 今となっては、曖昧で確かなものじゃないけれど、あの時の感覚は全部覚えてる。 友達がくれた香水が金木犀の匂いだった。 その友達も同じ香水を付けていて、嫌いだった金木犀の匂いが一気に落ち着く匂いになったのをずっと覚えてる。 私はその香水を今も

          #01 Netflix「イン・ビトゥイーン」

          Netflixオリジナル映画「イン・ビトゥイーン」 「キスから始まるものがたり」を観て、ジョーイ・キングに大ハマりして、この映画を見つけた。 …?気になるシーンから始まり 一転してカメラ越しに見る彼女の世界からこの映画が動き出していった時にはもう心を掴まれた。 多分好きな映画だ!って! ストーリーの展開としては、よくある終わりまで想像のできる話なんだけどね。 好きな映画になる時、私の場合は始まりで心を掴まれるか掴まれないかが大きい。 あらすじは、映画館で出会った彼と恋に

          #01 Netflix「イン・ビトゥイーン」

          #00 自己紹介

          はじめまして。 野良猫です🐈‍⬛ 好きなものを好きなように綴って、記録して、誰かの好きが増えたら楽しいなと思って気ままに始めました。 映画、アニメ、漫画、音楽、絵、場所、人、なんでも 私の好きなものをただ話します。 私の書く言葉たちは面白くないかもしれないけれど、気になったら調べて観て読んで聴いて話して行ってみて、あなたの大切な人と共有して良い時間を過ごしてください。 あたたかい時間を少しでも増やして心健やかに〜! 私のnoteが優しい場所になりますように。 いつか気が

          #00 自己紹介