雨の日の話
ここ5年ばかり、雨の日が憂鬱になった。
低気圧に身体がついていかないのだ。頭痛に吐き気、眠いのに眠れない、何だったら古傷(中学生の時に友達がいなさすぎて毎日1人で縄跳びしてたら膝の軟骨が砕けたやつと昨年朝起きたら何故かカカトの骨が砕けてたやつ)も痛む始末で毎回静かに爆ギレしている。
症状の中でも特に頭痛が酷く、以前に勤めていた会社で雨が降る度にロキソニンをラムネの様に食べていたら(真似すんなよ)上司に頭痛外来という病院を教えてもらったので行ったこともある。
診察結果は『自律神経の調整が上手くいってない』だった。知ってるよ馬鹿野郎、こちとら雨が降っていなくても手から滴るほどの汗で毎日書類シワシワにして取引先から苦笑されてんだよ、自律神経の話以外をしろよと心の中で医師を罵った。
その日は何かの注射を打たれ、貼り薬と飲み薬と酷い時用の坐薬を処方された。そしてなるべくパソコンやスマホを見ずに眠る2時間前に湯船に浸かれとも言われた。そしてそんな事は即断で無理だと悟った。
なにしろその頃は毎日23時までパソコン開きっぱなし画面見つめっぱなしで残業して24時帰宅、シャワーだけの風呂に入り髪の毛はビシャビシャのまま夕飯をかっ込みながらインターネットの海を漂い26時頃に深酒で気絶就寝、そして6時起床で7時出勤みたいなアイキャンフライギリギリ綱渡りの暮らしだったのでそんな医師からの指示を鼻で笑ってしまったのをよく覚えている。
ってかなんであんな生活してたんだろうか、馬鹿だ。
まあそんなこんなでこの後少しして無事に自律神経は完全にぶっ壊れ休職→退職の華麗なコンボを決めた私は1日中三角座りで部屋の隅の埃を見つめ、雨が降るとしんどくてそういう妖怪みたいにすすり泣いていた。文章にすると、より不気味だね。
妖怪化した不気味な私を見かねた両親や友人は色んな医者へ連れて行ってくれて、少し元気になった頃偶然出会った理解のある彼君と結婚をして今に至る。良かった。
そして月日は流れて、一時期は靴下を履く事すら何故か哀しくてすすり泣いて服薬が必要だった私も今はなんの薬も飲まずに朗らかに暮らしている。
そう、雨の日以外は。
一度ぶっ壊れた自律神経はなかなか元に戻らないそうで、本当こういうことを積極的に義務教育で教えておいて欲しかったものである。味噌を舐めさせてる場合じゃないんだよ。
さすがに今はすすり泣いたりはしないが、頭や身体のあちこちが痛くてダンゴムシのように丸まってしまうことも少なくない。
昨日、隣町にペインクリニックを見つけたので改めて通ってみようかと検討しているのだがどうにも腰が重い。
どなたか、ペインクリニックが劇的に良かった体験談が有れば教えてください。頭が痛い。雨止んでくれ。
end
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