室井慎次を観て想う
久々の踊るシリーズ、室井慎次の前後編を観た。
あの空前のヒットに関わった人たちが自身の高齢化の時期に差し掛かり一人ひとりの物語りを閉じようとしている、と感じた。
主人公が、なんとなく現実と似たパラレルワールドの世界で生きているような他のドラマと違って、踊るは圧倒的なリアリティが存在するのが醍醐味だった。
創った人たちと同じ流れで歳をとり、同じ境遇に見舞わられるのもリアリティである。
室井慎次も定年を迎えて、歳を重ねることによる達観も迎え、身体にガタも来ててというのはまさにその表れだろう。
そして、振り替えってみれば自分も歳をとった。
生活が健康的になったせいか、社長をやってた時代よりここ1年で身体的に大分若返ってびっくりしている、とはいえ今日が残りの人生の中では一番ベストな時期なんだろうと感じるところもある。
いつか自分も社会人としての物語を閉じる時期がくる。
テレビと違って現実世界でしか生きてない自分だが、いつか自分がそれまでに創った物語を閉じる時期が来るのだろう。
今回の室井慎次はそんなことを想わせる映画だった。