BookBaseがWebtoonの原作供給をやる理由
はじめに
はじめまして。
株式会社BookBase代表取締役社長、オタクペンギン(社長)と申します。
この間、ついにWebtoon制作スタジオである『KnockToonスタジオ』様と業務提携をさせていただき、Webtoonの原作を弊社の編集者とBB小説家コミュニティに所属する小説家の方々を中心に供給させていただくこととなりました。🐧<わーい。
これについて、そもそもどういう意図があるのかなどツラツラと書かせてもらおうと思います。
ちなみに、公式のプレスリリースはこちらで見れます。
Webtoonに作家さんが関わりやすくするため
まず弊社がWebtoonの原作供給に踏み切った理由ですが、これはいくつかありまして、一番大きな理由としては『拡大する市場に対して、プレイヤーの足並みが揃っていない』という問題が顕在化しているからです。
Webtoonは、ピッコマさんを中心に2019年くらいから盛り上がりだして、『俺だけレベルアップの件』などのスター作品が生まれたことで、20年くらいから日本でも『漫画じゃなくてWebtoonだ!』みたいな流れが出てきました。
そこからあれよあれよといろんな業界からスタジオが立ち上がり、今や50以上の制作スタジオが立ち上がっています。
このあたりで一番わかりやすいのはコミチさんで作ってもらっているカオスマップや、Webtoon業界では有名な謎の人『浮雲さん』が作っているリストがありますので、そちらを見てもらえればと思います。
Webtoonプレイヤーリスト(by浮雲さんhttps://twitter.com/detamakasan)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1QRkUpDla6r0okgH2PVKTCfGzGOYEIWpTFVAu5y891xQ/edit#gid=253268835
ちなみに、残念ながらまだ弊社の名前はここにはないので、きっと実力と知名度が足りていないのでしょう。🐧<伸びしろですね!!
さて、こちらを見るだけでもどれだけ多いかがおわかりになると思います。
このなかで、Webtoonをつくるためにはたくさんの人が関わることになります。
しかし、スタジオが増える速度に対して人がそう簡単に育つかというとそんなことはありません。
Webtoonに限らず、漫画やアニメでも脚本や原作というのは作品の面白さに直結します。しかし、小説以外の媒体についてはどうしても作画や着色などに手間やコストがかかってしまいます。
この弊害がWebtoonにもありまして、多くの人が関わるチーム制作において、それらのディレクションをしてチームを円滑に動かすのはとても大変です。
そのなかで、原作をつくる小説家や脚本家の方にスタジオのディレクターさんがなかなか手を割けず、コミュニケーションの齟齬が生まれたり、権利関係でごたついたり、企画自体が立ち消えたりと様々な問題に発展します。
これは、黎明期のジャンルにおいては仕方がない側面もあるのですが、やはり作家さんたちからすると死活問題ですし、個人ではどうすることもできないという問題にもなります。
なので、そこをウチみたいな作家さんたちとのコミュニケーションに慣れていて、密に関係を持てているような会社が原作側の企画立ち上げやマネジメントを引き受けることで、スタジオさんと作家さん双方の仕事をやりやすくなるのではないかと思った次第です。
🐧<もちろん、事業としての収益性とかもちゃんと狙っているで。
実際、実力のある作家さんたちのなかでも、Webtoonについての見解はかなり偏っています。
正直、現状の市場ではWebtoonの作品を書くよりも、小説や漫画原作をやったほうが実入りは良いというようなお話も聞きます。
これはそもそもスタジオさんのなかでも、しっかり還元ができるスタジオさんもあれば、そうではないスタジオさんもいたりと玉石混交な中でいろんな問題が起こって、その話が共有された結果なわけですが、そういった信頼できるスタジオさんなのかどうかのチェックや、作品が配信された後の利益をどうやって確保するかなどを作家さん任せにせずに、仕事がしやすいようにするというのは、今後のWebtoon業界を考える上でとても必要な役目ではないかと思っています。
実際、↑のプレスリリースを出させてもらった際に、コミュニティの作家さんなどから『BBが間に入ってくれるならやってみたい』という声もいただきました。🐧<嬉しいー!
また、ウチだからこそできるメリットもあります。
BookBaseだからこそのメリット
BookBaseはそもそも小説を中心に、制作から販売まで行うオンライン出版社です。ジャンルを問わず対応できるように様々な編集者が在籍していますし、小説家の方々をサポートするために『BB小説家コミュニティ』という国内最大級の作家コミュニティの運営もしています。
そういうなかで、Webtoonの原作をやるとなった場合、作家さんは喋ったこともないWebtoonスタジオさんと仕事するのではなく、僕たちBookBaseの編集者と一緒に企画等を考えていくことになります。
もちろんその段階から、作家さんの経験にはない脚本作りについてもサポートできます。
さらに、スタジオさんに出した企画のなかで『面白そうだけど、ウチ向きではない』とかって企画も出てきます。
そうなったときには、BookBaseで小説として販売する方向で作品を活用するなども可能なわけです。
さらに、スタジオさんや配信さんの許可をもらって、Webtoonで出した作品を逆にノベライズや漫画化をしてBookBaseで出版するなどもできますよね。
これらは、BookBaseがただの小説家プロダクション的な立ち位置ではなく、プラットフォームであることの優位性だと思っています。
原作供給を担える存在が実はそんなにいない
というわけで、ウチが間に入ることで作家さんとスタジオさんの双方にメリットが出せるということでやることにしたわけですが、それはそれとして実際の今の環境において、利益相反にならずに原作供給が担える存在って実はそんなにいないっていう問題もあります。
例えば、普通の出版社であれば、そもそも自社の作品をWebtoon化するのであれば自社でやれたりしますし、いちいちゼロからWebtoon用の企画を組んだりする理由もありません。
また原作供給ということが事業としてなかなか難しいという問題もあります。
Webtoonの場合、原案を企画してそれが読者さんのところに届くまで半年から一年ほどかかります。
その間、会社としての売上もないなかでやらないといけないのはかなり厳しいです。
これがBookBaseの場合、そもそもメインの事業は自社プラットフォームなので、仮にこれから先Webtoonの市場が天井に当たってしまっても、致命的なことにはならずに済みます。
作家さんたちにとっても、スタジオさんなどがなくなってしまうと作品ごと消えて困るっていう状況を防ぐことができるのは大きなメリットになると思います。
もちろん、実際に動いていく中で会社同士の利害関係の調整などは必要になると思いますが、基本的にコンテンツやクリエイターに真摯に向き合えない会社さんとお仕事することはないので、みんなが心置きなくコンテンツ作りに邁進できる環境や仕組みづくりを頑張っていく所存です。
最後に
というわけで、なんでBookBaseがWebtoonに手を出したのかという理由でした。
実際のところ、どうしても新規参入のスタジオさんなんかだと体制や経営面が揃っていないなんて当たり前のことです。
ウチも常にギリギリな状況でなんとかしています笑
そういう状況でも、クリエイターさんたちを守りながら挑んでいかないといけないわけで、そこについては弊社がお力になれたりするのではないかと思っています。
あ、あと言い忘れましたが、個人的な理由として『僕がドハマリできる作品がまだない』っていうのもあります。
ぶっちゃけ、まだまだ漫画や小説のほうが内容としては面白いなと感じています。
もちろん、そもそものターゲットが違うという話などもありますし、ジャンルを超えた比較は意味がありませんが、やはりコンテンツというのはどれだけ読者を熱狂させられるかに尽きると思います。
それがまだまだ作れる余地があるというのは、挑み甲斐があるなと思っています。
ビジネスという側面はありつつも、できる限り中立的な立場で、原作に困っているスタジオさんのお力になれるように、頑張っていきます。
実際の結果は、一年後くらいになると思いますが、ぜひぜひご期待いただければ幸いです。
では!!
↓もし、一緒になんかやりたい!っていう会社さんとかいらっしゃいましたら、お気軽にTwitterのDMを送ってください。
基本早いもの勝ちです笑
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