足助のおばさん 田舎暮らし 84
今日はたんぼのいせぎです。たぶん漢字で書くと「井堰」ではないかと想像していますが、定かではありません。
我が家ではもう何年も前から田んぼはよその農家に借りてもらって(貸して、と同じことですね)、自前で耕作はしていないんですが、水の管理だけはうちでやってます。もっぱらおばあさんに仕事ですが。
田んぼへ水をひくことがこんなに大変なことだとは、本当にこれっぽっちもしらないまま足助へ来ました。「日本のデンマーク」と呼ばれる安城市にも1年間住んだことがありますが、ああいう広い大きな田んぼではもうすでにバルブを開けば水か出る、という状態だったように思います。しかし足助は山間地ですから、一つ一つの田んぼはとても狭いです。国の音頭取りで「圃場整備」というものが推進され、亡くなったおじいさんあたりがその推進役だったんですが、国の補助以上に持ち出しの出費がかさみ、そうまでして作った田んぼにさらに減反という追い打ちが科せられたりしたものですから、おじいさんは近隣のみなさんに「行政の犬」と嫌われてました。
で、いせぎです。これは相当に重労働で、GWはこのためにあるというようなものです。今から夫が出かけるところですが、たんぼの水路に水をひくために川をせき止めて簡易ダムを作ります。土嚢を積み上げるという作業ですが、土嚢というものすら知らない方もいらっしゃるでしょうね。
少し前にRadio i (2022年8月12日 追記:すでに放送事業が終了したFM 局)でこんなニュースをやってました。オランダ(たしか)ではホワイトアスパラガスの生産が外国人出稼ぎ労働者によって行われていたが、国内に膨大な失業者がいるのだから、その労働力をアスパラガスの生産に充てようと国が決めて、多数の失業者がアスパラ生産に向けられてがその8~9割が重労働に耐えかねて逃げ出してしまった、と。
日本でもアメリカでの「グリーンニューディール」とか言って、失業者を農村に送り込む事業が始まってますが、なまなかな覚悟では農業はやっていけません。(2009年5月3日 記)