230720【ニュージーランド-ノルウェー】
FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023
グループA 第1節
ニュージーランド vs ノルウェー@Eden park
1-0(0-0, 1-0)
ニュージーランドは歴史的なワールドカップ初勝利にふさわしい戦いを見せた。守備ではボールホルダーにチャレンジし続け、攻撃でも懐へのパスと仕掛けを90分間徹底。1995年のチャンピオンを相手に素晴らしい試合をしたと思う。
もちろん、要所でのコントロールミスやパスミスはたくさんあった。けれども、勝負に対する姿勢は本当に美しかった。過去の大会ではいまだ勝利なしと、下馬評は低い中でも受け身にならず、蹴って逃げず、中盤の消し方と使い方は完全にノルウェーよりも上に。相手のCBとSBの間やアンカー脇といった弱点を突き、先制点はゴールキックを起点にたった4本のパスで鮮やかに崩した。
つなぐと見せかけてBowenが右へ展開し、Bott、I.Rileyとワンタッチではたいて右のハイサイドへ抜けたHandもダイレクトで中へ折り返し。脅威になっていたWilkinsonが仕留めた。終盤のPKが決まっていれば、最後ももう少し楽になったかもしれないが、終わってみればそれもまたスパイスだったと言えるかもしれない。
逆に、ノルウェーは出足が遅く重たい印象が残ったのと、GKとEngenを含めた後ろ6枚と前5枚が完全に分断されてしまい、AdaにもGraham Hansenにもほとんどいい形でボールが入らなかった。ニュージーランドが入れさせなかったというのもあるけれど。
局所的にはGraham Hansenも相変わらずとんでもないドリブルを見せたし、Hegerbergもピボ当てよろしくのゴリゴリポストプレーでT.HansenのクロスバーシュートやReitenの決定機をお膳立てしたけれど、いかんせんボールに絡む回数が少なかった。それを生かしていればスーパーヒーローだったが。
とにかく最終ラインからどうやって前に運ぶのか、去年のなでしこE-1第2戦みたいに形が最後まで見えてこなくて、中盤を経由したいのであれば、Engenがもう少し動いてもらうとか、途中からみたいに2ボランチ気味にするとか、それにこだわらないならば、Haaviを徹底して裏に走らせて相手を押し下げるとか、やれることはあったのではないか。いうてまだ初戦だけどね。
選手と同じく、審判団もかっこよかった。ワールドカップの開幕戦で笛を吹く大役なんて、一生に一度あるかないかどころか、文字通り数えるほどの人しかこれまでいないのだから。VARはあるし、チェック後の会場アナウンスもあったし、山下さん、坊薗さん、手代木さん、お疲れさまでした。