241214 皇后杯5回戦【ちふれASエルフェン埼玉-INAC神戸レオネッサ】埋まった差と埋まらない差
皇后杯 JFA 第46回全日本女子サッカー選手権大会5回戦@熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
ちふれASエルフェン埼玉 vs INAC神戸レオネッサ
2-3(1-0, 2-1, EX 1-0, 0-0)
この試合最初のチャンス、最初のCKで「ここで先制したらかっこいいな」と思っていたら本当に先制点を奪い、追い付かれても、PKの窮地も浅野菜摘の活躍で乗り越え、逆に終了間際のPKを決めて勝ち越し。たぶん多くの人が「これでいける!」と思っただろうし、自分もそう思ったけれど、同時にそれは根拠なき願望だったと気が付いたときには、プレーの切り方を含めて温さが生まれていて、悲しいことに追い付かれるところまでリーグ戦と同様だった。
映像:エルフェン公式Youtubeチャンネル
この試合最初のチャンス、最初のCKで「ここで先制したらかっこいいな」と思っていたら本当に先制点を奪い、追い付かれても、PKの窮地も浅野菜摘の活躍で乗り越え、逆に終了間際のPKを決めて勝ち越し。たぶん多くの人が「これでいける!」と思っただろうし、自分もそう思ったけれど、同時にそれは根拠なき願望だったと気が付いたときには、プレーの切り方を含めて温さが生まれていて、悲しいことに追い付かれるところまでリーグ戦と同様だった。
エルフェンにとってリーグ戦、カップ戦含めて今季4度目のINAC戦(1勝1分け1敗)。皇后杯では3年連続となった顔合わせは、晴天と強風のもとで行われ、「なんとなくいい感じ」にボールを回していたINACに対し、エルフェンがファーストチャンスをモノにして試合を動かした。瀬戸口梢の左CKをファーの岸みのりが頭で合わせ、先制に成功。続いて瀬戸口の直接CKや園田悠奈のFKがバーをたたくなど、雰囲気良好で前半を終える。
INACは失点直後に桑原藍と愛川陽菜の位置を、さらに40分にかかろうかという時間には土光真代と井手ひなたのポジションを入れ替え。ジェルディ・フェロン監督としてはやはりうまくいっていない感じがあったのだろう、ハーフタイムには桑原に代えて水野蕗奈を投入。早々にカットインから可能性を感じさせると、直後にはFKこぼれに反応し、鮮やかなコントロールショットを右隅に沈めた。PK誘発のクロスも披露し、最終盤にはGKと交錯しながらも、負傷交代と引き換えに意地の同点弾を手にするなど、期待に応えた。たぶん、こういう部分が上位と中位を分けているのだと思う。
INACの左は井手がうまく調整しながらリズムを整えていたが、右はSHが外張りになってしまって守屋都弥の攻撃力を生かせなかった。カルラ・モレラ投入など、立ち位置を調整してようやく右サイドも本領発揮。エルフェンも松山沙来の投入で4-2-3-1へ移行していたが、引っ張られて5枚並ばざるを得ない状況も多かった。
とはいえ、エルフェンも我慢には慣れているので、この時間帯を耐え切り、終盤には波状攻撃。栃谷美羽のクロスが守屋のハンドを誘ってPK獲得すると、自らキッカーを務めた16番がGKの逆を突いて冷静に沈めた。ただ、このキックオフ以降流れを切れずに、CKの流れで後ろ残りだった守屋の放り込みから件の同点弾を許した。
延長戦のゴールは、長いボールをボックス内であれだけ丁寧に落とされ、成宮唯がフリーだった時点で諦めるしかない。先の水野を含め、途中から入って来る選手の質がINACはあまりにも高い。髙瀬愛実のポストプレーはうますぎる。被弾シーン以外では、あれだけ深い位置へボールが入ることはほとんどなかったので、その後対処すれば良かったけれど、6ヤード内までボールが来ると俗にいう「何かが起こって」しまう。
裏を返せば、それまでは蹴らせる位置を限定できていたのだけれど、ラインが後ろに重たくなったり、前からの圧力が低下したりすると、土光ならあれだけ質の高いボールを入れてくるよね、という話。
だから、善戦はしたし、とても悔しいのだけれど、今回こそは勝たなくちゃいけなかったのだけれど、ディフェンディングチャンピオンとの差はやっぱりまだまだあるなとも感じた試合ではあった。
余談
パオラ・ソルデヴィラはマジでいい選手だった。ボールに触らなくても攻守で穴を作らないすごく理想的なボランチ。
余談2
WEクラブ参戦となって、ようやくペン記者を少なくとも5人を確認。ただ、フォトは2人だった。
余談3
皇后杯なのでクラブ管轄ではないながらも、キッチンカーを招致してくれた運営に感謝。ボランティアスタッフにも多大な感謝。ホーム&アウェイの括りは、厳密にはない大会だけれど、すごくホーム感があった。