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241124 皇后杯2回戦【日テレ・東京メニーナ-札幌大学ヴィスタ】【スフィーダ世田谷FC-山梨学院大学】

皇后杯 JFA 第46回全日本女子サッカー選手権大会 2回戦@セイホクパーク石巻 石巻フットボール場


昨日よりも風が強く、時折陽が隠れるような天気だったので、体感温度は気温以上に低い。けど代わりに、拮抗すると思っていた2試合目が想像以上熱い内容だった。

今日確認できたスチールの人数は、第1試合が0人、第2試合は2人(おそらく山梨の放送関係の人)だった。なぜこんなにフォトグラファーを気にするかというと、どれだけ取材が入っているのかの目安になるし、それはそのまま試合後の情報量に関わってくるから。

第1試合 
日テレ・東京メニーナ vs 札幌大学ヴィスタ

日テレ・東京メニーナ vs 札幌大学ヴィスタ
6-0(5-0, 1-0)

記録

ボールを握ることに長けたメニーナに対し、ヴィスタは昨今では珍しい完全撤退型の5-4-1を採用。結果的に守備練習、もしくは引いた相手を崩す攻撃練習のような75分となったので、防戦一方という表現も正しいのかわからない。残り15分では選手交代とシステム変更を併せて前線からはめる形にシフトし、これがうまくいっていたように見えたから、尚更何かしらの理由があったのではと思ってしまった。

スタートフォメ

キックオフからのファーストプレーで早々に試合を動かしたメニーナは、風上の優位性も活かしながら前半だけで大量得点。右深い位置からの式田和の折り返しが流れ、小野葉月が押し込んで先制点を挙げると、追加点はセットプレーから。飛距離のある中で枠を捉えた須長穂乃果のシュートをGKが弾き、これで得たCKをファーの朝生珠実が頭で合わせた。3点目もCKに至る過程含めて既視感を覚えるほど似たような 形だった。

直後にはU-17女子ワールドカップにも出場した鈴木温子のクロスを西尾咲希が合わせてリードを広げ、その3分後には朝生の縦パスをスイッチに中央を割った連係から伊藤風葵。後半に入っての小野のゴールも中央を崩しての得点だったが、スコアとは裏腹に監督は終始より高いクオリティを求めていた。実際、うまいけれど怖さは少ないと言ったらひんしゅくを買うかな。4強時のメンバーはもっと挑戦することにアグレッシブだった印象がある。

ヴィスタは右の大外で先発していた安田聖羅を前半途中から最前線へ移し、各ポジションの選手が一列ずつ下がる変化を付けたが、前述の時間までは趨勢に変化なし。インカレも控えているので、そちらを見越しているのだろうか。

ピッチ内アップで対人ロングパスを行うときに、ピッチを縦に使うチームと横に使うチームがあるのだが、これ、意図して行なっているのだろうか。理由があるのかないのかも少し気になった。縦なら実際のゴール方向と同じ向きの本番想定ができるのではとも思いつつ、横は横でサイドチェンジに関して同じ想定ができるので、単に普段の練習環境の差なのかも。

第2試合 
スフィーダ世田谷FC vs 山梨学院大学

スフィーダ世田谷FC vs 山梨学院大学
4-0(3-0, 1-0)

記録

神川明彦監督と各選手がパッションを見せた熱いゲームは、石巻を知るスフィーダが関カレ2位の山梨学院に完勝。なでしこリーグ最終節では優勝チームであるヴィアマテラス宮崎との真っ向勝負を制したように、組織としての完成度の高さを見せた。

スタートフォメ

最序盤こそ連続して肝を冷やしたスフィーダだったが、山田歩美のシュートはバーを超え、齊藤桃花の抜け出しは石野妃芽佳のセーブと柏原美羽のカバーにより、辛うじて危機を脱した。

難を逃れて17分、 風下の山梨学院のゴールキックが強風で押し戻されると、距離が短くなったキックを堀江美月が頭で跳ね返し、抜け出した新堀華波が鮮やかなループを沈めた。

指揮官の「畳み掛けろ!」の声に呼応するように、27分にはリーグの新人賞・藤原愛里がカットインから右足を振り、これで得たCKの二次攻撃から金子ゆいが放り込んだボールを田口茉亜紗がねじ込み、リードを広げる。その後中盤でのロストから逆襲を受けるシーンが生じたが、柏原のカバーで事なきを得ると、ロングカウンターへ転じて新堀が長い距離を運び、マーカーを振り切って右隅へ流し込んだ。前半終了間際にもFKこぼれから根本彩夏、さらには再び新堀に好機が訪れるなど、スフィーダは残り時間も風上の優位性を生かして主導権を握り続けた。

向かい風とハイプレスに苦しんだ山梨学院は、ハーフタイムに2枚替えを決行。スタートの4-2-3-1から3-4-2-1へシステム変更して反撃を試みる。

ただ、スフィーダサイドはこの変化を見越しており、問題なく対応。強いて言えば、右WBの山名映理を浮かせていたかもしれないが、中央では昨季の関カレ得点王、今年も結構点取っている伊藤琴音にまったく仕事をさせなかった。対照的に新堀は相手最終ラインからボールを奪い切り、自ら沈めてハットトリックを達成。なでしこリーグベストイレブン(初受賞とは意外)の力を見せ付けた。

74分こそ、途中出場で頂点に入った熊谷南摘に高いラインを破られたものの、石野はかわされる可能性も考慮しながらのトライでゴール方向から遠ざけると、角度のない位置から放たれたシュートに対しても柏原がゴールカバーと、好連係、いや好信頼関係で守り切るなど、完封勝利。2021年、昨年に続いての石巻白星となった。

余談

神川監督が選手の好プレーに対して掛ける言葉は、すごく気持ちが良い。自分もナイスとかってどんどん口にしたくなるタイプなので、見ている方も元気づけられる。前半終盤の好機逸時には思わず膝を突いていたのはご愛敬。何としてもWEチームに勝つところが見たい。

余談2

JFAによるメニーナのチーム表記が、クラブユースでは「日テレ・東京ヴェルディメニーナ」なのに、皇后杯では「日テレ・東京メニーナ」となっている(去年までは皇后杯も前者)。他チームでも大会によってアルファベットの全角・半角が混在していたりで、統一に欠けるのはどうにかして欲しい。

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