210417【ウニオンベルリン-シュトゥットガルト】クロスの質とは
Bundesliga 20/21 29節@An der Alten Försterei
2-1(2-0,0-1)
カライジッチがボウズになっていてびっくりだよ!
ウニオン
3-5-2
シュトゥットガルト
3-4-2-1→4-2-3-1
これで連敗となったシュトゥットガルト。前節も今節も3バックでうまくいかずに、4バックへと変更して流れを手繰り寄せる戦いになった。
今節に関して言えば、左側の組み合わせがこれまでにまったくなかったものだからという側面もあるのかもしれない。トレーニングの段階で一定のレベルが見込めると判断したから採用されたのだろうけど、ぎこちなさは否めず。
ボールの転がりにくい芝だからなのか、横パスが短くなっているシーンもあり、最終ラインでボールを動かして相手を揺さぶる、スタートの段階から躓いていた。後ろが安定しないので、当然2,3列目に効果的なパスどころかボールがこない。
シュトゥットガルトに関わらず、近くの味方ではなく、1つ、2つ先の味方にパスが通せていると、調子が良いというか、選手同士の位置取りと出し手の目線が噛み合っているという印象を受ける。その方がゴールにも近くなるし、背負って受けたとしても、受けた選手の下に味方が前向きの状態で控えているので、シンプルなポストプレーもやりやすい。カライジッチという高さでも足下でも受けてくれる選手が最前線なので、飛ばしのパスを入れるならボランチ、ないしはWBあたりからとなるのだが、前述の通りまずそこにボールがこない。
止まる芝を生かしたのはウニオンの方で、狙っていたのだとしたらゲントナーの裏へのボールは天才的。クロスもわずかに浮かせたライナー性のマイナスクロスなので、DFの足に引っ掛かることもなく、スピードもあるのでGKはステップで次の対応をするしかない(そもそもマイナスだし)。ニアでつぶれる選手がいて、飛び込んできたのも中盤の選手なので、マークもつきにくい。ここまできれいにハイサイドを取れると、キッカー8割セットプレーではないけれど、クロッサー次第かなっていう気がする。
追加点のクロスも、GKとDFの間に速いボールって表すのは単純だけれど、アーリーならGKとDFの間のスペースも大きいが、今回は比較的深い位置からなので、少しでも前後したらブロックやキャッチにあってしまう。針の穴を通すスルーパスなんて表現はあるけれども、ここしかないっていうコースにクロスを入れたトリンメルはすごい。
対照的に高さのある選手が中に揃っていたのに、マイナスに弱いクロスを入れた37分のシュテンツェルといったら……。一番可能性の小さいところを狙ってしまった。
後半は右サイドバックにマッシモが入って、親善試合の清水以上に中へ最前へと駆け上がっていった。それを「やれやれ」と思いながらフェルスターが常にケアしていてくれれば、もっと有効に右サイドを使えたのかもしれない。中盤でボールをコントロールしていても、右に敵も味方もいない状態が結構あった。
前節まではシュートチャンスでも遠慮がちなことが多かったフェルスターだが、さすがにPA中央まで入り込んだら自分で決めるよね。シーズンの中で守備が向上した選手の一人なので、前線の選手でもあるわけだし、こういうご褒美があってもいいでしょ。そもそも自分がボールを拾って展開したところからスタートしているわけだし。
遠藤は相方がころころ変わって結構大変そう。怪我が治れば間違いなくマンガラがベストパートナー。役割分担という意味ではカストロもいい。カラツォルは守備寄りのタイプっぽいので、終盤みたいに開き直ってある程度前に張っていた方が、案外回るのでないだろうか。引き出し役がいなくなって、やっぱりボールが出てこないというオチも考えられるが。
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