240519【朝鮮民主主義人民共和国-日本】完敗、素直に相手が強い
AFC U17女子アジアカップ インドネシア2024
決勝
U-17朝鮮民主主義人民共和国女子代表 vs U-17日本女子代表
@Kapten I Wayan Dipta Stadium /インドネシア
1-0(0-0, 1-0)
失点場面はさておくとしても、それ以上に完敗だったなという印象を受けた。ただ、押される中でも最少失点だったことは粘った証とも取れるのだろうか。一方で点が取れる気配は前半に1つあっただけなので、男女世代含めてビハインド時の最終盤にどれだけゴールへの執着心を見せられるのか(仮に点につながらなかったとしても)は、国民的課題なのかなとも思ってしまう。
これまでの戦いとは数段強度が上がり、劣勢の時間も長くなったけれど、前半の45分間はいくつかの光明があったので、タフでいいゲームだなと感じた。これまで以上のシュートスピードに対しても坂田湖琳が好セーブを見せ、マークに付かれながらも動きの中でハンドオフしながらボールを引き出した佐藤ももサロワンウエキのプレーは、海外のセンターフォワードっぽくてよかった。
失点シーンは誰が「オーケー!」と声を掛けていたのかわからないけれど、GKだったら太田美月が割ってくる必要は薄かったし、太田か牧口優花だったら坂田はステイでもよかったのかなと。前状況的に福島望愛が絞るのは難しかったかな。そこまでアラートが効いていたら超一流。
受ける強度が上がるのはお互い様だったが、北朝鮮の方がプレッシャーを受けながらのプレーにも正確性があり、長いボールを蹴るにしても日本守備陣のへその反対側やポケット手前を意識していて、戦術としてとして整えられていた。前半の途中から日本に持たれるor持たせる時間もあったが、その時も最終ラインは一定の高さを保っていたので、個で負けないことを前提とした戦い方を徹底しているような気がした。
逆に後半の日本は菊地花奈や津田愛乃音を投入したものの、どうやって使うのかが不明瞭。菊地は単騎勝負でかわすシーンもあったので、ならばもっと預けるとか、裏のスペースはそもそも蹴らせるために空けられていた中、津田は裏へ抜ける動きがメインだったので、ならばセカンドの回収役を配置するとか。トップ下の平川陽菜を下げてしまったのは何故だろう。左利きのキッカーを残したかったのであれば、牧口を左に回して朝生珠実や本多桃華でも良かったのではと思う。木下日菜子のような仕掛けるタイプを中央に残したのも決勝が初めてだったので、意図が分からなかった。
追い掛ける展開なので佐藤も残したままでよかったのではなど、いろいろ考えるところはある。でも、ローテーションをしながらと言いつつも、眞城美春は固定、右も菅原千嘉負傷でほぼ福島だったことや過去の試合でベンチ外メンバーがいたことを考えると、やはり体調の万全でない選手が多かったのではと推測せざるを得ない。デュエルがっていう話も聞こえたけれど、総割合よりも要所の抑え方、体の入れ方みたいな技術的な面の方が気になる。もちろん、ボックス近辺での当たり負けは望ましくない。
どうしても結果論的な話になってしまうので、もしこれで0-0のままPK勝ちとかだったら、「相手の猛攻に耐えて勝ち切った」という評価になるのかもしれない。常にボールを保持して戦う理由はないけれど、こういう状況になったときの戦い方を学ぶ機会になったと捉えて、W杯では頑張って欲しい。高校生相手に暴言は吐けないからね。
JFAアカデミー福島勢は大和シルフィードやSEISA OSAレイア湘南FCとの試合で見に行けるかなと思ったら、どっちも10月。大会期間ともろ被りだったわ……。