210304【ヴォルフスブルク-LSK】
UEFA WOMEN’S CHAMPIONS LEAGUE
Round of 16, 1st leg @ AOK Stadion , Wolfsburg
2-0(1-0,1-0)
ヴォルフスブルク
4-2-3-1
LSK
3-4-2-1
女子であろうと男子であろうと、WBを採用するっていうのは結構特殊なことなんじゃないかと、いまさらというかたまにそういう物思いみたいな感傷を覚えたりする。前にも後ろにも人がいないので、攻撃も守備も良くも悪くもタスク分散が難しいポジションなんだろうなぁとか。
LSKは3-4-2-1という表記が近いと思うけれど、WBは守備に重心を置いていて、前で勝負するような場面はほぼなかった。もちろん、それが戦術というか狙い通りだったのだろうけれど。実力が上の相手に対して、後ろを固めてカウンターを狙うという、言ってしまえば典型的なアウェイでの戦い方を選択したわけだが、早い時間に失点をしはしたものの、全体を通してはうまく回っていたのではないだろうか。実際、ハービーが個で逃げてチャンスメイクをしたり、CKからのニアフリックであわやの場面を作れていたので。短時間ながら自分たちの時間は間違いなく意図的に作り出せていたと思う。
2点差ならば可能性はあると思うので、ホームでどういう戦い方をするのかは結構興味がある。まぁ、ヴォルフスブルクの方が有利なのは間違いないのだが。
ポップのドッペルパックでスコア的には完勝のヴォルフスブルクは、右SBが中に絞ってボランチが開いてSHと縦関係を作るなど、いろいろな立ち位置を試していたようだ。最終的には素直なポジショニングに落ち着いたけれど、前線の選手は交代に伴ってトップもトップ下もSHもやっていたので、組み合わせはたくさんできそう。
1点目も2点目もそうだけど、ボールが抜けてくるかもしれないと思って、そこにポジションを取っているから点が取れるわけよ。それを嗅覚と呼ぶかセンスと呼ぶかはわからないけれども。どちらのシーンも、そこにいるのはポップだけで、相手のDFはいなかった。つまりそういうこと。
話は変わってしまうけれど、基本的にはボールを持っている方が有利。特に、昨今は基礎技術が向上しているので、ノンプレッシャーならば、どか蹴りしなくても前進できる。あとは、ストーミングなる言葉があるように、思考時間を奪うくらい速い展開に持ち込んで、技量を落とさせる戦法があるが、女子の大会だと、まだまだボールゲームだなっていう予感はする。展開がゆっくりでもプレッシャーを感じさせる方法があれば、やっぱりミスは起こる、日本みたいに。ただし、リカバーの能力がないとカウンターでワンチャンという戦術にあっさりとやられそうな雰囲気もまだまだある。