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241222 皇后杯準々決勝【ヴィアマ-ベレーザ】【ノジマステラ-浦和】

皇后杯 JFA 第46回全日本女子サッカー選手権大会準々決勝@Pikaraスタジアム

朝一新幹線で出発すると、丸亀駅からはちょうどの時間のバスがないのでレンタサイクル。第1試合のキックオフにも間に合った。とはいえ、滞在時間よりも移動時間の方が長いのだが……。
※ライブ動画がアーカイブされたため、リンクを削除しました(24/12/24 00:30)


第1試合 
ヴィアマテラス宮崎 vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ

ヴィアマテラス宮崎 vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
0-1(0-1, 0-0)

記録

互いにリーグの看板を背負っての一戦は、ベレーザのボール保持に対してヴィアマが想像通りのプレッシングを仕掛けてきた。

ベレーザはそれを掻い潜る技術を度々披露しながらも、同時に個人でボールを持つことにこだわり過ぎていたようなシーンも見受けられた。また、両者が互いにラインを圧縮したので、コンパクトフィールド内での潰し合いかつ背後にはスペースのある状態に。両ゴール前とペナ前の芝はスタンドからも荒れて見えたので、それも相まってか引っ掛かったり、パスミスをしたりで、ヒヤッとする場面もしばしば。リスク回避の選択もあってもよかったのかもしれない。

個で頑張って剥がすことが狙いならばそれはそれで納得なのだが、自陣深くでは相手プレスの影響が強かった印象がありつつ、前線はもう少しシンプルに要求した選手を使ってあげてもよかったのかなとも思う。

背後のスペースを突く長いボールに対して、ベレーザは、というかカツオさん(村松智子)は、基本落とさないので、そこから危ないシーンというのはなく、前半あわやは終盤にプレスを受けてのミスから1つのみだったかなと思う。ドキッとすることはあったにせよ。ヴィアマ的には最初の守備位置を最前線に設定する目的もあるから、仮に長いボールがつながらなくても、まぁそれはそれで構わないという感じ。

先制点は菅野奏音のCKからファーの坂部幸菜がニア上を射抜いて2試合連続ゴール。今回もカツオさんがめっちゃ喜んでいた。いいよね、そういうの。

この直後にもCKから青木夕菜のヘッドがバーを叩き、さらに樋渡百花のお膳立てから山本柚月がGKとの一対一を迎えたが、追加点は奪えず。折り返しては56分、77分と樋渡も決定機を迎えるが、ポストに嫌われ、GKに阻まれてと、これを生かし切れない。切り返しの方向含めて、シュート手前まではいいんだけどね……。

ヴィアマも後半は4回戦同様、嘉数飛鳥と齊藤夕眞のポジションを入れ替え、右サイドをうまく攻略しつつ、マイナスの折り返しから齊藤や永野桃子のシュートシーンを導いた。残念なのは、いずれも枠外という精度だったこと。

好機を生かせない1点差のトーナメント終盤という文言は、何かが起こる予感を感じさせる。けど、最終盤はベレーザがきちんとプレーを切りつつ、WEリーグ首位チームがなでしこリーグ優勝チームを退けた。

すでに公式コメントでもupされている通り、ベレーザとしては思った以上にプレスに苦しんだし、ピッチや風のせいにはできないと残しつつも、その言葉が出ていることから大きな影響はあったことがうかがえる。でも、トーナメントは勝ったもん勝ち。

対WEクラブでも、大宮アルディージャVENTUSを撃破してその実力を発揮したヴィアマ。今回善戦のさらに上を目指すのであれば、個々のスキル向上は必須で、戦い方を変えた際のブラッシュアップも必須。また、今年は多くのメンバーが継続したけれど、なでしこリーガーがWEへ引き抜かれる現象が起きている実情もあるうえに、地域おこし協力隊を活用している部分もあるので、戦力維持も今後のキーだ。

第2試合 
ノジマステラ神奈川相模原 vs 三菱重工浦和レッズレディース

ノジマステラ神奈川相模原 vs 三菱重工浦和レッズレディース
0-1(0-1, 0-0)

記録

毎度言っている1試合に必ず生じてしまうノジマのアラート不足がまさかの試合開始早々に発現し、結果的にこれが勝敗を分けた。

6分、池田咲紀子のフィードがワンバウンドして大賀理紗子のヘディングは後逸。裏を狙っていた伊藤美紀がGKの位置を見極め、枠へ流し込むための抑え方をした良きダイレクトシュートを沈めた。

以降はなんとなくボールを持ててしまう病に浦和が罹患し、アタッキングサードでの精度を欠いた。受け手の逆足やボール数個分ずれるなど、ちょっとずつプレーが疎かになっていたこともあって、楠瀬直木監督は珍しく帽子を叩きつけるくらいご立腹の様子。試合後のコメントでは(選手たちは)実は満身創痍だったと述べていたので、難しいマネジメントではあったのかなと思う。両SHは特に我慢をして引っ張ったのだろうなと。

対してノジマは、失点時以外は我慢強く守備をしていた。

前半は若干真ん中3枚の守備が相手の3枚と噛み合っていないような気もしたけれど、後半からは3バックに変更して、サイドからえぐるシーンも創出。ただ、やはり池田の壁は厚い。21分、66分の大竹麻友のシュートは過程も含めて悪くないのだが、代表クラスのGKはこういうのを止める。「止めるんだ」という意識・意志を持って止めてくる。そこがかっこいいGK。

石川璃音がけがをした場面は確かにちょっと危ないなと思ったし、声を荒げたくなる浦和サポの気持ちもわかる。でも、試合が終わったあとに浦和の団長さんは、アフターの主張をすることは大事、同時に言葉使いには気をつけなくてはいけないと、自チームのファンへ伝えていた。試合前にも、この試合の難しさやサポーター自身がまず信じることを説くなど、本当に素晴らしい方だと思った。ちなみにけがをさせてしまった側の選手もつらいのだ。

対会場の結果を含めてこれでベスト4が出揃った。

日テレ・東京ヴェルディベレーザ vs アルビレックス新潟レディース
三菱重工浦和レッズレディース vs INAC神戸レオネッサ

次は昨季同様に京都会場。ここまで来れば、メディア露出ももう少し増えるのではないかな。ここまで来ないとないのかいとも思いもするのが……。

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