240609【ニッパツ-ヴィアマ】白熱の一戦は劇的な結末
2024プレナスなでしこリーグ第12節
ニッパツ横浜FCシーガルズ vs ヴィアマテラス宮崎
@ニッパツ三ツ沢球技場
0-1(0-0, 0-1)
前節、連勝が止まった首位のヴィアマと、逆転優勝のためには勝利必須の3位・シーガルズ。リーグの折り返し初戦は、日本女子のアマチュアトップがどれだけの水準にあるのか、タフな好ゲームはそれを示せた試合だったのではないか。
フルマッチ
追い風と齊藤夕眞の強さを生かし、シンプルに中央へ放り込みつつ、左で板倉楓が可能性のある仕掛けを見せるヴィアマに対し、相手の最終ラインが高いこともあって、こちらも裏を意識したボールとセカンドを回収してのサイド展開でアタッキングサードへの侵入回数を増やしたシーガルズ。
両チームともに攻撃に色を出しながらも、ここまでヴィアマは8失点、シーガルズは4失点と、リーグ1・2の固さを誇る守備陣の奮闘とシュート精度により、好機はある中で前半はともに無得点。18分の河野朱里のヘディングは初先発となった爲保美月が好セーブでしのぎ、飲水タイム明け直後の永野桃子の思い切った一振りはクロスバーに嫌われた。
ヴィアマはハーフタイムに3バックの中央に宮本真緒を入れて池田玲奈を右に回し、有馬りこを一列上げてウイングバックに。左と比較して存在感の薄かった右も、池田のアーリークロスに有馬の突破と、これで活気づく。
シーガルズは奮闘のCB渋谷巴菜が齊藤のシュートを体で止めた後に交代となったが、動じることなく堅守は続く一方で、ヴィアマ得意のサイド攻撃により押され始める。ただ、こちらも途中出場・加田菜が好機を演出するなど、両者譲らないまま試合は最終盤へ。
1点勝負の雰囲気からスコアレスも漂い始めた後半アディショナルタイム5分、山本さゆりが落として今蔵綾乃のクロスは中央の齊藤に合わなかったが、流れてファーの板倉。豪快に蹴り込んでネットを揺らすと、直後のシーガルズのキックオフをしのいでタイムアップ。劇的勝利のヴィアマが修正力と勝負強さを見せ付けた。2位の朝日インテック・ラブリッジ名古屋も今節昨日敗れたため、優勝へ向けても大きな1勝となった。
以下めも的箇条書き。
・両GKは異なるタイプの安定感があった。新井翠はハイボールキャッチの判断と技術、爲保は後方のスペースカバーのための準備。一度DFとの連携ミスがあったが、予測と出足、処理は抜群だった。
・今日も永野さんはかっこよかった。前半にレイトで左足に相手の足が入って痛んでしまったが、無事に90分を終えて何より。
・サブメンバーのタイプ的にシーガルズの方が交代策に可能性があるかなと試合前には思っていた。どちらもいい方向に向かったけれど、結果につながったのはヴィアマだった。
・山本の交代時に第4審が22out→22inを表示してしまい、選手本人に指摘されて気付く。
・ヴィアマの最終ライン両脇はもともとFWで昨季はウイングバック。山根か、山根視来か?!とはいえ、攻撃力以上に目立ったのは横スライドの押し出し方とケアがしっかりしていたこと。これも結果的にだが、池田の対角フィードと有馬の攻撃力は後半の配置の方がしっくりくる気がした。
・シーガルズ的にはもう少し下で崩せればよかったのかなとも思う。ただ、それをさせてもらえなかったのか、風に則って裏へいったのかは中の人に訊いてみないとわからない。
・なでしこリーグ選手名鑑のスタンプを押してもらいたいのだが、三ツ沢はまた持ってくるの忘れる……悲しみ。