追いつけない成長

気が付くと息子は声変わりをし、口髭が顔を出し始めている。164センチのわたしとほぼ変わらない身長にまで成長していることを、なぜか受け止められないていない。以前「身長は冬より夏のほうが伸びる」と聞いていたので、秋の終わりに生まれた息子の身長が、わたしの身長を追い越すのはまだ先の話とタカを括っていた。しかし新年を迎えた頃にはm私と目線があまり変わらなくなっている。ウソでしょ?そして新学年度用に用意した上履きは25センチ。「どう?ちょっと大きい?」と上履きを試し履きする息子の口から出た言葉は「ううん、ちょうどいい」だった。

息子の父親とはずいぶん前に別れ、わたしひとりで息子と育てている。元夫と別れる前からいわゆる「ワンオペ」で何年も子育てをしていた。そして最近、自宅で目に入る息子の姿には驚かされる。特に「ねえ」と言って、わたしに近づいてくる時だ。まだ私の脳裏には「小さな男の子」だった息子の体格が刷り込まれていて、成長期の、しかもほぼ大人の体になっている息子の姿を、まだわたしが受け入れていないことに気づかされる。

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写真の中の当時4,5歳の息子は「なんだよ~」と言いながらチューをさせてくれ、外出の時は必ず手をつないでくれた。今ではまったく考えられない。考え方を変えると「親離れが順調に進んでいるんだな」と思う。

息子が成人式を迎えるまで、数年間ある。今よりもっともっと成長していく我が子の成長を、不思議な気持ちで観察しているのだろう。コロナが収束したら、友達との時間が増えてわたしとの時間は激減することは容易く予想できる。それでもまだわたしを「ママ」と呼び、好物の手料理が出されると「美味い!」と言ってあっという間に完食する、息子との時間を懐かしむ日がやってくるのだろうから。


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