捨てられないライト
不思議繋がりで、父のこと。
父は母と離婚しその後、別の女性と再婚した。
疎遠になるのが怖くて手紙や荷物を送った。返事は来ないけど戻っても来なかった。それでも手紙を書き荷物を送った。私はお父さんっ子だったのだ。
ある日、10年以上前の4月の上旬。
枕元のタッチセンサーライトが深夜に点いた。当時の猫さんが鼻を当てても、肉球で触っても点くから、三回触れて消した。
消したのに、また点いた。
猫を呼ぶ。探す。リビングの寝床でひっくり返って寝てた。
あれ。。?違うか。
一回触れると一番暗くつき、もう一回触れるとまた一段明るくなって、もう一回触れると一番明るいライト。そして消える。
その順番は変わらないから、一番暗いライトを消す為には何回か触れる。
二回触れると、切れた。
第二段階の明るさだったわけだ。
勝手に点いた、まぁそう言うこともあるだろうと、そのまま寝た。
また、点いた。
猫は犯人ではない。
一番明るく。
起き上がった。何かが触れてるのか?
結局、紙などでは点かないから隣の本は感知しない。何もない。壊れたか?
それから、点く→消すを繰り返した。
数えてないが消すとまた少しすると点く、を10回程度リピートし、そして最後はもう点いてて良いことにして寝てしまった。
翌日。
父が旅立ったことを知った。
再婚相手は一度会ったことのある私に連絡してきたのだ。私は昨夜のタッチセンサーライトのことを話した。
再婚相手は
あぁ、やっぱり。知らせに行ったんだ麦茶さんには…
と言った。
ハートアタック。
心臓発作だった。前日お酒を飲んでいた父に再婚相手はおやすみを告げ、んー、と返した父は起きてきた再婚相手におはようを言うことはなかった。
起きてきて異変に気づいた再婚相手は、肋骨が折れても救急車が来るまで、心臓マッサージを続けたそう。
タッチセンサーライトが点いたり消えたりした時刻は父の旅立ちの推定時刻だった。
私はそのライトが捨てられない。
父が最後に私に知らせるために使ったと思うと、それはもうライトでは無く交信のツール、そしてシグナルだから。
それから一度だけ夜中に点いた。
その時は少ししたらふっと消えた。
まるで、成仏したよと言ってるように思えた。
きっとそうなんだろうと思う。
違ってたとしても、私はそう信じる。
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これからも人の心に何かが灯る記事の為と猫のために大切に使わせて頂きます(*´▽`*)