シン・エヴァンゲリオン劇場版を観て
(以下ネタバレ含みます)
TV放送開始時小学6年生。
旧劇場版「Air/まごころを、君に」公開時中学2年生。
現在37歳の僕にとって、エヴァンゲリオンは肌で感じてきたサブカルチャーの象徴だった。
時は流れて2021年。すっかりアニメや漫画も積極的に見なくなり、今のサブカルにも疎くなり始めた自分。
そんな、大人になっていった自分に、ここまで強烈に刺さる作品だったとは。
シン・エヴァンゲリオン劇場版
大人が泣けるアニメで有名な「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」以上に泣いた。
オトナ帝国では父・野原ひろしに感情移入し涙を流したが、シンエヴァでは、シンジの成長に涙した。
父ゲンドウに拒絶された少年が、他者との関わりの中何度も傷付いては心を閉し、
度重なる失意の果てにようやく「周囲の人達の愛」に気付き成長し、
自分を拒絶し、自分も逃げ続けた父との対話を決意する。
そして、今まで絶対的な存在だった父の弱さを理解して受け入れる。
父も、同じだったんだと。
25年余りの間、僕の中で思春期の青さや弱さ、不安定さの象徴であり続けたシンジ。
彼より先に大人になった周囲の人と同様に、僕自身も大人になっていたんだ。
旧劇場版を含め、救いの無い展開にズタボロに心を裂かれ、暗鬱な気持ちになり続けたエヴァンゲリオンという作品。
大人になったシンジを見て、僕も晴れやかな気持ちで、我々世代を代表する文化のひとつに区切りを付けられそうだ。
さようなら。
そしてありがとう、エヴァンゲリオン。