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北京ドタバタ旅行(8)
ではさっきの署名はどうしたの?ということになりますが、担当者はそのことには触れず、度の違うめがねを持ってきてくれました。 こういう人をいい意味で仕事に忠実な人というのでしょう。さっきの署名はだれがされたのですかということを問題にせず、ただただ目の前の老人が自分で署名することに最大限協力し、確認しようとしていました。
父が署名し終わると、彼女は母に向かってこう言いました。「後の欄は奥さんが書いていただいてかまいません」
だましたとか、だまされたとか、誰が書いたとかということに優先して、目の前の本人が自筆で署名すること、ただそのことに最大限の努力をしていました。私はこの人は凄い人だと感心してしまいました。
残りは母が書いたのですが、ローマ字で父の氏名を書かなくてはいけません。先ほど京都府旅券事務所をだまそうと私が作成して反古となったのがあるので、その通り書けばいいのですが、母は73歳で学校でローマ字を習った経験がありません。ローマ字の「I」と書くところが「T」と書いています。
まずい・・・・・・