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日々のあれこれ

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大学の授業は全てフランス語。頭が痛くなることもしばしば。2時間ぶっ通しでシャワーを浴び続ける、キューとなる。2ヶ月以上経ったのにまだこんなので大丈夫なのか、、という不安に苛まれる。でも、私の憧れの方が仰っていた大切にしている言葉。「誰にもできることを、誰にもできないくらい続けること」。地道にコツコツ自分と闘っていきたい。
大学の図書館には仕切りはないし、大きな机で多くの学生が閉館まで必死に勉強している姿に鼓舞される。迎えに座っている見知らぬ方が、ニコってしてくれる。帰り際に良い夜を!と言ってくれる。そんな些細なことが嬉しい日々。

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今学期イタリア語を始めた。どうしても学んでみたくて授業をとってみたけど、基本的にフランスでは中学または高校から彼らの第二外国語として既習しいるため、初級の授業が大学に設けられていなかった。つまり、全くの初心者である私が、長文読解や要約などをするクラスにポンと入り、???な状態。
そんなある日、私の完全なる確認不足で、テストがあることを知らず、当日教室に入って慌てていた。すると心優しき子たちが、先生に「この子は留学生で初めてイタリア語をやってるからさ!なんか他の方法にしてあげたら?」と交渉してくれ、辞書を特別に許可してくれた。一人の子が図書館まで着いてきてくれて、そもそも本の借り方がよくわかっていない私に、伊仏・仏伊辞書を借りるのを手伝ってくれた。もちろん、フランス語でもわからない単語は山ほどあるわけで、完全な理解にはなっていないけど、本当にありがたかった。自分の試験の時間を削ってまで私を助けてくれるって本当に優しい。
日本では他人に迷惑はかけちゃダメ、と教えられる一方、インドでは「あなたは人に迷惑をかけないと生きられないんだから他人の迷惑も許しなさい」と教えられると記憶している。私も困ったら頼って良いし、他人が困っていたら積極的に助けようという心持ちでいようと改めて誓った瞬間だった。尊敬している友人がぽろっと言っていた。「私は未来の自分が感謝する生き方をしてきたのね!」と。これでいい、ではなく、これがいい!という人生を生き続けるために、ちょっとずつ進んでみよう。

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先日、大学の友人のご実家(サルデーニャ島出身で長くフランスに住んでいる御一家)に招待してもらった。心地よいお出迎え。感動的な美味しさのMammaのパスタ。Papaのイタリア語講座。友人のお誕生日を祝ったこと。友人の友人とビデオで話したこと。たった二日の週末だったけど、忘れられない秋の思い出がまたひとつ。ソファーに座って寛がせてもらった時、「あぁソファ〜〜久しぶりの感覚だ」と”ホーム”を感じた。お土産をとっても喜んでくれて、強く抱きしめてくれたMamma。最後には「私たちの家はいつでも開かれている。あなたが来たい時に来るのよ。私たちは待っている。」こんな言葉をかけてくれた。

Papaが教えてくれたイタリア語のある詩をここにも。

Nel libro della vita con gli anni
la copertina si sciupa...
le pagine ingialliscono...
ma il contenuto non cambia.
Chi è bello dentro lo rimane per sempre.
A dispetto del tempo.

(人生の本では、年月とともに
表紙は色褪せていく...
ページは黄色く変わっていく...
でも、中身は変わらない...
中身が美しい人は、永遠に美しいままだ...
時間が経ったとしても)

「そんなに裕福ではないけれど、心はリッチなのさ!」こうきっぱりいったPapaの笑顔が忘れられない。心豊かに、人に優しく、生きていこうと改めて思った。彼らの出身地、サルデーニャ島。必ず足を運んでここの空気を吸いたい!世界史で学んでいた”世界のある島”と思っていた場所たちが、さまざまな国出身の学生との出会いによって、身近なものに思えてくる。バカンス期間中にパリから遠出をした時、高速鉄道で隣になった方達は、右にカザフスタンからの女性、左にレバノンから来た方だったりもした。世界は繋がっているんだ!と。大袈裟に聞こえるかもしれないけどそう思った。この感覚が私は好きだし大切にしていきたい。

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住まいの一つ上の階に住む中国出身の子と偶然知り合った。一緒に食卓を囲んでいた時、彼女がこんなことを言ってくれた。「私、中国の友達から日本がいい国だって聞いていたけど、本当ね!だってあなた本当に素敵な人なんだもの。あなたは私にとって初めてできた日本人の友達。ありがとう。」素直に嬉しかったとともに、身が引き締まる思いがした。そっか、海外に住むということは、誰かにとっての最初の日本人になる可能性に溢れているんだ、と。そしてデザートタイムに入る時、「そうだ!私残念なが中国の芸術に疎いんだけど、テレサテンの音楽、月亮代表我的心なら知ってるよ!好きでたまにきく!」と言ったら彼女はとっても喜んでくれた。「映像の世紀」をきっかけに知ったこの音楽。これのおかげて、彼女はさらに喜んでくれて。何気なく観ていたもの、聞いていたものが誰かを喜ばせたり幸せな気持ちにさせることができるんだと心から嬉しかった。

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ある日、リヨンオペラ座に舞台を見に行った日のこと。ダンスを一緒にしている友人がかけてくれた言葉が心から嬉しかった。「あなた、前より自分が言いたいことをイキイキ話すようになったよね。アメリオレしたよ!」と。ここ最近、自身の語学の上達に伸び悩みを感じていたので、心から嬉しくて、でもここで全く満足せずもっともっと深い話をできるように、と気合が入った瞬間だった。誰かの言葉が、誰かの心を大きく動かす。毎日会う一人一人にの素敵ポイントを探して、しっかり言葉にしようと改めて誓った。フランスは知らない人に話しかけるハードルが低い国だと感じる。突然見知らぬ通りかかった人が、あなたのファッションスタイルが好きだわ!と声をかけてくれたり…(メトロでも褒め褒め言葉を耳にする)この文化が心地よい!思いは言葉にしていこ。

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週2で顔を合わせるお世話になっているバレエ教室の受付のマダムが、Tu souris toujours! c'est magnifique…とある日、声をかけてくれた。私が日々使っている手帳のタスクに、毎日欠かさずレベルAの重要度で笑顔!と書いている。異国の地で自分ができないことに目を向けて落ち込んでしまうことも多いからこそ、自分のできることに目を向けることを忘れずにしていきたいなと思った。

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自分にとての幸せを理解しておくことががんばりすぎずにハッピーでいられる秘訣だと常々思う。私はしっかりメイクやヘアセットをする時間よりも、友人と会話する時間、ゆっくり美味しいものを食べ時間の方がハッピー!とか。
人生で一番時間を過ごすのは誰?他でもなく自分自身と。自分とは一生の付き合いだからこそ自分を大切にしたライフスタイルを極めていく。フランスで出会う人たち、自分をとても大切にしている人が多いと感じるし、それが本当に心地よい。

たくさんの課題に追われつつ、追われないように計画しつつ、次のバカンスまでコツコツがんばりたい次第です。

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