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5日で台湾の有名建築全部回る
春休みにふと思い立って、台湾の建築を一人で見てきました。夏休みにはヨーロッパ8ヵ国の建築を約2週間で巡ったこともあり、旅に関して、ひいては建築旅に関しての経験が人よりはあるかなと思います。
私は,一人で,短期間のうちに,お金を節約しながら,見たい建築をピンポイントに狙って移動しまくる,「ストイック建築旅」を専門にしています.基本的に,ストイック建築旅をしたい人に向けて書いていますが,普通に台湾の建築を回りながら旅行したい人の参考にもなると思います.興味のある所だけ読んでいただけると良いです.
5日で台湾の有名建築全部回るという題名ですが、全部というのは嘘です。全部は回れてません。ですが、大体回りました。
それから5日というのも嘘です。6日間です。最終日が朝7時の航空便だったので、ほぼ5日という事にしてます。
台湾について
個人的に、台湾は建築旅の初級編といえると思います。
ヨーロッパに比べると、食文化や街の様子、現地民が日本に似ていることや、物価も高くない事、そもそも日本人観光客向けにサインが整備されている事などから非常に旅をしやすいと感じました。日本語をそれなりに喋れる人にも何人か出会いました。
韓国にも同じようなことを言えるかもしれませんが、建築という点にフォーカスすると台湾の方が見どころが多いかと思います。日本に飽きた人は一度台湾に行ってみるのがおすすめです。
台湾の主要な都市と、見るべき建築
台湾は大まかに示すとこのような場所に主要都市があります。
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北から、台北、台中、台南があります。覚えやすいですね。また、さらに南に行くと高雄があります。後ほど交通機関についても説明しますが、これらの都市は高速鉄道(Taiwan High Speed Rail )によって一直線に結ばれています。なので、台北から高雄までHSRに乗って、約二時間ほどで行けてしまいます。
また大規模で特徴的な現代建築が、それぞれの都市に散在しています。以下が私が調べた主な有名現代建築です。
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今回の旅ではこれら全部を回ることはできませんでしたが、殆どの建築に訪れることができました。
旅に必要なもの
三種の神器
個人的な旅の三種の神器は、「財布、パスポート、スマホ」です。当たり前と言われればそうですが、どれか一つを紛失した時点で旅は詰みます。紛失した場合は現地に骨を埋める覚悟を決めましょう。これら三つについて詳しく説明します。
財布
具体的には、現地通貨とクレジットカードです。私は日本円を1万円とVISAのクレカ(上限20万円)を持っていきました。JCBのデビットカードも持ってましたが、決済時にエラーがでてしまって、結局使ったのはVISAのみだったと思います。
現金については最終的には5000円を追加でキャッシングしましたが、少し余り、最終的には13000円分を使いました。現金の使い道としては夜市や街のレストランでの決済と、現地の交通系ICカードのチャージくらいでした。宿については後ほど説明しますが、全てアプリ上でオンライン決済をしています。
因みにレートは私の旅行時は、1台湾ドル=4.75円くらいでしたので、大体5倍として計算していました。現金は余っても帰国したら空港でエクスチェンジできるので大丈夫です。無くなるよりマシなので多めに持っていきましょう。
それから台湾はLINE PAYが使えるところが多かったです。登録しても良いかもしれません。(僕は登録がめんどかったので使いませんでした。)
パスポート
2つ目はパスポートです。当たり前ですが無いと国外に渡航できません。宿のチェックインや通貨のエクスチェンジでもパスポートを提出する必要があります。
注意してほしいのは残存期間です。国によっては有効期限の数か月前になると入国できないルールになっています。台湾については滞在日数分の期間が残っていればOKでした。また、90日以内の滞在であれば、台湾ではビザなども必要ありません。以下参考webサイトです。
国別パスポート必要残存期間や査証(ビザ)情報一覧|ANA
スマホ
3つ目はスマホです。旅で一番使います。また,海外旅行で忘れてはいけないのが、simカードです。私は以下のサイトから5日間無制限のものを予約して、桃園空港で受け取りました。空港のエントランスにわかりやすくカウンターがあるので、受け取りも簡単でした。
https://m.kkday.com/ja/product/38806-chunghwa-telecom-unlimited-4g-sim-card-pickup-at-taoyuan-airport-ezfly-hifi-counter-taiwan?cid=13345&ud1=54596&ud2=3880
4G接続無制限で1500円しない位でしたので、かなり安いと思います。取り外した日本のキャリアのsimカードはパスポートと一緒にカバンの奥底にしまっておいてください。なくさないように。
最近のスマホならeSIMが使えるかもしれません。確認してみてください。物理的なSIMカードではなく,仮想のSIMカードを買うことで,海外でもモバイル通信が出来るようになるというものです.
それと渡航前にSIMロックの解除も忘れないように。キャリアによって方法が違うので、各自ネットで調べてみてください。
それからモバイルバッテリーも必須です。私は10000mAhの物と予備で5000mAhの物を一つ持っていきました。5000mAhでスマホ一回フル充電できると考えて良いと思います。
必須スマホアプリ
旅に必須なスマホアプリも紹介しておきます。
➀Google Map
基本的にGoogle Mapで行きたい場所をブックマークして行き先を表示して貰います。私のgoogle mapはこのような感じです。
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後々役に立ちます。
渡航前に青っぽい丸で建築をブックマークしています。他にもホテルや空港、主要な駅を現地でブックマークしていきました。
下のリンクから私が作ったブックマークのリストがダウンロードできます。参考までに。
②Trip.com
飛行機や宿は基本的にこのアプリでとりました。正直こういう系のアプリはたくさんありますが、比較的宿の値段が安い気がするのでこれを使っています。
因みにヨーロッパ旅の際は、飛行機の予約はTrip.com、宿の予約はAgodaを使っていました。ヨーロッパはAgodaの方が宿を安くとれるイメージでした。幾つか比較すると良いかもしれません。
一つのアプリを使い続けるとポイントなどがたまって、結構な割引になるので一つに絞るのがおすすめです。
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③YouBike 2.0
台湾政府が展開しているシェアサイクルのアプリです。交通に関するセクションで詳しく説明します。
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③Google レンズ
看板などの写真を撮ると翻訳してくれるアプリです。レストランなどでメニューを選ぶ際に使ったりしました。割と精度が良いです。
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バッグ選び
・持ち物は最低限に抑える
・キャリーケースはNG
これが私の個人的な大原則です。女性は荷物が多くなってしまうイメージがあるので、絶対とは言えませんが、この二つを押さえると旅が楽になります。
短期間でできるだけ多くの建築を回るために、基本的に毎日都市間を移動します。宿なのでは基本一泊しか利用しないので、荷物を持ちながらの観光になります。荷物は最小限に、移動しやすい状態で旅に臨みましょう。
ヨーロッパでは下の画像のようなアウトドア用のデカいバックパックを、台湾へは大きめのメッセンジャーバックを使いました。
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分かりにくくてすみません。
結論としてはバックパックの方が100%良いですね。メッセンジャーバックは片方の肩に荷重がかかるのに加えて、体に密着しないので肩がこるし、着脱がめんどくさいです。バックパックで行きましょう。
その他の持ち物
前述のように持ち物は最小限にしましょう。三種の神器は失くしたら詰みますが、逆に言えば、それ以外は持っていかなくても良いのです。現地調達できます。
以下が私が持っていった物のリストです。大体デカイ順になべています。
メインバッグ
テック系のアウター(季節によってはいらない)
Tシャツの上から着れるニット系×3
Tシャツ×3
下着、靴下×3
PC、マウス(別にいらない)
ボディーバック(別にいらない)
空気ポンプ式ネックピロー
タオル×1
文庫本×1
モバイルバッテリー(10000mA×1 5000mA×1 コード×1)
スマホ
財布
パスポート
充電アダプター
歯ブラシ
コンタクトレンズ、メガネ
シャンプー、ボディーソープ(トラベル用ボトル)
ヘアオイル(小瓶)
実は、今回の旅は帰国したら家に帰らず、そのまま出張の予定だったので、PCやアウター(日本はまだ寒かったので)を持っていく必要がありました。旅では殆ど使わなかったのでずっと邪魔でした。
またボディーバックも要らないなと帰国後に思いました。というのも、私はすぐ失くし物をするのですが、3日目にまさかのボディーバックを紛失してしまいました(運良く貴重品は無事)。その日以降は,財布やスマホなどはズボンのポケットに要れていましたが、それでええやないかい,という結論になりました。
リストの物を全部バックに詰め込むとわかりますが、9割は衣類が容積をとります。ですので、ストイック建築旅はそもそも軽装で大丈夫な、春から夏にかけてに行くのがオススメです。台湾は2月下旬でも結構暖かかったです。Tシャツに厚手のニットくらいでOKでした。
衣類を3日分にしているのは何となくですが、仮に2日分だと洗濯頻度が多くなってめんどくさいかなと思うからです。2日分でも不可能ではないです。最悪、現地のUNIQLOなどで調達もできるので攻める人は攻めていいかもしれません。
またネックピローをリストアップしていますが、これもオススメです。乗り物酔いが酷く、長距離移動は寝るしかない私にとっては必需品です。装着すると寝心地が10倍良くなります。
私が使っているのは下のAmazonリンクの物です。手押しのポンプで空気をいれると膨らむようになっています。使わないときは空気を抜き、巾着に入れてバッグにくくりつけておけば容積をとりません。先ほどの画像に移っている緑色の巾着がこれです。
また台湾の宿はどこもサニタリー系は無料で貰えたのでボディーソープやシャンプーは殆ど使いませんでした。バスタオルも不要です。
タオルを一枚入れているのは、水に入る可能性があるからです。台湾では河楽広場で足だけ入りました。自然乾燥という手もあるので最悪要りません。荷物もストイックに減らしていきましょう.
旅程を組もう
このセクションでは日程の組み方と、今回の私の旅順と、見に行った建築を紹介していきます。建築の詳しい感想などは書かないことにします。ぜひ、実際に皆さんの足で見に行ってほしいからです。(必見だと思った建築だけそう書いておきます。)
旅程の組み方
旅程は組まないでください。組んだところで無駄です。そううまくは行きません。決めるのは往復の飛行機と、初日のホテルくらいでOKです。あとは現地についてから考えましょう。私の場合は、先延ばし癖があり初日のホテルすら当日に決めることになりましたが、それでもまあ大丈夫でした。
現地では、「今日どれだけ建築を巡れるか」「明日どの建築に行くか」というのをふんわりと意識しておきましょう。これが決まっていると今日の夜はどこに居るべきかが決まります。そうすると宿をとる場所が決まります。
例えば、
今日は台北の建築を巡る予定であるとします。
台北で見るべき建築は今日中で全部見終わりそうだな
↓
明日は台中を巡ろう
↓
google mapで調べると、台北から台中までは鉄道で約2時間かかる
↓
仮に明日10時に宿を出たら、多く見積もって13時くらいに台中に到着するな
↓
日が暮れる18時までに台中の建築は全て見れなそう
↓
じゃあ今日中に台中まで移動してしまおう
↓
台中駅の近くに宿をとろう
こんな感じで、「今日どれだけ巡れるか」「明日どの建築に行くか」が意識されていると宿をとるところまでいけます。これを毎日繰り返していきましょう。滞在日数の2/3くらいになったら帰りの飛行機に間に合うように微調整します。微調整を失敗したら無理やりHSRで空港まで行っちゃえばOKです。交通の便がいいのも台湾の良いところです。
因みに、これを考えるのは朝から昼頃までに済ませるといいです。段々と宿の値段が高くなっていきます(安い宿が無くなる)。逆に2日後以降の宿を予約してしまうと、日程通りにいかずに、キャンセルする羽目になります。
基本的に,ストイック建築旅では,普通の旅の2倍くらいのスピードで街から街を移動しましょう.
今回の旅順と建築レビュー
今回の旅順をざっくりと,1日づつ紹介します。旅行期間は2024年の2/24昼~2/29朝の約6日間です。
見学した建築もあげていきますが、あまり詳しく書かないようにします。実際に見に行ってみてください。必見だったら必見と書いておきます。
1日目(2/24)
関西国際空港
↓ 飛行機
台湾桃園国際空港
↓ バス
台中に到着
↓ シェアサイクル
宿に到着
↓ シェアサイクル
台中国家歌劇院
↓ シェアサイクル
逢甲夜市
↓ シェアサイクル
宿
初日は夕方に空港についたので,緩めの日程.台中歌劇院に行きましたが、二日目にじっくり見学したので、ここでは説明を割愛。
宿:mini west hotel 小西城旅店
一泊3709円.
内装も綺麗で、特に不便もなくおススメ。ロビーでポケモンカードしてる人たちがいました。
2日目(2/25)
宿出発
↓ シェアサイクル,バス
台中歌劇院
↓ バス
高鐵台中站
↓ 台湾高速鉄道
台南高鐵駅
↓ バス
Shing nan bus station
↓ シェアサイクル
深化果菜市場(Xin Hua Guocai Market)
↓ シェアサイクル
Shing nan bus station
↓ バス
新市車站
↓ 鉄道
台南駅,宿に到着
↓ シェアサイクル
花園夜市
↓ シェアサイクル
宿
①台中国家歌劇院 National Taichung Theater (必見)
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台中と言えば、いや台湾と言えばこの建築。伊東豊雄建築設計事務所が手掛けたコンサートホールです。実際に行って感じたのは、「どうやって設計して、どうやって建てたの!?」という事です。極小局面というルールに従いながらも、天井高や奥行きの作り方を変化させることで、空間の雰囲気が場所によってうまくコントロールされていました。

設備をうまく隠しながらも、充実したランドスケープを作っている屋上庭園も見どころ。
施設は割と夜遅くまで開いているので、昼間と夜、二つの顔を見に行くのもありです。
②深化果菜市場(Xin Hua Guocai Market)

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観光客向けにも整備され野菜や果物が集まる市場です。設計はオランダの建築家集団MVRDV。市場を覆う、うねるようなスラブの上は一面芝生で覆われています。
時間が悪かったのか、ほぼ人がおらず、閑散としていたのが残念。また、芝生の中に人は入れないのも残念。ただ近年多い、屋根スラブが緑地化された建築タイプがどのようなものなのか体験するには良いと思います。
台中の郊外にあるので、行くのはちょっと時間がかかります。
宿:老曼船長鐵道HOSTEL
一泊2143円.
台中駅から徒歩5秒のファミマの店舗内に入り口があります。最初マジでどこかわからない。どうやら駅の施設だった建物を改修してホステルにしているらしいです。特に不便もなく,アットホームでいい感じでした。
3日目(2/26)
宿を出発
↓ シェアサイクル
河楽広場
↓ シェアサイクル
繁華街でお昼ご飯
↓ 徒歩
台南市美術館 2館
↓ シェアサイクル
台南駅
↓ 高速鉄道
高雄駅(Kaohsiung Station)
↓ 地下鉄
三多商圏駅
↓ 徒歩
宿 到着 昼寝
↓ シェアサイクル
六合夜市
↓ 地下鉄
宿
三日目は台南を夕方まで巡った後,高速鉄道に乗って,さらに南の高雄に向かいます.
①河楽広場 Spring (必見)


MVRDVによる台湾の公共事業の2つ目です.老朽化したショッピングモールの地下駐車場だった部分の躯体を一部残して,広場にしたという珍しい事例です.Springという名前がついていますが,水は暖かいわけではなく,プールぐらいの水温です.昼頃になると現地民が割と沢山集まりだします.
また,このエリアはアートが盛んな地区らしく,いたるところに作品がありました.
②台南市美術館 2号館 (必見)
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日本人建築家,坂茂さんの設計.箱型のボリュームを複雑に積層させているような造形.実は運悪く休館日で入ることができませんでしたが,ボリュームの周りを巡っている階段は登ることができました.
また,地下駐車場には同じく日本の建築設計事務所,Noiz Architectsがデザインした階段(Shadow in Motion)があります.非常に美しい作品なので,合わせて必見です.
宿 : 飛行家青年旅館 FLYINN HOSTEL
一泊1862円.
日本語が喋れるスタッフがおり,非常に丁寧に案内してくれました.ロビーが広く,開放的なのもGood. こちらもオートロックのロッカーがあるのでセキュリティーは安心です.
4日目(2/27)
宿を出発
↓ 徒歩
三多商圏駅
↓ 地下鉄
美麗島駅
↓ 鉄道
衛武営国家芸術文化センター
↓ 徒歩
衛武営駅
↓ 鉄道
塩埕埔駅
↓ シェアサイクル
高雄流行音楽中心 珊瑚礁群
↓ シェアサイクル
高雄港埠クルーズターミナル
↓ シェアサイクル
高雄市立図書館
↓ 徒歩
三多商圏駅
↓ 地下鉄
高雄駅(Kaohsiung Station)
↓ 地下鉄
新左營站 Xin Zuoying Station
↓ 高速鉄道
台北駅
↓ シェアサイクル
六合夜市
↓ 地下鉄
宿
①衛武営国家芸術文化センター (必見)
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オランダの設計事務所,メカノーによる設計.コンサートホールを中心に,カフェやお土産屋さんなどが入っています.全体的に,”人工のランドスケープ”という感じで,自由局面のスラブが繋がったり浮いたりして全体を構成しています.写真に写っている外部舞台(?)は設計課題でやりそうなデザインだけど,実際のスケールで体験できるいい場所だと思います.
②高雄流行音楽中心 珊瑚礁群
写真撮るのを忘れました!形は面白いけど,中はそこまで良いなという感じではりませんでした!
③高雄港埠クルーズターミナル (必見)
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とにかく形がカッコいい!建築云々関係なく,すべてのモノの中で一番かっこいい.NYを拠点とする建築事務所のReiser+Umemotoが設計した,豪華客船が停泊するターミナルです.うねるような形態が特徴的で,流線形に流れるパネルのデザインも細かいところまで抜かりなく設計されています.私が訪れた時はまだ半オープンみたいな感じで,テラスまでしか入れず....
今だったら中まで入れるかもしれません.
高雄流行音楽中心のある対岸から眺めるのもお勧めです.必見.
宿 : 瘋台北青旅 Fun Inn Taipei
一泊2333円
こちらも普通に綺麗です.駅から近く,おいしい麺類のレストランも隣にあります.地下にラウンジがあり,自炊するスペースなどがありました.お勧めです.
5日目(2/28)
宿を出発
↓ バス
台湾大学社会科学部棟 図書館
↓ バス
台北流行音楽中心
↓ 地下鉄
台北表演芸術中心
↓ 徒歩
士林夜市
↓ シェアサイクル
台北駅
↓ Airport Line
桃園空港
この日は台北をぐるっと巡りました.台湾大学の図書館へはバスしか手段がなく,仕方なく乗りましたが,祝日のためダイヤが変わっておりバスが来ない.一時間以上バス停を転々としてやっと着いたと思ったら休館.悲しかったです.
①台湾大学社会科学部棟 図書館
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伊東豊雄建築設計事務所による設計の図書館です.一度は写真を見たことがあるのではないでしょうか.
前述の通り休館でしたが,ガラス越しに観察できました.訪れる際は開いてるか事前に確認しましょう.
③台北音楽中心
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こちらもクルーズターミナル同様、Rizer+Umemotoの設計の特徴的な形態の音楽ホールです.この隣にはライブハウスと,台湾の音楽に関する博物館が入った建物もあります.疲れていたので博物館には入らなかったのですが,興味のある人は面白いと思います.
③台北表演芸術中心 (必見)
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この旅の目的の一つ,OMA設計の劇場ホールなどが入った建築です.OMAらしく細部まで抜かりなくかっこいい意匠でした.実はガイドツアーがあるのですが,それを知らずに行き,ついたころにはツアーが終わっていました.入れるところは入りましたが,殆どのスペースはツアーか,演劇のチケットを取る必要があるようです.
宿 : 桃園空港 第二ターミナル
マットレスなどはありませんが,コンセントも多く,横になれるスペースもあります.宿としては星1です.
旅費を節約しよう
お金は大事です。節約できるところは節約しましょう。
以下に節約できる費用を挙げていきます。
飛行機代
今回の旅の出費の大半が飛行機代でした。往復で約4.5万円です。ざっと調べましたが台湾と日本の往復は3~6万円の幅で変動しているみたいです。予定が合えば安い時期を見計らって購入するのもありです。私は今回3週間前にとりましたがミドルレンジの金額ですね。
また、直行便ではなく、乗り継ぎの航空チケットをとる方が安いこともあります。ですが、私的には台湾くらいの距離だったらある程度高くても直行便で行くのがオススメです。時は金なり。まあ予算とご相談下さい。
それから、予約サイト上のcookieを逐一消去することでチケットの表示代金が下がるという裏技もあるそうです。私は詳しくないので調べてみてください。
宿代
拘りがなければ宿はドミトリーを予約しましょう。ドミトリーとは二段ベットが一室に数台置かれており、見知らぬ人と同じ部屋で寝泊まりする寮タイプの宿です。女性専用のドミトリーも存在します。
台湾だったら一泊2000~5000円くらいでした。私は毎日2000円前後のところに宿泊していました。特にトラブルはありませんでしたね。どこのドミトリーにもシャワーやコンセントはマストであります。
ドミトリーを選ぶ際の判断材料は次の通りです。
・主要な駅から近いか
・個人用のロッカーがあるか
・ランドリーがあるか
・館内は許容できる清潔さがあるか
・金額
中心駅から近いほど、次の日の移動がスムーズです。また、見知らぬ人と寝泊まりするため、個人用のロッカーに荷物を管理する必要があります。南京錠などは持参の所もあるので注意。清潔感は個人によりますが、どこででも寝泊まりできるようになりましょう。生命力が上がります。
予約サイトで宿の情報は良く見るようにしましょう。一度フランスの田舎で安い宿を見つけて、いざ行ったら個人宅に泊まるホームステイタイプで、気まずかった思い出があります。
Trip.comアプリでの宿の探し方も一応載せておきます。

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
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ハートマークを押してブックマークもつけれます。
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地図モードもあるので場所を確認しながら探すのもオススメです。
Trip.comよりもAgodaの方が宿は安いイメージですが,Trip.comのアカウントがダイアモンド会員で,20%引きになるので,こっちを使いました.
今回、台湾で泊まった宿はどこも綺麗で安かったので毎日ぐっすり眠れました。チェックアウト時間は守りましょう。
一週間以上の長い旅のときは時々個室に泊まると休まります。探せば一万円しないくらいで泊まれるところもあるので検討してみてください。
現地での交通費
私は現地での交通費はあまりケチらなくてもいいというスタンスです。金より時間を優先しましょう。
強いていうなら、バスには乗らないことです。交通についてのセクションで紹介しますが高い確率で乗降車をミスって余計な金を消費します。また、HSRは比較的高いので、長距離は夜行バスで移動するか、日程を上手いこと調整してHSRに乗らないような旅程にする手もあります。
食費
台湾に関しては物価もそう高くはないのであまりケチらなくても良いかなと感じました。食べ物も美味しいのでたくさん食べましょう。
ヨーロッパでは物価が高かったので、デカい袋入りの食パンに良くわからないタラコのソースを塗って空腹をしのいでいました。
どうしても台湾でも節約したい場合は現地のスーパーでパンでも買いましょう。多分安いです。
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食を楽しもう
ヨーロッパ旅では節約をストイックにし過ぎて殆ど美味しいものを食べなかったのを反省して、台湾では色んな物を食べるようにしました。そんなに高くないしね。色々紹介します。
夜市に行こう
台湾には、いたるところに夜市というのがあります。日本のお祭りの屋台が毎晩出店しているイメージで、観光客は勿論、地元民らしき人も普通にいます。どうやら台湾は酒をあまり飲まないらしく、今回訪れた夜市はどこも酒類を目にしませんでした。そのおかげもあって、かなり治安は良いと思います。人はめちゃめちゃいるけどね。台湾の夜の顔という感じでカオスな感じで好きです。私はホテルに荷物を置いて、毎晩夜市に通っていました。
さて、ここからは食べたものを一部ですが紹介していきます。
①魯肉飯
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ローカル感溢れるお店で食べた魯肉飯です。豚の油がブリブリすぎて半分ぐらいでキツくなりました笑。味はうまいです。お店によって違うと思うのでいい感じの店をあたってみてください。
②鳥の足
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鳥の足を揚げた(?)やつと生のニンニクと唐辛子が混ざった料理です。コリコリしててうまい!ニンニクと唐辛子は入れるか入れないか選べるので、辛みが苦手な人は断りましょう。
③豚のモツが入った餡かけ麺
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台中の繁華街の露店で食べました。豚の腸やら心臓やらが入っており、これまたコリコリ触感でうまい。麺は日本でよくある麺という感じではなく、春雨のもっと柔らかいやつという感じ。スープはとろみがあって醤油系の風味。台湾はどうやら内臓系の料理が多いみたいです。
④肉圓(バーワン)
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千と千尋の神隠しの序盤、お父さんががっついて食べていたあれの正体らしいです。高雄の夜市で発見しました。しかし、どうやら注文を間違えたみたいで、出てきたのは魚団子スープでした笑。次台湾に行ったら絶対に食べます。
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⑤茶葉蛋
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ウーロン茶と香辛料に付け込んだ煮卵です。特に癖が強い味でもなく、普通においしいです。実は台湾中にセブンイレブンとファミマがあるのですが、セブンイレブンに入ると必ずこれがあります。おやつ感覚で結構食べました。一個50円くらい。因みに台湾のコンビニはホットスナックが豊富で、特に焼き芋がおいしかったです。
⑥牛肉が入ったうどん
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正確にはうどんではないのですが、食感はうどんに近い。ごろっとした牛肉と、トマト風味のスープ。おいしかった。台北の繁華街で食べました。
⑤餃子?
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蒸し餃子的なやつ。いやーこれはうまかった。台北の寧夏夜市で食べました。厚めでモッチモチの皮が最高。ラー油がついてきました。是非食べてください。
⑥芋圓
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実は一番ハマった食べ物がこれです。一言でいえばサツマイモを揚げたやつです。外側はカリッカリ、中はモチモチの芋が入っていて、本当にうまい。説明が難しいので食べてみてください。20個入りくらいのパックを二袋、一気に食べきりました。大体どこの夜市にも地瓜圓って言う名前で売ってました。おすすめです。
⑦肉まん
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肉まんです。これも当たり前ですがおいしかったですね。餡ももちろんですが、特に皮がうまい。台北の士林夜市で売ってました。意外と夜市では見なかった印象。
屋台、レストランでの注文の仕方
台湾での注文の仕方は日本とは異なるので注意してください。
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台湾の屋台やレストランには、大体このような紙が置いてあります。料理名が全て書いてあり、注文したい料理の「数量」の欄に✓を書いていき、紙を店員に提出すればOK。夜市の屋台では口頭で注文するところがほとんどでした。
私は、最初にこの紙がよくわからなく、ネットで調べたところ、数量の欄に正の字を書けばいいという情報をみて、春雨スープのような料理名のところに「正」としっかり書いたところ、春雨スープが5つ運ばれてきてしまいました。その後店主が、私が観光客というのに気づいてくれて、許してくれた上に、注文の仕方も教えてくれました。おっちゃんマジですみませんでした。正の字を書くのは複数個注文したいときらしいです。日本と同じ考え方です.なぜ気づかなかったのか。。。
どのレストランもこの紙か,スマホでQRを読み込むオンライン注文でした.
交通を制する者は、建築旅を制す
交通について書いていきます。建築は動きません。自分から会いに行く他ありません。実際に建築旅をするとわかりますが、旅の殆どの時間は移動に割かれます。だから「交通を制する者は、建築旅を制す」なのです。
国によって公共交通機関のシステムが違うので、知らない国に着いたらその場で1時間くらい交通システムを調べてマスターすると良いかもしれません。
以下に台湾での移動手段を挙げていきます。ロゴを覚えておくとgoogle mapを見た時にわかりやすいです。
鉄道
①台湾鉄道
台湾の公営の鉄道。下のロゴが目印。これで大抵の場所に行けます。中長距離の移動に最適。
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②MRT
地下鉄のことです。日本ではあまりMRTとは言いませんが、海外ではよく使うので覚えましょう。台北、台中、高雄にMRTがあります。公共交通機関としては一番使うかもしれません。中長距離の移動に最適。
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③台湾高速鉄道 Taiwan High Speed Rail (HSR)
日本でいう新幹線です。西海岸を北から南に一直線に路線が結ばれています。台北から高雄まで2時間ほど、片道6500円くらいです。各都市の中央駅とは別の駅にHSRの停車駅があります。注意しましょう。
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④路線バス
バスを信じるな。これが私の信念です。出来れば避けたいですね。体感では80%くらいの確率で乗車、降車をミスります。
原因としては、
・バス停の名前が読めない&場所の検討がつかない
・定刻に来ないことがある(台湾は比較的マシでしたが)
・路線が多すぎる
・社内アナウンスが聞き取れないので降車ボタンを押すタイミングをミスる
このようなことから,少なくも私には非常にハードルが高い移動手段です。最終手段として考えています。街をよく知ってる現地民には便利なんでしょうね。。。
⑤夜行バス
路線バスは信じなくていいですが、夜行バスとは友達になりましょう。うまく使えば宿泊と移動にかかるお金と時間を節約できます。
といっても台湾旅では夜行バスは使いませんでした。交通の便がいいですし、そこまでキツキツの日程ではなかったので。
ヨーロッパ旅の際は大活躍でした。2日に1回は夜行バスに10時間前後乗って、国を跨ぐ移動をしていました。ヨーロッパにはFlixBusという緑色のバスがあり、大体これでどこへでも安く行けます。ヨーロッパへ行きそうな人は覚えておいてください。
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しかし夜行バスは諸刃の剣です。寝心地が悪く熟睡できるとはいえないからです。体力がある若い内に活用しましょう。また、運が悪いとコンセントが無い席に当たってしまい、三種の神器の1つ、スマホの充電ができないことがあります。最悪です。
あ、あとwifiも弱い。
あ、あと西洋人は皆話しててうるさい。
⑥シェアサイクル
シェアサイクルはマジでオススメです。積極的に使いましょう。2~5kmくらいの移動に最適です。
自転車に乗ると街の様子がよくわかります。5kmくらい移動すると、都市の中心から外れくらいまでの街の変化も見ることもできます。バスや鉄道には無い良さがありますね。電動なので結構楽です.
台湾には政府運営のシェアサイクルサービス、YouBikeが台湾中に展開されています。黄色やオレンジのバイクが目印です。ダサいのには目をつぶりましょう。
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値段も30分以内なら約50円。ほぼタダですね。旅行期間中は毎日何回も乗りましたが、蓋を開けてみれば合計1100円くらいでした。日本にもシェアサイクルはありますが、台湾の約3倍くらいの値段がかかります。
乗り方に関しては調べれば出てきますが、決済方法は悠々カードかクレジットカードがあります。私は専用のアプリにクレジットカードを登録して使っていました。初日に登録してしまいましょう。
シェアサイクルに乗る際は現地の交通ルールを,ある程度知っておきましょう。日本と大きく違うのは右側通行だということです。また、バイクと同様、車道を走る必要があり、二段階左折もしなければなりません。夜市に行くと人混みの中を走ることになり、スリル満点です。
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⑦徒歩
最後に信用できるのは自分の足です。2km以内だったら歩いた方が効率的だったりします。
決まった路線も無し、金もかからない。バスが来なかったり、近くにシェアサイクルのポートが無いときは、頑張って歩きましょう。しっかり食べて寝れば翌朝には回復します。
目的地への行き方
現在地から目的地への行き方を知る方法も紹介しておきます。特別な方法ではありませんが、一応。
①google mapを開く
②ブックマークした建築をタップ、又は目的地を検索
③「経路」をタップ
④電車のマークをタップ
です。
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Tamsui Xinyi Lineを使ったルートが表示される。
電車のマークをタップすると公共交通機関を使った移動方法が幾つか表示されます。なるべく乗り換えが少ないものを選びましょう。目安の時間が出ますが、ある程度目安時間が長くても、乗り換えが少ない方が結果的に効率的なことが多いです。
最後に
長々と紹介してしまいましたが,とにかく,台湾はストイック建築旅の初級編といえます.ぜひ時間がある学生の内に時間をとって全部見て回りましょう.
とりあえず,以下のポイントは特に押さえておいてください.
・シェアサイクル(YouBike)を有効に活用しよう
・ネックピローを持っていこう
・芋圓を食べよう
・荷物は少なく
・建物の開館時間,ガイドツアーの時間はしっかりとリサーチしておこう
以上!