
東北地方での大雨予想と、『降水短時間予報』。
こんばんは、nooooon(@nooooon_met)です。
今日は(も?)あまり嬉しくない情報が・・・。
大雨の中心はこれまでは西日本と東日本でしたが、東北地方でも大雨となる見込みです。29日にかけて土砂災害に厳重に警戒し、河川の増水や氾濫、低い土地の浸水に警戒してください。 #危険度分布 で災害の危険度を確認。 https://t.co/2h7JmiLaqY pic.twitter.com/hIlC4Y6s3Z
— 気象庁防災情報 (@JMA_bousai) July 27, 2020
このツイートの直前である17:20ころに『今後の雨(降水短時間予報)』を見たところ、下に示す図のとおり、局地的に1時間で80ミリ以上の猛烈な雨が降るという予想となっていました。
※1
で、時間が経過して・・・20:35ころにもう一度『今後の雨(降水短時間予報)』を見たところ、下に示す図のような予想となっていて・・・
1時間で50ミリ未満と、激しい雨が降るという程度の予想に変わっていました(それでもじゅうぶん強い降り方が予想されますが!)。
※1
この変化の理由、簡単に言うと「予報対象の時間帯が近づいて、予想が変わってきたから」と言えるんだとは思いますが、より踏み込んで考えてみると「予報対象の時間帯が近づいて、予測手法が変わったから」と言えると思います。
1.『降水短時間予報』について
1~15時間先までの降水の予測を行う『降水短時間予報』ですが、実は、「6時間先まで」と「7時間~15時間先まで」とで、発表間隔・きめ細かさや予測手法が異なります。
詳しくは下記ページにまとめられていますが、ここでは簡単に解説したいと思います。
2.発表間隔・きめ細かさの違い
下記のとおり、6時間先まではかなり細かく予報されます。
(20:35ころにみたものは、「02時20分まで」と「03時00分まで」が境目になってました。)
【6時間先まで】
・10分間隔で発表。
・1km四方の細かさで予報。
【7時間~15時間先まで】
・1時間間隔で発表。
・5km四方の細かさで予報。
3.予測手法の違い
下記のとおり、6時間先までは実際に降っている量をより考慮した予報が作成されます。
【6時間先まで】
解析雨量による1時間降水量の分布・移動速度を利用しつつ、あとの時間帯は数値予報モデルの予測結果も利用して予報。
【7時間~15時間先まで】
複数の数値予報モデルによる予測結果を組み合わせて予報。
4.時間がより近づいてきたら・・・?
降水短時間予報以外にも、1時間先までの5分毎の降水の強さを1km四方で予測する『降水ナウキャスト』や、30分先までの5分毎の降水の強さを250m四方で予測する『高解像度降水ナウキャスト』などの情報があります。
特に、高解像度降水ナウキャストは細かく予想されているだけじゃなく、見たい地域を自由に拡大したりできるので、おすすめです。
ちなみに、今日の午後に発表された『短期予報解説資料』には、こんな記述が。
東北地方や北陸地方では低気圧の東進に伴い西よりの湿った空気の流入が強まり、鉛直シアーも大きく、積乱雲の組織化に好都合な環境場となるため、前線や低気圧周辺では降水の線状化に伴う大雨のおそれがある。
(※2)
「積乱雲の組織化に好都合な環境場」・「降水の線状化」などは、珍しい表現なように感じました。
そんな、今日このごろ
※
1:画像は気象庁HPから→https://www.jma.go.jp/jp/kaikotan/
2:2020年7月27日15時40分発表のものから抜粋→https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/jishin/kaisetsu_tanki_latest.pdf