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スピリチュアルな人と鰻

2022/03/09
 歳の離れた兄弟のお世話になった方に会うことになり、久しぶりにちょっと遠出した。行きの電車の中でふと景色を見ながら飲む温かいお茶がとても心地よかった。

 やはり初めての人に会うのは緊張する。しかも兄弟がお世話になった方ということで、地味に手土産喜んでくれるかなとか、時間間に合うかなとか、子供みたいなことを考えてしまう。

 とはいえ、初めての町に行くのは少し楽しい。人間観察したり、公園覗いてみたり、色々なお店を見たり、いい歳してワクワクする。ちょうど夕方ということもあり、夕食の匂いと子供たちが下校して行く姿が、久しぶりにコロナ禍であることを忘れさせてくれるような感じだった。

 ミッションは難なくクリアしたのだが、先方のお知り合いにスピリチュアルな方がいた。なんでもかなり入れ込んでる人らしい。変な感じはしなかったが、私を見るなり質問攻めがすごかった。いつか書こうとは思うが、そっち系が見えないわけではないので、その手の人に興味を持たれることは多い。そんなスピリチュアルな人との話は詳しく後日書き留めておこうと思うが、その人曰く久しぶりにすごい方とお会いしたと興奮されており、こちらは苦笑い。なかなか返してもらえないだろうと思っていたが、たまたま夕食にと鰻をとっていただいた。

 うなぎが来た瞬間、スピリチュアルな方は一気に興味を鰻に持っていかれ、黙々と食べていた。さすが鰻、どんな人でも黙らせてしまうのには頭が下がった。かく言う自分も黙々と頂いてしまい、食べ終わった頃にはみんな満足な顔になり、良い意味で口数が少なくなる。

 その後は夜も遅かったので、すぐ帰路につき、帰りは気分がよかったので、在来線のグリーン車でゆったりできた。
 とまあ、鰻も食べれて満足な状態で布団に入ったものの、なぜかスピリチュアルな方が夢にまで出てきて、ちょっと色々と尾を引きそうな気がした。

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