霧
ずっと霧の中にいる心地がしている。思考が伸びていかない、言語化されていかない。感情が時折不明瞭で、しっかり掴んでやろうと思うと消えている。そんな感じで、2,3年以上を過ごしている。
薬を飲み始めてからだと思っている。全て薬のせいにしてしまいたい。
鬱(だと思っていた双極性障害)のせいで飲み始めた薬は、この3年くらいの間に何度か変わったけれど、今飲んでいる薬は「強い不安や緊張感、意欲の低下、気分の落ち込みなどの症状をやわらげる」ものと「気分の浮き沈みをおさえる」ものらしい。なんとなく、確かに、「なんて自分は駄目な奴なんだ…何やらせても何も出来ない…酷く醜い…こんな人と関わらせて周りに申し訳ない…何も出来ない…何も考えられない…楽しいことなどひとつも無い…死ぬしかない…」みたいな絶望的な憂鬱は無くなった。反対に、週3で8〜20時バイトをしながら週4で大学へ行く、一週間休みなしみたいなスケジュールで生活していても苦じゃなくてむしろ笑ってられた、そういった分かりやすい躁も無くなった。
気分は確かに平坦になった。その平坦な道に、霧が満ちている。
楽しいことも「楽しいような気がする」に過ぎず、辛いことも「うっすら気分が悪い」にしかならず、感情が曖昧なままで、ふよふよと私の周りを漂っている。
感情に、言葉という輪郭を与えてあげる前に、霧の中に消えていく。私は為す術もない。
心の安寧を得た霧の中の私は、代わりに書きたいという強い衝動を失った。小説を書いていても、書けない、と思うことが増えた。
それは、文章を書くことを大きなアイデンティティとしていた私にとって、自分を否定されるようなものだった。そればかりは、ひどくこたえた。
noteを3年ぶりに書いている。
言葉がまとまっていかないまま、書いている。
フォロワーのみんな、元気にしていましたか?元気にしていなかったとしても、また読んでくれていることを嬉しく思います。
霧の中で、ほんのり光るような喜びを集めて、いつかそれが大きな光となって、私の中の霧が晴れるまでどうにか頑張ろうと思っているよ。
2024/11/21