うんこと資本主義

「新しい資本主義」という言葉が定着しているかわかりませんが、少しずつ資本主義はカタチを変えています。

ウンコに金は払えるのか?

多分多くの人は、「いやない」「汚い話すんなや」「(臭そう、スマホ閉じよ)」←涙

うんこから見る資本主義の変化
さて、気を取り直して。
資本主義はお金と交換される価値に応じて変化しています。それは人が感じる価値の現れなので当たり前ですが、なかなか認識しづらい印象です。大きく分けて3つあると思いますので、その3つの変化と共にこれからどうあるべきかを共有したいと思います。

多分第一の資本主義であれば、ウンコとお金を交換するかと聞かれれば、ない一択でしょう。いや、、、多分ないです。

第二の資本主義から少し話が変わります。野生の動物のソレには情報が詰まっています。何を食べているのか?健康状態は?人間もどんな健康状態なのかわかるし、その形や固さでどんな栄養素足りてないのかわかります。動物はコミュニケーションにソレを使うみたいです。
世界ではソレを使った治療法も存在しますし、ウンチバンクも存在します。アスリートのソレからお金を生み出すAuBという企業もあります。

ソレそのものの話をしましたが、情報が溢れたことで、負の感情が雪だるま式に増える印象ですが、「うんこドリル」や「うんこミュージアム」は逆に口コミ(SNS)で広がり、人気を集めています。今の人とのコミュニケーションの摩擦としては丁度良かったのだと考えられます。

第三の資本主義。昔江戸時代にはソレが流通していたと聞きます。もちろんお金を払って買う人がいたということです。持続可能性を考えた時、あらゆる排泄物や廃棄物は資源になり得ますし、逆にそれらを循環させるエコシステムを作る必要があります。車もアルミが日本で処理できず、資源が海外に流出しているという実態もあります(都市鉱山の流出)。

さて、少し伝わったかもしれませんが、

• 第一の資本主義はモノがお金に変わる
• 第二の資本主義は情報
• 第三の資本主義は持続可能性や文化、共助

第三は未発展ですがたくさんの兆しがあります。テスラはなぜトヨタより時価総額が高いのか?コロナ禍を経て、大きく資本、すなわち価値に対する考え方が変化した結果だと思います。

第三の資本主義の兆し
アップルはスマホを分解するロボットに投資し、テスラは車ではなくエネルギー企業でトンネルや通信インフラまで作る、Googleは2007年にカーボンニュートラルを達成している。

モノを作ったりサービスを作る企業がなぜ販売できないモノに投資するのか?なぜインフラを自分たちで整備することに投資するのか?パリ協定(2015)より遥かに早く、環境への投資が進んでいたのか?

理由は単純で、これらの企業は体験価値創造の先、持続可能性の価値を知っていて、文化の創造、共に助け合う重要性をずっと昔から認知して実践しているからです。

モノが飽和し、情報も溢れ、AIが見えるカタチにまで加工し、次はESG投資として持続可能な事業への投資が必要とされています。モノを売るために会社があるのではなく、社会を変えるためにモノがあり、それを使う環境も整えて行く。文化を作る。そのために企業が必要。

DXに対する投資ももちろん部署の未来への情報共有や蓄積ですが、欧州でよく検討されているのは企業を超えてエコシステム全般の最適化、円滑化なども進められています。(自動車ならバッテリーパスポート、Catena-Xなど)

持続可能な社会のためにはエコシステムが必要。それは1人ではできない。企業にはステークホルダー全員で向かう方向性を作るパーパスが必要となり、共感を作り、共助の輪ができる。

やがて共助の輪でできたエコシステムは成長して文化となり、社会に実装された企業は人々に必要とされる。それが持続可能な成長を可能にする。結果として儲かる。社会もいい方向に向かう。

少し抽象的でしたが、では何をすべきかです。

価値の設計
▲第一の資本主義
「より便利」な物を「より安く」「よりたくさん」作れば儲かりました。多少の違いでもよく、IPで守ることで、持続可能性を担保していました。しかしいつしか便利に人は慣れるので、新しいモノを作る必要があります。そうやって新しい需要も生み出すシステムが生まれ、恵方巻きの大量廃棄まで生み出しました。

日本のサービスやものづくりの多くはまだまだここで足踏みしている印象です。

▲第二の資本主義
モノに対する価格とイメージの比較が容易になったので、「より便利」だけでは売れません。どのような体験をそれを購入することで得られるのか?情緒的な価値や体験価値といったものが設計されている必要があります。MacBookは機能も優れていますが、それを使っているクリエイターが多く、その結果使う人もかっこいいというイメージもつきます。そこに付加価値がついています。

加えて、情報を作ることも考える必要があります。自分たちのモノがどのように使われているのか?修理や故障の予知、保険といったサービスとの連携に向けたセンシングなど。コマツは有名ですがオムロン、ダイキンなど他にも長けている企業があります。他にもiCloudやLINE、Nintendoのように写真やチャット、友達との繋がりのようなものもなかなか手放せないもので、情報を作り、サービス以上の価値も生み出します。LINEを手放すのにいくら必要かというアンケートでは車並みの価格がついたという結果もあります。

▲第三の資本主義
まだまだ発展途上ですが、なぜモノやサービスを作るのか?が大切になってきています。売れる物を作る!儲けるために作る!当たり前ですが、消費者からしたら儲けたいのはあなたであって儲けさせる義理はないし、独りよがりだと思われます。

これでは今後消費者は動かなくなります。
Purpose : みんなと一緒に楽しい未来を作りたい。
Mission : 私たち企業はどこの部分を担いたい。
Vision : 少し具体化するとこんな未来を描いている
Value : その未来に対して、どのような姿勢で臨むのか。

これらが正しく浸透して、企業全体が実践する企業がブランドとして大きくなり、消費者を含むあらゆるステークホルダーが共感してくれ、結果として儲かる企業になります。

少し難しく書きましたが、例えばカフェに行く。美味しいモノが出てくる。味だけでなく、見た目や香りにもこだわりを感じる。それを食べる空間にも配慮が行き届いている。トイレに入っても綺麗だし使いやすい。お野菜は地元農家さんのを使っている。生ゴミはコンポストしているらしい。

あるチェーンは品質がいいと聞いた。でも少し高くない、、、?工場を見学する。明るくて、整理整頓されていて、トイレも綺麗で明るい。従業員さんも明るく挨拶してくれる。工程の担当の方も全体の工程を知りながら、自分の工程がどれだけ重要かわかって作業されている。なるほど誇りを持って仕事されているし、品質がいいのも納得。不具合が起きても誠実に対処してくれるだろう。高くても仕方ないか。

価値観の変化
資本は大きな塊としてのお金のイメージがありますが、小さい資本としてのお金、価値は時代と共に変化していて、当たり前すぎるほどに変化しすぎるので見落とされがちです。短期的に見るとタイパのような時間をお金に変える消費者の価値観の変化もあります。それをうまく文化や持続可能性を持たせられればビジネスとしてお金に変えることができます。(TiktokやUberなど)

第三の資本主義での生き残るために
さて、楽しく働くというのはとても難しいと思います。しかしこれからの社会で生き残るために、人材の流動性も高くなり、働きがいを感じられないような企業は人がいなくなります。自分は何をしているんだろう?これは何の役に立つんだろう?何でこれしかお金もらえないんだろう?たくさんの疑問が湧きつつ、仕方なく仕事をする人は別の選択肢を選べます。

だからこそ、一丸となってこういう方向(Purpose)で進もう!達成する目標はこれ(Mission)!今するべきことはこれ(Value)!それができれば達成できる未来がある(Vision)!って簡単にイメージできる企業が生き残ります。

これらの具体感と抽象度はバランスをとらないと共感されないし、都度その兆しが見えたら具体的な説明と共に、これは良い!と評価しないといけない。そうすることで具体感と抽象度がマージされていきます。

こういった考えが浸透しないと第三の資本主義の中で生き残っていけないのが第一の資本主義で止まっている企業の多い日本の凋落から見ても明らかだと思います。

以上、うんこから見た資本主義でした。

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