胃カメラ雑記
先日のことだが、健診で胃カメラを行なってきた。胃カメラを実施するのは3回目。3回目ともなれば手慣れたものよ!と言えるわけもなく、嫌々渋々同意書にサインを書いた。
2回目の胃カメラは、本当にほんとーに筆舌に尽くしがたいほど辛かったので、今回は鎮静剤で寝かせてもらうよう提案した。追加でお金が発生したっていい。楽に終わりさえすれば。
「車の運転をされるのなら駄目ですよ」
外来看護師さんは私の淡い希望を打ち砕いた。そうかい、寝かせてくれないのかい…。がっくりきている私を哀れに思ったのか、看護師さんは「鼻からいれてみますか?」と提案してくれた。鼻から…?この小さな穴から…?胃まで…?
「鼻のほうが楽な人もいますよ」
「じゃあそれでお願いします!」
「鼻炎や花粉症はありませんか?あると鼻からカメラが入れにくいので」
「鼻炎です…」
「そうですか…」
看護師さんは曖昧に微笑んだ。頑張れよ。その瞳は告げていた。
その後の看護師さんたちの処置の手早さたるや…。看護師さんって、何で喋りながらあんなに早く手が動かせるのでしょう。
「はい、鼻を綺麗にする薬をいれまーす。上むいてー」
「鼻から麻酔を垂らしまーす。そのままー」
「どっちの鼻がよく通ってますか?左ですね。じゃあ左を下にして寝てください」
私の頭の下には防水シートが引かれた。あたたかみもなにもない、つるっとした紙。全てのお膳立てが済まされ、マスクと手袋着用の先生が笑顔で入ってくる。
「おつかれさまでーす。鼻ですねー。いれていきますねー」
よろしくお願いします、呟いた私の声は蚊の鳴く声ほど儚かったと思う。胃カメラ、嗚呼、胃カメラ。もっと楽な方法はないのだろうか。あのチューブの太さはどう見たって人間の鼻より食道より大きいじゃないか。それよりも、次こそ、次こそ鎮静剤で寝かせてもらうんだ…!
つづく(かもしれない)
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