衝動、あるいは決意。
「あなたは日本人?」
旅人。宿のスタッフ。雑貨屋の店員。そして同じ日本人にも。
一歩自国を離れると、数え切れない程にこの質問のシャワーを浴びる。
そして私も、当たり前のように答える。
「Yes, I am Japanese.(はい。日本人です)」と。
恥ずかしながら今まで自分を、「日本人である」と強く意識したことはあまりなかったし、そこに特に疑問を持たないで生きてきてしまった。だって国内にいれば日本人であることは当然で、こんな質問してくるお店の人も、いなかったのだから。
私は個人の看板、そして会社の看板を背負って生きてきた。
視野はその程度だったし、それで十分だった。
だけれど私は旅にでた。
その瞬間、その国を旅する旅人ひとりひとりが「日本」という看板を背負い、誰かの「日本代表」になり得るであろうことを、強く意識するようになった。
そう。
「I am Japanese」であり、「I am Japan」なのだ。
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