死に物狂いの婚活
30歳を過ぎた頃、猛烈に結婚したくなりました。
理由は寂しいから。元々5人家族三姉妹の我が家は全員が起きてるうちはリビングにいる家族でした。邪魔だのなんだのと言いながらみんなでテレビを観るのが日常。
三姉妹も仲が良かったのですが、他の2人が結婚してしまい両親との3人暮らしになったある日。両親はそろそろ今の住まいを離れ、父の実家に帰って暮らすという話がでました。
職場を変える気はない私。このままだといずれは一人暮しになってしまう。1人は寂しい。誰かとテレビを観て過ごしたい、自分にも家族が欲しい!と強く思うようになりました。
しかし立ちはだかる自分のスペック。顔立ちで似ているのを探そうとすると、日本タレント名鑑よりも大相撲力士名鑑の方が似た人を探せそうな。そしてその顔にきっちりマッチする力士ボディー。声は大きくお世辞にも品があるタイプではございません。モテないが服着て歩いてる。どうしたもんかこれ。
しかし弱音や自虐を吐いて引きこもっていたらそれこそ結婚は程遠い。やるなら全力だ!こんな自分だからこそ沢山の人と会おうと決意し、婚活パーティー、街コン、マッチングアプリと全て手を出しました。
休日は1日2回は婚活パーティーに参加し、仕事終わりで行ける日は行きました。マッチングアプリでのやり取りは同時に何人も。そして都合がつけばどんどん会ってみました。趣味が婚活と言っても過言ではないほど、当てられる時間は全て婚活に捧げる生活を送りました。
それでも彼氏の出来ない自分。
就職活動は自分のスキルを見られている気分。これはこれで社会に役立つ能力の有無を問われる苦しみがあります。婚活は性別としての魅力を問われる気分。毎回毎回お前は女には見られない、と言われ続けている苦しみがありました。
何度ニコニコとパーティーに参加した後、1人涙ぐみながら夜道を歩いて帰ったことか。
そろそろもう疲れてきて、太巻きくらいはあったメンタルが、もう揖保乃糸まで擦り減った活動3年目。マッチングアプリで現在の夫と出会いました。
そこからは転がるように交際、妊娠、同棲、結婚となり今に至ります。
プロポーズもないけど、結婚式も挙げなかったけど。色々と憧れていたものからは程遠いけど。でも息子という宝物と、テレビを一緒に見てくれて、他愛の無いことで笑い合える夫との生活は有難いほど幸せです。何よりもう出会いを求めてさ迷わなくて良いんだという安堵感が凄いです。
1万回ダメでヘトヘトになっても、1万1回目は何か変わるかもしれない。何度も言い聞かせたドリカムのフレーズです。
婚活の極意はただ1つ、結婚するまで婚活をやめない、という事を実感した30代前半でした。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。