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いいピアノを弾くということ。

私の住む街の市民会館が時々大ホールを貸してくれる。30分1000円なので、まずまず良心的な値段だと思う。広い大ホール、舞台にはYAMAHAのCF。そこに、私、一人きり。

このところラヴェルのソナチネを練習しているが、私のピアノでは出しづらいピアノやピアニッシモが多い。いや、『多い』ではなく、曲の中でその殆どが小さな音なのだ。ドビュッシーの月の光よりはマシだけど。

ピアノは同じメーカーで同じ機種であっても一台一台違う。タッチも違えば音も違う。
そしてやはりアップライトピアノと比べて、グランドピアノは鍵盤の返しが早いし、音の強弱がとてもつけやすい。
楽器が人を育てる、と聞いたことがあるが、いつもこんなグランドピアノで練習していたらきっと上手くなるだろうなぁなんて思ったり。

初めてのコンクールの地区本選で弾いたピアノはスタインウェイのD274だった。これは間違いなく今まで私が弾いた中でピカイチのピアノ。こんなにも弾きやすく音が美しいピアノに触れて感動した。

ピアノを触れば触るほど、いいピアノが欲しくなる。子供の学費が終わったら、グランドピアノを手に入れること、真剣に考えてみようかな。

1月に入ってからモーツァルトはほとんど弾かず、ラヴェルのソナチネとバッハのシンフォニア3番の譜読みが始まってからはそちらに掛かり切り。このままモーツァルトを弾かずに忘却していくのも何なので、今日やっと収録した。
市民会館の大ホールで。
およそ三週間ぶりのモーツァルト。練習ほとんどなし。
毎回のことだが自分の弾きたいモーツァルトから遠いままの動画だけど、これでヨシとした。というか諦めた。何テイクも撮れないもの。
第一楽章から第三楽章まで一気に弾く。時間が長くなるので繰り返しは一切せず。

それにしても今日のホール、冷え冷えしてたなぁ。暖房が全く入っておらず(いつもは暑いぐらい暖房がはいってるのに)指がかじかんで動きづらかった。電気代高騰のおり、仕方ないか。
それでもピアノは優しい音がした。

いいピアノで弾くと自分が上手くなったように錯覚しちゃうな。
あー、やっぱり自分の思う通りの音が出るグランドピアノが欲しいーーー!

グランドを手に入れたとして、自分の思い通りの音なんて、やっぱり永遠に無理だな。きっとみんなそれぞれが追い求めてる音や曲というのがあって、近づこうと努力してるんだと思う。そして努力しても努力しても『これが完璧だ』『これが正解だ』というものがないから、この世界は面白いのかもしれない。

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