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病気になりたい人っているの?疾病利得とは?

皆さんは疾病利得って聞いたことはありますか?

これは病気になることで得られる利益のことをいいます。

病気なんて辛いだけじゃない?
利益なんてあるの?

そう思いますよね。

病気を治して早く家に帰りたい。
自分の家で気ままに暮らしたい。
愛する家族と一緒に生活したい。

私も病院に勤務するまで、病院にいつまでもいたい、家に帰りたくない人がいるなんて知りませんでした。

この疾病利得、一番わかりやすく身近なのが『学校に行きたくない子供』に見られる体調不良です。

お腹が痛ければ学校に行かずに家にいられる。

学校行きたくないと言わなくても
堂々と休むことができる。

そして子供は本当に腹痛を起こしたりするのです。

これと同じことが入院患者さんにも起こります。

いよいよ退院が決まった人が前日に熱を出すという現象を時々目にすることがあります。

彼らはなぜ帰りたくないのでしょう?

若い人たちであれば、障害が残らず病気が完治することも多いです。何か障害が残ったとしても自立した生活が可能なことが殆どです。

ところが高齢つ者の場合、様々な理由で自立した生活を送ることが困難な場合がほとんどです。

トイレに行くのも一苦労。
食事の用意はどうする?
買い物はできる?
衣服やシーツなどの洗濯はどうする?
入浴はどうする?

身体機能だけではなく、認知機能の低下を伴う方も多いので、身の回りのことを自身で行うというのは非常にハードルが高いのです。

病院にいる間は病院のスタッフが全てやってくれます。 

しかし、家に帰れば自分でやるか、家族がやるかとなります。
もちろん介護保険サービスを利用してもらい、
家でその人が生活できるよう環境を整えてから退院していただきます。

それでも病院のように24時間のケアが提供されるわけではありません。

核家族化が進んだ昨今、独居の高齢者も少なくありません。

食べることの心配はなく
常に清潔なベッドに寝ることができ
ボタン一つで誰かが飛んでくる。

家に帰ったらそれらがなくなるんですから、病気のままでいたいと思う人がいても不思議ではないですよね。

皆さん、口では『早く帰りたい』と仰るし、
帰りたさそうな素振りもみえます。
が、いざ病院を出るとなると不安が押し寄せてきてしまうのです。

退院に合わせたように体調不良に陥る人々をみていると、病気でいたいんだなぁと思ってしまいます。

そこで本当に体調が悪くなるんですから、潜在意識下での想いは馬鹿にできないと思います。


今日も最後まで読んでいただきありがとうございます😊

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