ブルアカの話 リオ会長を語りたい

こんにちは、皆さんいかがお過ごしですか?
ブルアカ、バレンタインイベント復刻が来ましたね。
色んなキャラからチョコがもらえる嬉しいイベントです。割とネタに走ってるキャラもいるので、本当ならそういう子からのガチチョコも欲しいなとか思うんですが、まぁそれを要求するのは酷かもしれない。特にリンとかモモカとかアカリとかそこら辺何とかならんかなと思ったり。

そんなバレンタインになったら、彼女はどんなチョコをくれるのでしょうか。
実装の暁には、「これが最適でしょう?」と臆面もなく凄いチョコを渡してほしい、そう思うキャラにして、パヴァーヌ二章のボス格キャラ。
調月リオの話を今日はしようと思います。


リオの活躍について

皆さん、リオに対してどんな印象を受けていますか?
最終的な印象はさておき、第一印象はこのゲームをやっている人なら概ね同じだと思います。

そう、ヒマリからの評価でしょう。
「全てを統制しようとするビッグシスター」「下水道」「浄化槽に浮かぶ腐った水」ここら辺の文言は覚えのある人がいると思います。
この後の展開で明らかになる、「セミナーと敵対しつつ、リオに対して一言では言い表せなさそうな感情を抱いているヒマリ」からの評価である、と考えるとこれは決して公正な視点とは言えないのですが、それでも彼女という存在にここまで言わせるリオに対して凄まじい印象を受けた人も多いのではないでしょうか。リオとヒマリについては後程述べますが、彼女たちの関係性はかなり好きです。また、ここで言われていたあだ名も改めて考えてみると、あながち外していない、ということも感じました。これについては後程述べます。
当時、特異現象捜査部を彼女の権力において設営させた点でも、未登場ながらその名前だけでかなりのインパクトを与えていました。

そして満を持して出てきた時計仕掛けの花のパヴァーヌ第二章において、彼女は凄まじい爪痕を残していきました。

前編における彼女は、まさにビッグシスターと呼ぶにふさわしい動きをしていたと言えるでしょう。
話の冒頭からヒマリを捕らえ、そしてアリスの危険が発生したのち、見過ごせないと判断した彼女により、アリスが連れていかれます。先生はこの際の事項に対し、誘拐という言葉を使っていますが、それは微妙にしっくり来てません。というのも、あくまで武力をちらつかせ、アリスたちに直情的過ぎるとはいえ、彼女なりの言葉を尽くしたからです。勿論一般人感覚では、あのやり取りは言葉を尽くした、などと言えるものではありませんでしたが、改めて見返すと、あのやり取りを挟んだのは彼女なりの誠意の表れなのかな、と思いました。
ここまではリオという人物の計画通りに事が進んでいた、というにふさわしいでしょう。ここで重要なのは、決してリオが私利私欲のためにアリスを連れて行ったわけではなく、ミレニアム、ひいてはキヴォトスのためを思って彼女を連れて行ったことです。トリニティ・ゲヘナの平穏とミカのため、という信念で動いていたナギサ以上に、彼女は自身を殺し、全のために動いていた、と感じました。

ですが、彼女もあくまで一人の生徒、如何にビッグシスターと呼ばれるほどの存在であるにしろ、弱みがあります。
その弱みが描かれたのが後半です。
周囲に相談せずに行動してしまうその独善性・それゆえの孤独感、そして独特なセンス。多対一の構図により、それらを明確に突きつけられ、そしておそらく人生で初めて己の独善を自覚しそして罪の意識を感じた彼女は、セミナーから去ってしまいます。
ゲーム開発部から見れば攫われたお姫様を魔王の手から助け出す英雄譚だとしても、逆から見れば彼女に残酷なまでの真実を突きつけます。
周りの人と仲良くし、人望を集め、この世界を救ったアリスと、
自身の正しさを信じ、理解を得られず、世界を終焉に導きかけたリオ
それもすべて彼女の撒いた種である、と片付けるには、余りにも辛いと言わざるを得ません。
ドラクエなどの昔ながらのRPGオマージュ。世界の謎に迫ることなく、その議論を交わさず、「そんなことどうでもいいの」と折衝を省き、悪を悪と誅する。魔王にとってはあまりに冷徹で残酷な世界観です。ドラクエ11のウルノーガを倒して終わる世界、そんなことを考えてしまいました(個人的にはこういう苦いところ含めて二章好きです)
メイン全体の話はまた今度したいところですが、リオ会長が耐えきれず消えたのは仕方がないことでしょう。「生徒」である未熟さを思えばなおのことです。或いは、あの時点でもリオ会長は己が犠牲になれば、全て丸く収まる、と考えてしまったのかもしれません。どちらにせよ、それは彼女の未熟さ、と言えるでしょうし、先生ならばその側面も愛するべきである、そもそもこの物語は生徒と先生という構図があるのを忘れているな、と思います
自分はそんなリオ会長が、己を使い潰しトロッコ問題のレバーの引手、或いは線路の上に乗る者としてしまう彼女が大変に好きです。そして同時に危うく、だからこそ先生として早く助けてほしい、そう願うばかりです。

またここまで見ればわかる人もいると思います。
「下水道」という言葉は、悪辣な選択を引き受ける、そういう担い手が必要である。「浄化槽に浮かぶ腐った水」は、周囲を清く保とうとする故に、自身が穢れていく存在である、そんな思いを込めた命名なのではないかと。
そして悪辣に罵るのは、彼女がそうでなくなってほしい、という願いを込めているのではないかと。
ここら辺は希望的な観測かも知れませんが。

二章におけるリオの対比

ブルアカはエデンにおけるサオリとミカ、アリウスとアズサのように対比構造が良く見られます。その中でも、パヴァーヌ編は全体的に対比が美しい章だと思います。
例えば上で示したような、リオとアリスの対比。
己の行為の独善性を理解しつつも痛みを伴うものだと前に進んだリオと、
己の行為で誰かを傷つくことを恐れ、自身の生すらも手放そうとしたアリス。
或いはリオと先生の対比。
妥協で己が引き金を引き、十全ではない結論を選ぼうとするリオと、
理想論を追い求め、全員が前に進む道を選ぼうとする先生。

個人的にはこの中でも、リオとヒマリの対比構造が好きです。
モチーフとかも含めて、リオとヒマリはかなりの対比があると思います。

まず軽めの所でいうと、人と良くしゃべるコミュ障と喋らないコミュ障ですね。
自分主体でトークしがちなヒマリと、自分のことを喋らずそもそも会話をしないリオ。お茶目、というには若干行き過ぎな面もあるヒマリと、四角四面なリオ。ここは結構綺麗に対比になってると思います。
で、ヒマリは若干ここでミスってると思ってて、上のようなあだ名も相応の意味を含んでいると個人的に考えてるんですが、それをリオは「根暗」みたいな直球の悪口とごっちゃにしてます。ヒマリも天才故に自分が理解できることはその才能を認めているリオにも出来ると思っていて、だからあの手の  ダル絡みしてるんじゃないかなぁ、とか。
だからヒマリは言わずとも自分がリオのある程度理解者であることを察してくれていると思っているけど、リオ自身はそれを口に出されないから、理解されてないと思ってしまっていると。
まぁ、ここら辺全部妄想なんですけど、そういうのを踏まえて、ヒマリにリオへ直接的な好意を伝えるシーンが欲しいなぁ、って。

あとトキとエイミ、ここも対照的ですね。
命令に従うが忠誠心の薄いトキと、時々口げんかもするけど友人として大事に思ってるエイミ、ここもあるなー、と。トキとリオの関係が、エイミとヒマリのように変化すればよりいいな、と思います。

で、総括的なモチーフ面でいうとハードウェアとソフトウェア
量子論と相対性理論と予想してる人もいましたが、これは受け売りなんでこちらで語ることはしません。で、リオがハードウェアだと思ったのは、セミナーのモチーフにコンピューターの五大装置があるからです。

制御・演算・記憶・入力・出力の5種類の装置。
このうち、演算はユウカ、記憶はノアが担当してるのは見ての通りです。
パヴァーヌでモモイが言ってた「生徒会四天王」、たわごとだと思っていたんですが、これに当てはめて考えるとめっちゃしっくりくるんですよね。
このうち、出力か入力は辞めたコユキと考えられるので、残り二人、と。この全てを組み合わせたコンピューター、ハードウェアがトップのリオに当たるのかな、と考えてます。
決まった規格以上には変化できない、融通の利かないリオと、幾らでもあとから付け足しができる、柔軟性のあるヒマリ。或いは、細かなところには手の届かない、規模感の大きな視点のリオと、微細なところも気を回せるヒマリ、と。ハードウェア・ソフトウェアエアプなんで適当言ってますが、当たってたらうれしいな、とか。
この二人がいつか、きっちりと肩を並べられる良き友人になることを願うばかりです。

最後に・リオはいいぞ

はい、ここまでリオという人物の内面をモチーフなど含め語ってきましたけど、個人的にはブルーアーカイブと言う話全体を通して指折りレベルの聖人であり、為政者であり、それでいて子供であると感じさせてくれる、とても可愛らしい生徒です。
キリッとした、家元と呼ばれるような見た目ですが、その外見で内面未成熟な部分があるのも含めて大変好ましいですよね。
今後リオが救われることを祈りつつ、パヴァーヌ二章はいいぞ、ということで。
今回はこの辺で。


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