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そのかわいさは万人共通じゃない

日常である出来事の中で、なんだかもやもやしていた感情が言葉になってすっきりした話である。
「え、コイツ性格悪ッ」と思う方もいらっしゃるだろうが思ってしまったものは仕方ないのでご容赦頂きたい。

先輩のひとこと

思考を巡らした発端は、会社の先輩との雑談だった。
この日、時折ウェブ会議で出てくる上司のお子さんについて、
先輩はこう言い放った。

先輩「上司さんって、しょっちゅうお子さんをmeetで (Google meet、ウェブ会議ツール)出してくるけどさー、正直顔がアレな人の子供もその子のせいじゃないけど可愛くはないのよね」

「(いや、仕事とは全然関係ないけどめっちゃストレートだなあこの人・・・w)そ、そんな残酷なこと言わないでくださいよ。闇深いなあ、先輩w」

先輩「えー、でも特段可愛くないのに見せてこられるのキツイよ」

「・・・・(それについては否定できない)」

私と先輩の上司は、基本的には悪い人物ではないことは前置きしておく。
しかし部下が連携ミスをやらかしてしまったときに、フォローよりまず嫌味をナチュラルに言ってくるタイプで、マネージャーとしてはイマイチな他人のモチベーションを下げてくる人だった。
そんなタイミングで先輩は上司にまつわる愚痴を言いたかったのだろう。

そんな上司がアイコンにする程溺愛している5歳の長女ちゃんと0歳の長男君だが、先輩にとっては可愛くないんだそうだ。

かくいう私も、子供は大体1~2歳くらいまではみんな等しく可愛いと思っている人間。
なぜ2歳くらいまでかというと、みんな赤ちゃんで見た目の差別化が難しいし、体に対して顔が大きくて、本当に他人なしでは生きていけない存在の儚さに可愛いと心理的に思うからだ。
3歳くらいになって手足もすらっと伸びてきてから、人の顔面は可愛いの真の評価をされ始める本番だと思う。
(あくまで個人の主観なので、すべての子供が可愛いと思っている方は見なかったことにした方がいい)

その点、赤ちゃんの長男君はさておき、
長女ちゃん(5歳)は残念ながら上司のキツめの一重まぶた、離れた瞳、面長なフェイスラインを継承してしまっていた。
七五三かなんかの記念写真を見せてもらった時も
「ああ、、ディズニープリンセスのコスプレをしていても平たい顔族の極みだし、これは親じゃないと可愛いとは言い難いなぁ…」なんて内心思っていた。
先輩みたいに口に出して言わないけど。

可愛いというその言葉が聞きたい


今回の話は、上司の子供が美人とかブスとかが問題ではない。
こういった○○が可愛いだのか可愛くないというくだりにまつわる感情の応酬に、既視感みたいなものを私は覚えていた。

先輩はたまにこういう「モラル的になんか言ってはならない」みたいな事をぽろっと言ってしまう人なのだが、これは人間として割と湧き出てしまう感情が見えた瞬間だと思う。

たしかに子供を可愛くないって言ってしまうとなんか悪い奴みたいに他人の目から映る節はある。
子供は等しく可愛いと思うのは当然の事であるというか。
言っておくがこの風潮を否定する気はないし、子供可愛くないとか思っちゃう奴の方が性格が悪いのは事実。

でも、この綺麗事にコーティングされて、気づかず他の人に
「可愛いの強要」をしている人に気づいてほしい。

あなたが可愛いと思ってる人・モノは他の人にとって可愛いと思われるかは別の話だよ、と。

可愛くって可愛くってつい人に見せちゃう最たる例は、自分の子供(孫)、ペット、可愛い友人の写真、買った商品、アイドル関連の写真やグッズあたり。
自分がこんなに可愛いと思っているはずだから、他人が可愛いと思わないわけがない。

必ずしもそうではないのだ、気持ちは分かるけど。

「可愛いね」ってコメントを言ってもらえるの待ってるのを他の人は感じ取っている。
「ああーこれは可愛いって言わなくちゃいけないなー」と。

可愛いって言ってもらえると、それを御してる・所有してる自分もほめられた気持ちになる。

これは病みつきになる感情だ。他者への共感力を鈍らせてしまうほどに。
そして、大体の皆さんは良い人なので可愛いって結果的に言ってくれることを、押し売りしてる側は無自覚だけど確信しているから共有という名の強要を止められないのだ。

「なんだよ!そんな身も蓋もないこと言って、可愛いものを気軽に共有できなくなったら会話の彩りとかもなくなるじゃないか。そんな事気にしてコミュニケーションとらなきゃいけないのか(怒)」
というお声も当然あると思う。

そんな声に対しては、
「はい、コミュニケーションなのでそれなりに相手のことを考えながら物事は発信しましょうね。相手をご自身の暗に承認されたい欲求のはけ口にしないでください!^^」
と言いたい。

共有の頻度と「かわいい」と言わなきゃいけない雰囲気を相手に感じさせちゃっている可能性があることには目を向けなくてはいけないが、
完全禁止じゃなくて、節度をもって発信してねという警鐘なので
この毒のある主張をオーバーに受け取らないで頂けるとありがたい。

今回の件で、自分のインスタで
「うわあー私もうちのニャンをリアアカでこれ見よがしにストーリー投稿しちゃってるわー」
と投稿頻度を反省した。
なんらかの理由で猫好きじゃない皆さん、ごめんね。
節度をもってニャン自慢は、猫用アカウントかリアアカでもひっそりと猫好きな人の前でやろうと思った。

別に自分が可愛いと思っているものを否定してシュン、、、となって投稿や発信を取りやめようとしなくていい。
気心が知れている人であれば、推しのアイドルとかいぬねこの話を嬉しそうに話す姿を客観的に見て可愛いなと私は思う。

その人が可愛いと思っているものを同じように可愛いと思えるのは、
その人自身と自分と繋がりが深いから。

逆に事実かわいくても、そんなに仲が良くない・こちら側がよく思っていない人が愛でているものをチラチラ見せられても可愛く見えないフィルターがかかってしまうこともある。

なんだかんだだが、
相手との関係性や相手の心境を思い遣ればお互い気持ちよくやり取りができるのではないか

と思ってしまった闇に対してそれらしい言葉で結論づけてみる。

以上、しがない20代OLの徒然note1投目。
お目汚し失礼しました。

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