日常にアクセントを添える、田村亮介氏のフローズンミール
青山外苑前に、「慈華 itsuka」という中国料理店がある。
料理長は、田村亮介氏。
横浜中華街 広東名菜「翠香園」をはじめ都内数店舗を経て、台湾の四川料理店・精進料理店にて修行した後、麻布長江「香福筵」料理長に就任。その後、“食材、生産者、料理を慈しむ”という想いをのせて、2019年に南青山「慈華 itsuka」を開店。
店内のコンセプトは、日本を想起する“木”と、中国のを想起する“石”でコーディネイトされており、洗練された雰囲気が漂っている。
西麻布の名店「麻布長江」の頃から、食通の中でもシェフの名は知られた存在だったが、現在の「慈華」を開店して早々、ミシュランガイド東京2021、2022では、連続で一つ星を獲得。
今、飛ぶ鳥を落とす勢いの人物だ。
そんな田村氏が、初めて世に名前を出し、手掛けた会員制サービスが、フローズンミールnonpi A.R.U.だ。
急速冷凍したシェフの料理が自宅に届き、温めるだけで"有名店の味"が自宅で食べられると話題になり、発売2週間で生産が追いつかなくなった。(1ヶ月後、再販開始)
実際、購入した人からは、
"冷凍から温めて、素材の美味しさを感じるのは、初めての体験だった”
"たっぷりの黒酢あんが、素材の旨味を引き立たせていて、一度食べたら忘れられない本格的な味わい"
"いつものお家ごはんのラインナップが単調になってしまう時に、田村氏の中華料理を出すと、日常にアクセントが生まれる"
などの意見がある。
nonpi A.R.U.最大の特徴は「日常のアクセント」だ。
田村氏が手掛けるそれは、「本格派なのに食べやすい味」と素材の美味しさ」から演出されている。
"ミシュランを獲得した中国料理店"の味
本格派なのに、食べやすい。
そんな声が聞こえてくるのが、田村氏の料理の特徴だ。
台湾の四川料理店で修行していたこともあり、近所の中華料理店では味わえない"本格的な味わい"を体験できる。一方で、とても食べやすいのだ。
「これは嫌いな人いないですよね!」と、日本最大級の料理人コンペティションRED U-35で、GOLD EGGを獲得した米澤文雄氏も絶賛。
中国の歴史は、5000年以上続いていると言われており、"中国料理"は世界の料理の中でも考え抜かれたジャンルの料理だ。その中華の偉大さを感じながらも、"日本人の自分だからこそできる、中国料理"の味わいを発明したいと、田村氏は語る。
"本格派なのに、食べやすい"と感じるのは、"日本の繊細さ"が料理に取り入れられているからではないだろうか。
黒酢あんの調味料は、中国三大名酢と呼ばれている、香り良くまろやかな酸味の鎮江香酢を採用。
これがまた癖になり、"白いごはんをそそる"味つけになっている。
副菜の卵もとろとろでマイルドな味になっており、甘酸っぱい黒酢酢豚の付け合わせとしても最適だ。"食べやすい"のに、"家庭で作ることのできない"別格の味付け。そんな存在が日常に取り入れられることで、「日常のアクセント」になり、"いつもごはん"を盛り上げてくれるのでは無いだろうか。
艶めく黒酢あんの中に、"素材の美味しさ"を感じる
"素材の美味しさを感じる"ことができるのは、田村氏の長年の経験による緻密な計算からだ。
炒め物は、野菜のシャキシャキ感が決め手になり、冷凍して解凍すると素材の美味しさが損なわれてしまう。一方、酢豚の調理方法は、冷凍して再び温めた時にも、素材の美味しさを保つことができる。温度変化に対して、素材の旨味を閉じ込めることができる調理方法のメニューを選定している、と田村氏は話す。
また、試作品に対するチェックも抜かりない。nonpi A.R.U.では、1プレート4ヶ月の開発期間を要している。出来立ては美味しくても、冷凍して解凍すると、味が変化するのが、フローズンミールの最大の難しさだ。
解凍したあとの再現性に1番こだわったシェフは、田村氏でした。
と、製造部担当は語る。
調理で加熱する。急速冷凍する。再び温める。この工程で変化する味に対して、調整を的確に指示できるのも、ミシュラン獲得を成し遂げた田村氏だからこそ。
出来立てごはんとフローズンミールの1番の差は、"素材の鮮度感"ではないだろうか。
それに対し、"素材を生かした"上に、"本格的な味付け"を感じるレベルに押し上げたのは、経験と努力の賜物だろう。
"いつもごはん"を盛り上げてくれるアクセント
田村氏のメニューは、他にも魚料理やプラントベースの料理を取り揃えている。いろんなメニューがあるからこそ、飽きが来ないのもポイントだ。
以上、田村氏の料理を中心に紹介をした。
コロナ禍で外出できなくても、おうち時間で美味しいものを食べたい…
平凡な"いつものごはん"に飽きてしまった…
そんな時に、日常のアクセントとして、田村シェフのnonpi A.R.U.メニューを取り入れ、"いつもごはん"を盛り上げてみてはどうだろうか。
"本当に美味しい"を、いつものごはんに…。
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