
【イベントレポート】「第7回関東自主研サミット〜自主研の未来に向けた気づきとつながり〜」を開催しました
こんにちは😃
先日9月23日(木)祝日に「関東自主研サミット」がオンラインで開かれました。
「自主研」とは、自治体職員による自主研究グループ活動のことをいい、自治体職員が中心となって学びやネットワークを築くために業務外に行う自主勉強会や地域活動等のことをいいます。
活動範囲は、県や市など一つの自治体とどまらず、例えば「東北まちづくりオフサイトミーティング」といった県や市を越えて活動している自主研もあり、自治体職員などが緩やかに繋がる「サードプレイス」となっています。
※自主研の分類と変遷については、関東自主研サミット運営メンバーの「さかかつ」さんのnote に詳しく書かれているので、ご参照ください。
そして、「関東自主研サミット」とは、関東地方の各自治体で行われている自主研の活動事例を発表し、各地で自主研といった自治体職員によるサードプレイスを増やしていくことを目的に5、6年ほど前から開催しているイベントになります(私も直近の2回ほど運営で参加しています)。
今までは関東各地で開催し、地元自治体職員との交流を行ってきましたが、今年はコロナ禍のためオンライン開催となりました。
今年のテーマは、「自主研の未来に向けた気づきとつながり」ということで、コロナ禍の制約がある中で活動を継続している事例を学んで、これからの自主研の活動のあり方を考えようという趣旨で開催されました。
当日は、関東だけでなく山形や新潟、兵庫など全国各地で自主研をやっている自治体職員等約60名近くが参加しました。
ゲストには、茨城県にて「小美玉(おみたま)オフサイトミーティング」の活動をされている小美玉市の中本正樹さん、神奈川県市町村職員による自主研グループ「K33ネットワーク」の活動をされている小田原市の片山久美さんをお招きして事例発表をいただきました。
最初に中本さんから小美玉オフサイトミーティングの事例発表。
小美玉オフサイトミーティングは、2019年11月に、小美玉市職員が中心となって出来た自主研で、メンバー6人程度で、企画・運営をしているとのことです。
メンバーに企画内容は任されており、市職員対象にするか、オープンにして庁外の地元の人も巻き込んだ企画にするかは、その都度決めているとのことです。
メンバーが産休に入ったことをきっかけに、オフラインとオンライン(配信)のハイブリッド開催にして産休・育休中の職員の不安解消にも繋げているとのことです。
また、「公共コミュニケーション学会 (行政、NPO等の広報・ コミュニケーションを研究する学会)」に参加したり、「第1回茨城自主研サミット」をオンライン開催して、県内各自主研の連携を深めているとのことです。
そして、多くの自主研が抱える課題として「開催しても参加者が集まらない」ことが挙げられます。
中本さんは地元で住民ミュージカルに長年携わっており、同じ悩みを抱えることがあるため、その時は「参加して得られる成長を言語化しておくこと」や「常に情報発信をして楽しさをしっかり伝えること」で仲間を増やしており、自主研にも同じく応用しているとのことです。
さらに、中本さんが仕事で携わっているシティプロモーションの観点から、マーケティングの理論を用いて、ターゲット化した庁内人材にアプローチ出来ているか問うてみることも大事ではないかとのことです。
つまり「誰でも良い」わけでなくて「あなた」に参加して欲しいというメッセージをどれだけ伝えられるかが自主研に参加する仲間を作るのに必要ではないかとのことです。
中本さんの発表は、自主研というサードプレイスを個人がいかに参加しやすい場にしていくかを考えさせる内容で、とても勉強になるプレゼンでした。
続いて、K33ネットワーク片山さんからの事例発表。
K33ネットワークは、2009年に神奈川県内市町村の若手職員を中心に設立した自主研で、月に1度、幹事自治体持ち回りで政策テーマについて学習会(現在136回)を開催しており、「楽しく!マジメに!前向きに」をモットーに活動されているとのことです。
学習会のみならず、政策テーマ別分科会や地域の現場を知るフィールドワーク、クリスマスパーティーなど学びや交流に幅広い活動をされてきたとのことです。
片山さんは、今年の4月に代表に就任され、コロナ禍での今後の会の運営を考える中で、3つの方針を作られたとのことです。
1 働き世代も無理なく参加できる効率的で濃密な時短学習会
2 即実践に活かせるジャストタイムな情報交換
3 仕事帰りに気軽に会える距離感でディープな仲間づくり
まず1点目として、設立当時は、20代の若手職員だったメンバーも3〜40代と子育て世代や仕事も多忙な中堅職員も増えてきたことから、90分に凝縮した学習会の開催や子どもを寝かしつけながらもオンラインで「耳のみ参加」も可能とするなどを無理なく参加でき且つ効率的で濃密な学習会となるよう工夫しているとのことです。
2点目は、コロナ禍でどの自治体もワクチン対応などが急務になる中で、お互いの自治体の状況についてフェイスブックグループなどリアルタイムで逐次共有し、情報交換を行っているとのことです。
3点目は、コロナ禍でなかなか会えない中でも、例えば「働く女性のための学習会」などをオンラインで開催し、気軽に参加でき且つ同じ属性のディープな仲間づくりが出来るよう心掛けているとのことです。
そして、これからのK33ネットワークとして、(同じメンバーだからこそ)失敗談なども共有できる心理的安全性を保ち、お互いに成長できる質の高いアドバイスなどが出来ることを大切にしたいとのことです。
今はコロナ対応など多くの自治体が手探り状態になっているからこそ、メンバーの自治体職員に向けて0から1を生み出すための壁打ちの場をK33ネットワークが担っていきたいと力強い言葉で締め括られました。
10年以上も、K33ネットワークの活動に携わってきた片山さんだからこそ、働き盛りの中堅職員に向けた視点や、コロナ禍という難しい状況を克服するためにK33ネットワークが今まで培ってきた自治体職員同士の繋がりを大切にしていきたいという思いが感じられるプレゼンでした。
事例発表の後は、参加者同士がそれぞれブレークアウトルームに分かれて感想を共有するグループワークを行いました。そして、会終了後は、発表された中本さん、片山さんとも交流出来る懇親会用のブレークアウトルームを設けて、参加者には自由に部屋を行き来して交流して頂きました。
今回のオンライン開催は、関東自主研サミットとして大きなチャレンジでしたが、事例発表をされた中本さんや片山さん、参加者との交流もじっくり図れた会だったと思います。
そして、イベントを通して、コロナ禍で自主研の運営を継続する工夫としては、
☑︎オンラインも取り入れて、且つ参加メンバーの属性(子育て中、中堅職員、女性等)に応じた企画内容にすること
☑︎コロナ対応など業務に繋がる情報をリアルタイムで共有出来る仕組みを作ること
☑︎個人が自主研に参加したいと思えるメッセージを意識して発信すること
だと考えました。
今後も、関東自主研サミットメンバーとして、コロナ禍でも自治体職員が自主研というサードプレイスを持つことの意義を伝えられるよう活動していければと思います。
bit.ly/planetsclub