【イベント参加】「北欧における場所としての公共図書館・フィンランドを中心として」
7/26に、豊島区で分野横断的な勉強会を開催されている「としまクロステーブル」さん主催「北欧における場所としての公共図書館・フィンランドを中心として」に参加してきました。
人々の「居場所としての図書館」には、かねてから興味があり、司書資格も今年取得したので、とても興味あるテーマでした。
また、フィンランドは、最近読んだ漫画「ホテルメッツァペウラへようこそ」の舞台にもなっていて、雪国でサウナとオーロラと森がある、とても素敵な国のイメージです。
今回は、立教大学社会学科の博士課程で、移民や多様性を研究されている若手研究者の宮澤篤史さんからお話をお伺いしました。
フィンランドの公共図書館はどんな場所か、3つのキーワードで説明をいただきました。
①公開性 ②多元性 ③予測可能性
公開性は、誰にでも開かれている、誰でも来られる場所であるということ。
多元性は、多種多様な人がいる場所であり、そして、複数のマルチな活動ができる場所であるということ。
予測可能性は、どんな場所か、何が出来る場所か(本が読めるとか、地元の資料が置いてあるとか、つろげるとか)がある程度予測出来る場所であるということ、です。
お話を聞いて印象的だった点は、
・ハード面では、開放的でオシャレな外観と、くつろげる雰囲気を大事にしている。おしゃべりしたりリラックスできるスペースや、個室で討論したり作業したりするスペースも用意されている
・誰でも受け入れる包摂的な場所であることを示すために、「図書館は誰のためのものか 愛する人、うるさい人、セクシャルマイノリティ、ホームレス、移民の人」という宣言が明記されている。
・移民受け入れや多様性の観点から、フィンランド語を移民に対して教えるプログラムが実施されていたり、多言語の資料が充実している。
・子どもが学校教育の一環で図書館を訪問して、司書からの読み聞かせなどを受けたりする教育がある。
・ものづくりのためのスペースや、音楽スタジオ、キッチンなどもあって、いろいろな活動が出来る施設が用意されている。
・デジタルサービスとしてタブレットの貸し出しや高齢者向けのデジタル機器の教室なども実施されている
フィンランドの公共図書館が、本を読むためだけの場所ではなく、個人のいろいろな活動を支援する、「なんでも出来る場所」であることがとても面白かったです。
また、移民やセクシャルマイノリティなど社会的少数者が社会で暮らしやすくするためのプログラムや仕組みの提供がされているのも印象的でした。
さらに「うるさい人」のための場所でもあり、あらゆる人を排除しない場所であることを謳っているとのこと。日本では図書館では静かにしなくちゃいけない、という思考に捉われてしまいますが、どんな人もその人らしく過ごせるための寛容さを持つ場所であるということも特徴的だと思いました。
引き続き10月も「パブリック✖︎公共図書館」の議論の企画があるようなので、楽しみにしております。
多文化共生と公共図書館 【講義+ワークショップ イベント】 Public×公共図書館 Part.2
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