N adjuster 「一枚の革」「一本の線」
所作らしくない
ここ3年くらい定番展開ではなくB5サイズの所作のように折って仕立てたものに肩から斜めに持てる「所作ショルダーバッグ」をほぼ直営店舗のみでリリースしてきました。「所作」は袱紗をモチーフとしているのでお金を包まないものは定義から外れる。5年前にパリにあるギャラリーからの依頼で所作クラッチバッグをローンチしたもののショルダーバッグと同じように今だに定番展開していないのは定義から外れているのが理由です。また「バッグ」と名乗るとある程度の耐久性が担保されなければなりません。現状のサイズ感で裏地なしだと型崩れやショルダー部分が弱いとゆう問題点もあります。
所作らしい
ショルダーバッグやクラッチバッグなど直営店舗で非定番展開やギャラリーでの展示など続けてきたところ最近ミニ財布需要もありお財布ポーチとしてショルダーバッグお求めになる方が増えてきました。「お財布ポーチ」であるならば定義やコンセプトにも合います。現状のショルダーバッグをサイズダウンしてショルダーバッグ改め「ポーチ」としてアップデートしていきます。
所作ポーチ開発1.リサイズ
改良でまず取り組んだのはサイズダウン。中にモノを入れた際に型崩れしない許容量がどれくらいか?モニター試作を繰り返しました。
所作ポーチ開発2.オリジナルレザー
その次にポーチ用のオリジナルレザーの開発。ショルダーバッグでは財布と同じ革で分厚くしたものでしたが財布での展開色に準じてるのですごく色数が多かったです。財布と比べて面積が大きいので店頭で並んだ時に棚割がバラバラの印象を覚えてしまいます。なのでポーチのためだけの色や厚みを最適化したオリジナルの革をタンナーさんと協業で開発することになりました。
所作ポーチ開発3.アジャスター
ショルダーの長さを調整する金具。尾錠やアジャスターは通常2〜4個のパーツで出来てます。ショルダーバッグに付いていたのは既成のもので3パーツから出来ている尾錠でした。この3パーツから出来ているってのは「所作」本来の『一枚革で無縫製、折り紙のように折って仕立てる』コンセプトとも合ってないと常々思ってました。これを機に一新しようとポーチ本体のモデルチェンジを機に金具も新たにオリジナル考案。金属加工のスペシャリストと協業し試作を繰り返しました。そうして一枚革とゆう所作のコンセプトに準じて一本の真鍮線形のみでサイズ調整可能なアジャスターが出来上がりました。まさにLess is more.引き算の美学が宿ってます。単体で上から見ると「N」の形をしているので名付けて「Nアジャスター」。「N」はNo,No,Yes!の「N」である。
所作ポーチ開発4.想定されること全て
大きさ、形状、革素材、使用付属、、もちろん使う方の使い勝手や所持した時の立ち居振る舞いの美しさ。それら構成する&想定される全ての要素を一つ一つ実験と検証を繰り返す日々。そうしてやっとリリースの目処が立ってきました。