見出し画像

宝塚歌劇宙組公演

東京では宝塚歌劇を観てきた。
悲しい出来事が起きてしまい、長らく活動休止状態だった宙組の再開公演。
本拠地大劇場のチケットは取れなかったので、6月30日の千穐楽公演を配信で観てはいたが、やはり生で観たかった、と言う以上に、直接拍手を送りたかった。
幸いなことに友達の手助けもあって2回、観ることが出来た。

通常の宝塚公演は「お芝居(音楽劇)」と「ショー(レビュー)」の二本立てだが、今回はショーのみ90分一本勝負。
内容以前に構成として、こういうのも悪くない、劇団員の激務を見直そうというなら、年に1,2回はこういうのがあってもいいんじゃないかと思った。
お値段もいつもよりお安くなって、時間も短いから観る方も気軽に行けるし。

ただ、今回の公演はやはり第一に、劇団員のリハビリという意味合いが強かったんだろうな、とは思った。
正直、まだまだ本来の元気が戻ってないな、と感じたし。

無理もない。とんでもない四面楚歌状態だったのだから。

良く知っている曲たちで、そんなに難しい振り付けをせず、まずは歌って踊ること。
気持ちをほぐして、舞台に立つ喜びを感じて、そんな自分たちを肯定し、本来の自分たちを取り戻していくこと。
今はそれが一番必要で大事なことだろうと思う。

全体的に、トップを全面にフューチャーする場面を極力抑えて、シーンをリードする役割を2番手以下に分散させている印象で、傷の深さを思わずにはいられなかった。

という、ヅカファン歴40年の親心とは別に、今回の作品には宝塚の舞台を作っている人たちの「うちにはこれだけの財産がある」という意地と自信と誇りも垣間見えた気がした。
と同時に、今まで宝塚歌劇を支えてきたファンに、これからもよろしくお願いしますと頭を下げる姿が見えるようでもあり、本当に胸が熱くなったのだった。

どの曲も、その時の劇団員たちが一生懸命作り上げて、名曲として歌い継がれる結果を出したものばかりなのだ。
実際に観た公演もいくつもあって、頭の中に回る走馬灯と目の前に繰り広げられる(当時からしたら)未来の光景に、胸がいっぱいになる以外になにがある?

そういう実感を、やはり配信ではもう一つ掴めなかったから、今回生観劇できて本当に良かった。
チケットを取ってくれた友達には感謝してもしきれない。

劇団の運営に対しては思うところは、かねてからいろいろあったから、これを機に少しでも改善される事を切に願う。
夢と人生とを諦めるしか道が見つからなかった彼女の傷ましさを忘れず、
もう二度と、誰も傷つくことのないことを祈りながら、私はこれからも宝塚歌劇を応援していく。

いいなと思ったら応援しよう!