【エッセイ】ののと通勤電車

大多数のサラリーマンは同様のことを思っていると思うけれど、例に漏れずわたしも通勤電車というものが嫌いである。
百合子が混雑緩和のためになんちゃら〜みたいな選挙公約的なのを言っていた気がするけど、改善される雰囲気ではない。

先日までのわたしは、通勤途中は音楽を聴きながらひたすらTwitterのタイムラインをリロードし続けていた。
なんか面白いことはないかなとか、朝っぱらからフォロワー各位は元気だなとか、唯一の社会的接点に依存して、情報をインプットし続けていたのである。

今週からはそんな余裕すらもなくなり、昨日からは吊り革を掴みながらただぼんやりと電車が出発し停止するという定期的な慣性の動きをただその身で感じている。けれど、思考がマイルドになる感じもしていて、この感覚は嫌いじゃない。

わたしはここ数年スーツを着たことがない。ビジネスカジュアルに理解ある職場を渡り歩き、すっかり太って着られなくなったスーツがクローゼットに眠っているだけだった。
流石にまずいだろうと思って、今の職場に入社することが決まった時に「果たして何回着るのだろうか…」と思いながらもとりあえず新しくスーツを買った。入社して半年が経ったが、袖を通したことは一度もない。

電車内を見回しているとやはり、スーツを着たリーマンが一定数いる。もう初夏だからジャケットを片手に、ワイシャツにネクタイ、スラックス、の方が目立つ。
ジャケットで隠れていたぽっこりおなかや、肌に直接ワイシャツを着ているが故に乳首が浮いているのを見て、気持ち悪いというよりはむしろドキドキしているが、まあそれは別の話だ。

ビジネスカジュアルだと、毎日着る服を選ばないといけない。それはそう。
かと言って Tシャツジーパンで会社に行くわけにもいかず、結果としてユニクロでそれなりのポロシャツやら感動パンツを買い漁り、量産型ビジネスカジュアルサラリーマンとしての生を謳歌せざるを得ない。まあそれはそれでいいのだけれど、意外と微妙に金がかかるなって話。スーツの方が、ある種楽かもしれない。
ただ、華美でなければスニーカーで通勤できるのは、すごくすごくメリット。足の負担も減るし、水虫の防止にもなる。

わたしの職場は最寄駅からそれなりの距離があり、出社の際は最寄駅からはバスを使わず歩いて通勤している。
アラフォーでメンヘラでメタボなわたしなので、少しくらいは健康に気を使わないといけないと思っているからで、まあこれがわりと良い。
またそのうち書きたいけれど、わたしは毎月ジムに通っていて、毎日それなりの距離を歩き、ジムにも行く。まるで健康に気を使うおじちゃんだ。けれどまあそんなに人生うまくはいかなくて、あまり月会費をペイできるほど利用しているかと言われると、あんまりそうでもないかもしれない。

コロナ禍でテレワークが推奨されるようになったけれど、結局のところそういうのができるのはきちんと環境が整備されたチョー大手企業なだけで、わたし含む大多数のサラリーマンはあんまりテレワークの恩恵を享受できていないのかもしれない。
テレワークの方が捗るという友人もいるが、少なくともわたしの肌には合わない。仕事は仕事、プライベートはプライベートと割り切りたいからなのかも。

テレワークなり時差出勤なりが増えた関係で、結局のところは「通勤時間帯」のみに乗車が集中していたところ、「そうではない時間帯」にもばらけはしたが、ビミョーにどの時間帯も混んでいる感じの朝の通勤風景だ。
果たしてこれで良いのだろうか。わたしにはよくわからない。

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