見出し画像

10年来のオタク友達(リア友)とバイバイした話

※このnoteは凄く人を選ぶ内容です。所々わざと事実と違うことを書いていたりします。誰に迷惑を掛けたい訳でもありません。お前のオタク観とかnote観とか知らねえよと不快に思われる方も多々いると思います。地雷のある方がこんなの読むのは時間の無駄なので他の方の素敵なnote読んだり各々推しと向き合って下さい、頼んだ

10年来のオタク友達とバイバイした。リア友だった。

Twitterはブロックした。LINEはお互いの友人がいるからグループとかで変な空気作ったら嫌だなと思ってブロックしてないけど多分もう話すことはない。誰かの結婚式があるとか、学校の先生が亡くなったとか、そういうことがあったら多分素知らぬ顔して過ごす。相手ももういい大人だし分かってくれると思う。

できることならバイバイしたくなかった。


わたしはもう20も半ばを過ぎた女オタクだ。俗に言う腐女子だし、夢女子もまだやめられないし、コスプレもしたことあるし、特撮も2.5次元も見る。推しキャラやってる俳優のことも、もう下手したら年齢が10違う子だったりするのに、未だにこそこそSNSを追ったり、イベントに行ったりしている。

でもその子も私と変わりない。逆カプで喧嘩したとかそんなことじゃない。なのにどうしてこうなっちゃったんだろうなぁと思ったらぐちゃぐちゃなので吐き出させてほしい。ごめん。


元友達(A子とします)とは小学校の時から一緒だった。

わたしは運動が苦手なので、ずっと教室の隅で下手な漫画を描いていた。周りの子たちが「ちゃお」や「なかよし」、下手したら「Sho-comi」から卒業して、どんどん話が合わなくなっていった時、声をかけてくれたのがA子だった。

A子はネットに詳しかった。その時丁度アクエリオンとかひぐらしとかが流行っていて、A子はわたしをカラオケに誘ってはそうした曲を入れて情感たっぷりに歌い上げ、わたしはまんまとハマっていった。

ネットカフェに通って漫画をたくさん読んだ。A子は昔から次から次へとジャンルを変えるタイプで、わたしが頑張って追いついたのを見ると今はこっちが面白いよと全く新しい作品について熱く語った。

わたしにとってはA子はヒーローだった。その時のわたしはまだジャンルを固めるという段階にはなく、全部好きだったので、次から次へと新しい知識を教えてくれるA子はこの上なく素晴らしい人に見えた。


中学に入ってもA子は変わらなかった。クラスは一度も一緒にならなかったけれど、いつもわたしのクラスまで走って来てくれた。ギリギリまで絵を書いたり、ひっそりと書いた夢小説を交換して読み合ったりして放課を過ごした。(わたしは恥ずかしくて名前を##name1##と書いていたけど、A子は自分の名前を嬉しそうに書いていた)

A子はたまに包帯を腕に巻いたり眼帯を付けるようになった。その時の流行はエビちゃんだったと思うのだけど、重たい黒髪を思い切りぱっつんのおかっぱにして、今思えば結構イタタだったと思う。でもA子は元々細くて、白い肌と綺麗な一重でそういうことをするとやたら様になっていて、わたしはそういうの似合うのいいなぁと思いながら何も言わなかった。言えばよかった。

A子は交友関係が広かった。学校以外の人と沢山遊んでいるという話を沢山聞かせてくれた。だいぶ年上のお姉さんに衣装を借りて、キャラリートきっずなんかじゃない、本物のコスプレをしたということ。一緒にイベントというものに行って、そこで写真を撮ってくれた人と仲良くなったということ。名刺を作ったということ。.fc2だか.ninjaだかで個人HPを作ったということ。学校が終わったら鞄だけ家に放り込んで、すぐA子の家に上がらせてもらって、毎日そうした話を日が暮れ切るまで聞いた。

幼心にA子を遠く感じ始めたのはその頃だ。

わたしの世界において、親と親戚以外で一番多くを占めるのがA子だった。放課の時間もずうっとA子と過ごしていたし、入った美術部も「そんなことよりカラオケ行こう」「家でニコニコ見よう」と言われたら抗えなかった。A子と遊んでいる方が楽しいと思っていた。

でもある日突然、A子からいつもの見も知らぬお姉さんの話を聞いていた時、ふと疑問が浮かんだ。


「わたしってこれでよかったっけ?」と。


何せわたしは美術部もろくに行ってなかった。元々好きだった絵もノートの落書き程度で、全然書かなくなっていた。真面目にやってた子とは大差がついていた。

オタクだけど、オタクの内容しか話題を持っていないけど、どの作品についても熱く語ることはできない。ただネットで流行った作品の表面薄っぺらと、A子が好きなキャラについてだけもう少し、知っている程度だ。その頃wikiがあったか定かじゃないけれど取り急ぎで整えられたwikiくらいのことしか分かっていなかったと思う。一押しのキャラもいない。

もちろん絵も作品も、自学しなかった時点でわたしがそれほど好きではなかっただけなのだと思う。でも急にわたしはそれらのことを「A子のせいだ」と思うようになった。


そうやって悶々している時、A子は度々学校を休むようになった。A子のせいじゃないかなんて言いながらA子の周り以外にわたしの居場所はなかったので、数少ないA子以外の知り合いに無理やり話しかけてみたり、久しぶりに美術部に行ったりした。

やっぱりすごくわたしは浮いていた。

だってそうだ。あんなにA子にべったりだった女が急に話しかけてきたりおどおどしていたら嫌でも目立つ。

それでもわたしにそれ以外の選択肢はなかったので、一生懸命、とりあえず毎日を乗り切ることだけ考えて、黙々と、黙々と学校に行った。


そうするうちに、美術部の子たちと少しずつ話せるようになった。いざ接してみればとても優しかった。ただただわたしがどういう人間なのかわからなかったのだろうと思った。

彼女たちはA子ほど手広く浅くではなく、深く突き詰めるタイプの人たちだった。

深く知らないわたしにとっては会話についていけないことも多々あったけれど、それはそれで彼女たちは構わない様子だった。

そういう時、A子だったら、すぐにこちらが驚くほどの情報量をぶちこんできてくれた。彼女たちはそこまではせず、ただはにかんで、こういうのがあったの、とだけ密やかに伝えてくれた。

なんだか新鮮で、面白くて、わたしもA子に分かってもらえなかった、自分の好きな漫画の、自分の好きだったシーンを描いた。

彼女たちの絵とはやっぱり比べ物にならないくらい下手だったし、彼女たちはその漫画を知らなかった。でも、素敵なキャラデザだね、この子が好きなの?と聴いてくれたことがなんだか変に嬉しくて、わたしは家に帰ってから久しぶりに原作を読み返したし、沢山沢山絵を書いた。


そうしてわたしの友達が増えるにつれ、A子が学校に来ない日が増えていった。A子がいつも通り帰ろうと声をかけてくれるのを、わたしは段々断るようになっていった。その度A子は見たことない顔して、あっそう、とだけ言って、一人でスタスタ帰っていってしまった。

美術部の中には一人、A子と同じクラスの子がいた。

わたしはあまりA子のことを口にしなかったけれど、少ししょぼくれて美術室に来たわたしに、その子は言いづらそうに言った。

「A子とあまり関わらない方がいいよ」

衝撃だった。

だって、わたしは確かにA子と距離を取りたいと思っているけど、嫌いというわけではない。ただもう少し自分のことをしたいと思っただけなのに。

どうして、と聞いたわたしに、その子は大分躊躇って、絶対誰にも言わないでね、と念押しして言った。


「だってね、A子は…

――風魔だから」


その時美術室中に突風が吹き荒れた。

甲高い声と共に全ての窓ガラスが音を立てて砕け散る。咄嗟に身を庇うもその必要は無かった。何故なら全ての硝子は内から外に向けて破裂していたからだ――まるで内側で何か爆発でも起こったかのように!

「貴様、聴いていたのか、A子――いや、嬰子」

「このような場所で話しておいて何を云う、B美――いや、畢美」

 すう、と誰も居なかったはずの机に影が降りる。嬰子は天井から滴る様にするりと身を伸ばし、指先が板面に着いたと思えば猫の様に低く身を構えた。黒曜石の一重の眼は今やジリジリと紅の炎を湛えていた。

 畢美は真っ直ぐな姿勢のまま獰猛に笑む。その瞳には蒼の雷がパチパチと取り巻いている様に見える。一触即発。その空気が美術室を取り巻く。

「風魔の者が此処で一体何を為さんとする。我等は長くより契りを結んだ族。貴様の様な逸れ者とて今この地区に忍ぶ事が如何に我らの情勢に影響を加えるか、分かるだろう」

「知っての上としたら」

「――貴様」

 嬰子はニイと笑むと、包帯を巻いた腕で風を切る。解けた下に垣間見えるその肌は一面、人の肌とは思えぬ色に染まっていた。赤、黒、青、緑――油絵の様に散らされたその色から其々ゆらりと何かが立ち昇る様に見える。

「貴様、まさか…それは禁呪の」

「私は元よりこの為に産み出されし者。貴様程度、障壁にもならぬ。戯れに誘き出した事を彼岸で悔いるがいい」

「くっ……!」

 その時、ふと嬰子――A子は私の方を振り返る。A子、と震える声で口にすると、その眦が一瞬緩んだ様に見えた。そうしてA子は決然たる面持ちで手を構える。

「いやだ、ごめんなさい、A子、行かないで、A子――!!」


 第五次世界忍者大戦。その引き金を私がこの時引いてしまったのだと知るのはこの十年後の事である。



#サプライズニンジャコン

※ニンジャスレイヤー、及びニンジャスレイヤー翻訳チーム、並びにこの世のありとあらゆる法人とは全くの無関係です!!!!!!

この記事によって何かの収益がされることは全くなく、また今後もその予定はありません。


真剣に読んでたのにって人ごめんなさい。でもそれくらい読み込んで下さったの嬉しいです。真剣にこんな話最後まで書いたら読む方も病まない?私は病む、書ききれる人はすごい A子別にTwitterブロックしてないというかアカウントの有無を知らないけど今ならもうちょっとうまく付き合えるのになって思ってる

供養

※問い合わせのやつ閉じました





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?