今更ながら、特別定額給付金の使い道
貯蓄しておくという発想はなかったが、意味のあることに使いたいと考えて数ヶ月。
単純に考えて一人10万円だから私も何か買いたいと思いつつ、結局は息子の欲しいパソコンの為に私の10万円も消えることになった。
まぁ、母親とはいつもこんなものだ。
息子と喧嘩をした時に、自分の欲しいものをたくさん買おうと意気込んで出掛けても、気が付けば子どものものしか買ってなかった。なんてことはよくある。
今回もあれこれと悩んでいる最中に『あのお金ってどーしたの?』と聞かれ、まだ残っていて使い道はしっかり考えたいと伝えると、息子は一瞬にして頭の中は欲しいもので一杯になったのか『じゃ、パソコンだね』っと、嬉しそうに自分の部屋へと消えていった。
でもでも一人10万だし、コロナで家計は苦しいしと言ったものの、もう息子の耳には届かず。
我が家にはスマホとiPadしかなく息子が勉強したいプログラミングは、アプリで多少学ぶことができてもパソコンが無いことには実践練習が出来ないのも知っている。
けれど、息子の性格では妥協という選択肢はない。欲しいものは徹底的に調べあげ何故このパソコンじゃないとダメなのか熱弁され、店舗ごとに価格と貰えるポイントをiPadのパワポみたいなので比較までしてある。そして当然ながら10万円オーバーの最新のMacBookだった。
高いものだから頻繁に買い替えることも出来ないし、母ちゃん少し足してくれない?だとぉ⁇
多分はじめから私の10万円もほぼ予算のうち。
私は『将来の自分達に対する投資になる』『息子に甘い母親ではない』『パソコンは半分は私のものだから一緒に使うんだ』と呪文のように繰り返し、決して息子に負けたわけではなく、何かの時の切り札にしようと心に誓い、あの10万円の使い道は決まってしまった。
そして無事にお目当てのパソコンを買って帰って来た日の夕方、息子は率先して夕飯を作り、やっと手に入れたのに箱を開けようともしない。夕食後もお風呂の準備をして『母ちゃんどうぞ』ってな感じで。んぅ⁇
一応は感謝の気持ちなのだろうか?
結局寝る準備が全て整ってから、大事そうに慎重に箱を開け何度も私の顔を見て満面の笑みを浮かべながら取り出して、スマホ片手に一人黙々とパソコンの設定をする息子は障害者と呼ぶには相応しくなく、どこにでもいる普通のお兄さんに見えた。
やっぱり若いだけあってスマホもパソコンも覚えるのが早く、それからも空いた時間には何時間も夢中になってやっていた。
母親としては、あの笑顔が見られただけで大満足、特別定額給付金を頂いたおかげで息子の勉強意欲も上がり有意義なお金の使い方だったと思う。
一つわがままを言うならば、息子のように障害のある人にも好きな職業を選択出来るチャンスが欲しい。
地域によって差があるのだろうが、職業も賃金も自分の希望ではなく、受け入れてくれる会社の数も少なく、誰でも出来る仕事がほとんどだろう。
努力をして何かを習得してもそれを発揮できる職場は見当たらないのが現状だ。