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【旅行記】ニューヨーク 観光編

実は7月に結婚記念日旅行でニューヨークに行った。ちょうど夫が観たいミュージカルが開催されていたからだ。

住まいのあるペンシルベニア州の最寄駅からニューヨークまでアムトラック鉄道で移動ができる。どの交通機関よりも便利で、且つ安く行けることから列車利用が一般的らしい。

ニューヨークのペンステーション駅まで所要時間は約2時間50分。切符代は曜日と時間帯によって片道$40〜$80程度からあり手頃だ。なんと恵まれた環境か。

宿泊先はホリディイン・ニューヨークシティ・タイムズスクエアにした。急なミュージカルの開催日程の変更に伴い日程自体を変更することになったが、同じホテルで2泊のうち1泊はANAのマイレージ利用で予約できたからよかった。ニューヨークで2名2泊$266は有り得ない。

2泊3日の今回は最低限行きたいところとして以下をピックアップした。
1、ミュージカル The Who’s Tommy 鑑賞
2、美術館巡り Neue Galerie NY、MoMA
3、911 メモリアルミュージアム

DAY1:

アムトラック鉄道で移動
最寄りのランカスター駅から出発。駅のホームは日本と変わらない一般的な造り。列車の座席は期待以上に座り心地がよかった。8つの停車駅を経てニューヨークのペンステーション駅に着く。

最寄駅 ランカスター駅のホーム
アムトラック 普通席の座席

少し遅れてニューヨークのペンステーション駅に到着。駅構内は非常にわかりやすい。広い待合場、フードコート、コーヒーショップ、フランスのチョコレート店、パン屋もあり、スターバックスも近日オープンとあった。

ペンステーション駅構内

駅から出ると太陽が眩しい最高の旅行日和だ。目の前にはマディソンスクエアガーデン。駅から4ブロックほど、まずはホテルの方向を歩く。

右の建物がマディソンスクエアガーデン


マンハッタンは街中が賑やかで混み合っている。

屋台からの匂いに引かれ振り向く、
何度も響くクラクションに振り返る、
信号待ちのたびに人だかりに囲まれる、
ホームレスの人たちが座る通りを横切る、
地面でブランド品を売る人たちが見つめる、
ゴミ箱の横でピザを素手で食べる人を目にする。

普段お山でのんびり生活の私には刺激だった。

こういった屋台があちらこちらにある

近くのデリで昼食をとり13時ごろホテルに着いた。チェックイン開始2時間前にもかかわらず、追加料金なしでチェックインさせてくれた。

メインイベントのミュージカルまで時間があったが、感覚に任せゆっくりすることを好む私たちは、敢えて街ぶらで過ごすことにした。

ホテル向かいのデリ 安くて種類が豊富

街ぶらの最中、そこらじゅうに漂う煙のような匂いに気づいた。夫に訊いた。

「ねぇ、この匂い何なん?」
「マリファナだよ。」
「え!吸っていいの?」
「ニューヨークじゃ合法になってるからね。」

合法とはね…

ググってみたら、2021年に娯楽用大麻の所持や使用が合法化されたとあった。量と年齢に制限はあるが堂々と吸えるわけだ。

私が前回ニューヨークに行ったのは確かコロラド州に留学中だった25年前の1999年。鼻を噛んだら黒い埃まで出てきたことはあったが、得体の知れない煙臭はになかった。

街ですれ違う人が吸うマリファナが副流煙になることはあるのだろうか。たぶん問題ないだろうが、時折息を止めて歩いてた。


ミュージカル鑑賞
夕飯を近くのレストランで軽めに済ませ、早めにシアターに向かったが会場前はすでに長蛇の列。待ちに待ったミュージカル!指定席だから心配ないのに列を見ると気持ちが焦る貧乏性だ。

このミュージカルは『The Who’s Tommy』というもの。1964年デビューのイギリスの超人気ロックバンド The Who(ザ・フー)の有名なアルバム『Tommy』をミュージカル化したものだ。

公式ホームページによると、「1969年、ザ・フーは音楽の歴史を変えたロックオペラなるものを制作した。トニー賞の最優秀ミュージカル部門のリバイバル賞にノミネートされたこの作品は、かつてないほど見事で、目も眩むような新しい演出で復活した」とある。

以下はこのミュージカルの場面集だ。1分27秒


夫は11歳の頃からのThe Whoの大ファンである。人生がこのバンドと共にあるといえるほど、こよなく愛し崇拝している。だからこそ、このミュージカルを観ることは、とても意味深く価値が高いものだった。

私にとっては人生初のミュージカル。元々ロック好きで、このミュージカルの楽曲も素晴らしいものばかり。この機会によってミュージカルに完全に魅了されてしまった。

シアター前

DAY2:

911メモリアルミュージアム
今回必ず行きたかったのが、911メモリアルミュージアムだ。ご存知の方も多いと思うが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で大きな犠牲となったツインタワー跡地に作られたミュージアムである。

このミュージアムに行く場合は事前に入場チケットを購入しておくことをお勧めしたい。当日購入も可能だが入口まで長い列を待つ可能性がある。時間的余裕がない場合は特に事前購入が賢明だ。

911メモリアルミュージアム入り口

館内に入ると、まず空港のセキュリティチェックのような場所を通ることになる。そこを通過して館内をまわる。

館内はほとんど写真を撮ることができるが、犠牲者全員の顔写真と氏名が残されているブースなど一部カメラ禁止箇所があるため注意が必要だ。

館内

館内を静かに歩く。ここは騒ぐ場所でも、ピースをして写真を撮る場所でもない。

入り口にはまず、2001年9月11日 午前8時30分ごろのツインタワーの写真があった。青く澄み切った空に目立つ2棟のビル。この約16分後にアメリカン航空機が激突した。

当時使用された消防車の実物、崩壊したビルの一部、テロ後後遺症や病に悩まされた方々が実際に使用していた薬の現物、壁一面に掲げられた亡くなった人々の顔写真と氏名など、心が揺さぶられる展示物が多くある。共感力が高い人にはつらいかもしれない。

途中目に止まり、足も止まり15分以上過ごした場所があった。それが下の写真だ。

“NO DAY SHALL ERASE YOU
FROM THE MEMORY OF TIME”
by Virgil

「思い出の時から、あなたが消えることはない」
ヴィルギル

この言葉もさることながら、わずかに色の違うタイルも印象に残る。これらは「あの朝」の青空を表した作品だ。

あの日の、あの朝の、あの真っ青な空を決して忘れない。2,983枚の空色のタイルは9.11同時多発テロと1993年の世界貿易センターの犠牲者を表しているという。下のリンクにはその説明がある(英語)。

そして、メモリアルミュージアム内でぜひ立ち寄ってほしいのがミュージアムストアだ。ここでの購入代金の一部は寄付になると表示があった。思いを込めて私はマグカップとトートバックを購入した。

ミュージアム外にはツインタワー跡地があり、写真のように「メモリアルプール」がつくられた。青いタイルと同じように2,982名の犠牲者の氏名が刻まれ、プールには静かに水が流れている。

911メモリアルミュージアムではゆっくり過ごすなら3時間程度はかかるように思う。私たちは2時間後に出てツインタワー跡地にしばらくいた。

ツインタワー跡地


911メモリアルミュージアム隣りに、美しくも奇妙な白い建物がある。Oculus(オキュラス)という、ワールドトレードセンター駅とショッピングセンターが入っている建物だ。

外形の帆や翼のような構造は鳥の羽根にも見え、魚の骨のようにも見える変わった形だ。間違いなく目に付く建物だろう。

中でパチリ
オキュラスの外観


Neue Galerie NY ノイエ・ガレリエ・ニューヨーク

次の目的地はアッパーイーストサイドにあるノイエ・ガレリエである。有名な絵画《接吻》を描いたオーストリアの画家グスタフ・クリムトの絵が目当てだった。このギャラリーはドイツとオーストリアの作品を展示している。

ノウエギャラリー 

まずは美術館内のレストランでランチをした。レストランは1階と地下にある。1階はCafé Sabarsky (カフェ・サバスキー)で、窓からの光も明るいオシャレなレストラン。ここはかなり待つと言われ、待ち時間がない地下のCafé Fledermaus (カフェ・フリダーマス)に行った。

レストランのメニューはドイツやオーストリアの料理とデザートだと夫が言った。夫の両親はドイツ系とオーストリア系のアメリカ人だからか馴染みがあったようだ。とても美味しかったので、ぜひお勧めしたい。

地下レストランのメニュー
サーモンをクレープで巻いたもの 夫のランチ


レストラン前には、クリムトの絵《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 Ⅰ》のレプリカがあり、夫に記念写真を撮ってもらった。

館内レストラン前のグスタフ・クリムトの絵と

この絵にまつわるストーリーは映画にもなっている。素晴らしいので興味のある方はぜひご鑑賞ください。以下は予告編動画、1分50秒。


さて、館内でもクリムトの絵の前で長めに時間を過ごした。好きな絵を見ていると精神が浄化されるような気持ちになる。夫の影響で美術館に行くようになったが、これには本当に感謝だ。

絵を見終わりホテルまで歩くことにした。ギャラリーのある86番ストリートから、ホテルのある38番ストリートまで歩いた。どれくらい時間がかかっただろうか。

途中セントラルパークに入った。日光浴をする人、歩く人、走る人、ボートに乗る人、自転車に乗っている人など、さまざまな過ごし方を見た。

広大な緑の土地の間に見えるビルに都会を感じる。前回の旅行では来ることができず、ようやく25年後に実現した今回は心穏やかにのんびりさせてもらった。

セントラル・パーク

DAY3:

前日行ったレストランが妙に気に入り、同じレストランで朝食後17時過ぎの列車まで、とりあえず美術館に行くことだけを決めて歩き始めた。行き先はご存知のニューヨーク近代美術館(MoMA)だ。外観からは想像がつかないが、展示されているアートはさすがといえる規模である。

当日でも入場チケットは購入できるようだが、どうしてもここは外せないという場合は、オンラインの事前購入で入場が保証される。

MoMA ニューヨーク近代美術館

ニューヨーク近代美術館にも私の好きなクリムトの絵画はあるが、そのほか有名なゴッホ、モネ、ピカソの絵画もあり、絵画以外のアート作品も見応えがある。このブログでは紹介しきれない規模なので詳細は割愛するが、個人的には絵画のほか、家具、食器類、絨毯等の展示品にも惹かれた。

どの美術館に行っても知らない人がいないほど有名な画家の絵の前は常に人だかりがある。ルーブル美術館のモナリザの前では、「これ?」というほどの小さな絵の前に、朝の山手線なみの混み具合を見たが、幸いこのゴッホの星月夜の前はそれほどではなかった。

それでもこの人だかりだ

作品を堪能後は館内でランチ。ストアにも寄りお目当てのトートバッグを手にしたら、生地が薄く透けて見えたのであきらめた。そのほかも高くて何買わずに後にしたのは残念だった。

特に当日の予定をしていなかった私たちは、わりと近いという理由でロックフェラーセンターと聖パトリック大聖堂に立ち寄った。ロックフェラーセンターは、まあ、ビルですね。Vサインで写真を撮るにはいいかも。

ロックフェラーセンター

ロックフェラーセンターのすぐ近くにある聖パトリック大聖堂は見応えがあった。美術館同様、その建物の芸術に浸り、しばし静かに過ごした。

聖パトリック大聖堂内

長い記事になってしまった。ニューヨークで夫婦共々大のお気に入りになったレストランを紹介するつもりだったが、レストラン内に為になるおもしろいものがあったので別記事にした。

ご興味のある方は、ぜひ別記事、「ニューヨーク 為になるレストラン編」にもお立ち寄りください。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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