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【ネタバレあり】都市伝説解体センター感想

!!CAUTION!!

以下の文章には(多少濁してはいますが)「都市伝説解体センター」物語の核心に触れるネタバレを含んでいます。序盤のほうはネタバレを極力控えています。しないとは言ってません。
本ゲームはオチを知っているか知っていないかで体験がガラリと変わってしまうので、少しでも興味がある方はこんなの読んでないでプレイしてください。2000円で買えます。10時間で終わります。

©Hakababunko / SHUEISHA, SHUEISHA GAMES
公式様より配布いただいている素材より、トシカイくん(だよね?)。

都市伝説解体センター。
Steamの新着ゲームを覗くのが日課な私は、気づいたらジャケ買いしていました。
大量の積みゲーがあるのに。
発売日に買ったペルソナ3リロードはまだ途中(何月か覚えていないくらい放置している)だし、龍が如く8はネレ島の決着をつけたところで止まっているし。
ま~た積みゲーを増やすんか、ばかだなあお前はと。
思っていた矢先、サクッとプレイしてしまいました。

まず、このゲームを面白おかしく(多少のからかいを込めて)いうと、各パート内で現代SNSの嫌な部分という名のカルピスの原液を濾して、これでもかと煮詰めて煮詰めてジャム状にしたものをお出しされます。
本ゲームは全6話あり、その毎度で数回これが挟まれるので、「もう十分だ……もう十分堪能したよ……」と食傷気味になってしまう人もいるかもしれません。
ですが、最後までプレイした今考えるとこのフェーズは実際重要なので、このゲームでは必然的にSNSの嫌な部分をすすり飲むことになります。
嫌な部分、と書いていますが私自身は「あ~いるいる!こういう奴!!」と作者の解像度の高さに感心しながら進めていたのであまり苦にはなりませんでした。
このゲームで苦になるのはUI回りですね。
ゲームの進行度保存が要所要所に挟まれるオートセーブオンリーなので、ゲームを終了する際は「これ本当に保存されてるよね…?」と思いながらAlt+Tabでウィンドウを消していました。これはちょっと最近のゲームとしてはいただけないなぁと思いつつ進めていました。

本ゲームは、ひょんなことから都市伝説解体センターで調査員として働くことになった主人公・福来あざみが、都市伝説解体センター長である廻屋渉のもとへ都市伝説…として依頼された何かしらを「解体」、すなわちその本性を紐解くために奔走するゲームです。
ただ解体するといっても何か特殊なことをするわけではなく、基本的にはADVなので行く先々でストーリーを進め、解体のためのヒントを揃えるだけです。収集要素が加わった読み物ですね。
証拠を確定させるために推理も挟みますが、ふつうにプレイしていれば解けますし、誤答のペナルティもないので気楽にプレイできます。何なら私はわざと誤答してキャラクターの反応を楽しんでいました。
ただ、場当たり的に都市伝説関係の依頼が舞い込んでくるのかというとそうではなくて、その1つ1つの依頼は「イルミナカード」によってどうやら関連性があるらしい。という展開になっていきます。
イルミナ、都市伝説、というと真っ先に思い浮かべるのはイルミナティでしょう。シンフォギアが好きな人ならアダム・ヴァイスハウプトというと伝わるかもしれません。現実でいうと、近世の秘密結社イルミナティをゲームとして落とし込んだものにイルミナティ・カードゲームがあり、ここに描写されたものが予言であるとまことしやかに噂されています。
都市伝説解体センターではそんなイルミナティ・カードゲームよろしく、イルミナカードにも予言が描かれており、そのうちの1枚――「崩壊と審判」――を、なぜか主人公あざみは持っていました。さらに、第1話の関係者であったとある人物もまた別のイルミナカードを持っており、そのイルミナカードに描かれたような都市伝説が起こった挙句、その人は行方が知れなくなってしまいます。
なぜあざみはイルミナカードを手にしているのか?あざみも行方不明となってしまうのか?そもそもイルミナカードとは?予言とは?
謎が謎を呼ぶ…… というふうに物語は進みます。面白いんだなこれが。

以下、中ネタバレくらい。
本ゲームをプレイしていてウマいなぁと思ったのは、ミスリードのさせかたですね。
都市伝説解体センターはある程度本筋の伏線を散らしながら物語が進行していくのと、各話での便宜上犯人としますが、証拠を収集する中で、都市伝説を解体した先に浮かび上がる発端となった人物を(それほど証拠がそろっていなくとも)ある程度予想できるようになっているように感じました。そこから、私のような人物は勝手に物語の大枠を作ってしまうんですね。
で、基本はその大枠通りに物語は進んでいくので、ある種の安心感というか、自分の予想への些細な確証みたいなものを得るようになります。
そして、そこからの6話、エンドへ至ると。
某研究室の某写真を見たとき、ははーんなるほどな、と思い、その先の展開を想像した人は少なくないでしょう。私もその一人です。
そこからの情緒の振れ方というか、感情のジェットコースターは
写真(は~~ん、なるほどね)

解体(ウォ!!!!!!アッツ!!!!!!!!!!!)

ラスト(!!??!?!!?!???!??!!でも言われてみれば確かに!!!????!?!?!??!?!?!!)
みたいな感じでした。

以下、大ネタバレ
脳内廻屋がいつまでたっても出てくるのもちょっと不審というか、不思議でしたし。ジャスミンへの連絡は電話じゃなくメッセージだし。千里眼のカバー範囲が千里眼という割には限定的すぎるしなぁ。と思っていましたが。特定時の演出が、敵(?)であるはずのイルミナティ≒フリーメイソンリーが用いるシンボルのプロヴィデンスの眼であるのもそういうことか、と思いました。プロヴィデンスの眼が鎮座しているのはエジプトのピラミッドではなくメキシコのピラミッドであるチチェン・イツァー系統でしょうね。ククルカンが祀られています。ククルカンとはケツァルコアトルのマヤ語名で、蛇の姿をしています。おや?蛇……?
どんでん返しによって提示された解答に沿って思い返してみると……でしっかり答え合わせされるときの快楽といったら……
Fabulous!!!!!!!!! (CV: 岡本信彦)
どんでん返しがあるというのもネタバレなので、できれば未プレイ勢の方にはここまで読まずに黙ってプレイしてほしいんですがね。
あざみのドッペルゲンガーは結局なんだったのかとか、ジャスミンがセンター長から調査の要所で電話がかかってくるのを当然と思っているのは何が根拠なのかとか、黒沢が動画を消さなかった理由とか、作中で説明されていない?(見逃した?)ところはあるので多少気になっているんですが、それでも2000円以下と思うとなかなか満足度の高いゲームでした。

AAAタイトルに1万円払うのが当たり前になってきたような世の中ですが、まだまだお手頃価格でこれほどの充実感が得られようとは……。
本ゲームはオーディオドラマの制作も決定されているとのことで、いや目が離せませんねぇ。ではでは。

これ書いてたらもう深夜1:47でワロタ。モンハンワイルズのために寝ます


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