ザゼンボーイズのベーシストから見る人間の業と奏でる音の美しさ 下書き
僕はナンバーガールが好きです。
僕はナンバーガールの世界で生きています。
ザゼンボーイズの話をさせてください。
僕の中の話です。
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ナンバーガールの向井秀徳は、ナンバーガール解散後、ザゼンボーイズというバンドを組みます。
ナンバーガールの解散理由になったのは、ベースの中尾憲太朗さんの
・自分のしたいバンドがある、自分がしたい音楽がある
という理由だと僕は思っています。
ザゼンボーイズは、向井秀東がナンバーガール解散後、ナンバーガールから盟友・アヒトイナザワ。ベースに元アートスクール・ストレイテナーの日向秀和。ギターに経歴不詳の吉兼聡の4人でザゼンボーイズで発表されています。
(それより前の54-71との話は知っています。)
※ZAZEN BOYSのwikipediaより一部抜粋
そもそもの成り立ちは、女性シンガーのhalが2001年に発表したアルバム『ブルー』に収録されている『6階の少女』という曲をレコーディングするために、当時ナンバーガールのメンバーであった向井秀徳と54-71のメンバーが、halのバックバンドという形で結成したものである(後述の新生ZAZEN BOYS結成の際に向井は、54-71のメンバーと一席を設け、話を通したと言われている)
僕は、【六階の少女】も大好きです。
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日向秀和のベースは、僕の中ではトリッキーで攻撃的、刺激的。
前に前に存在感を出す(アピール)するタイプのイメージでした。
実際に作品やライブでも、ソロのように、目立つ、際立つようなベースプレイをしていると思っています。向井君を音で喰ってしまうくらいの勢いを持っているイメージです。
その日向秀和が事情があり、脱退。
脱退後、吉田一郎がベースに加入します。
吉田一郎のベースは、最初、どうしても他のメンバーたちと比べると大人しく感じてしまいました。
いわゆる「華」と呼ばれる、個性が見えていませんでした。
ここで比べられるのは、日向秀和だけではなく、ギターの吉兼聡のカオスなギターサウンド、その時点ではドラムもアヒトイナザワから松下敦に代わっており、そのドラム二人の個性。※ドラムに関しても後日、書きたいです。
そこと比べてしまうと、当時、吉田一郎の存在は霞んでしまいました。
その後、吉田一郎は目覚めます。
年々、どんどんと頭角を現し、才能を開花させて、坊主にし。修行を重ね、他のミュージシャンとの共演を経て、吉田一郎は日本のトップベーシストになります。
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向井君には、そういう「人をプロデュースする力」、向井君と相性が良かった(ハマったアーティストは)その個性(色、華)が開花するイメージがあります。
日向秀和から吉田一郎。
この二人の流れが、僕の中では自分の人生と同時進行で見てきたので、ものすごく強く共感や共鳴しています。
カッコいいが連続しています。
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ザゼンボーイズは、人間の泥臭さ、人間味、人間臭さを内包しています。
それを緊張感を突き詰めながら曲を作り、ライブをしていると僕はずっと思ています。
ただ、それに付いて来れるか、そこに合うか、伸るか反るかみたいな感じも感じています。
それを繰り返している気が僕はずっとしています。
そこに僕の大好きなアヒトさんや、色々な活動事情から日向秀和が脱退し、当時は元Buffalo Daughterのイメージが強い松下敦さんや、謎の吉田一郎さん。
一貫して今でも謎のカシオマン(吉兼聡)。
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僕の吉田一郎さんのザゼンボーイズでの最終イメージは、職人。
孤高の鉄人になったベーシストのイメージです。
それは向井君との共鳴から生まれたものだと僕は思っています。
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そして、吉田一郎の脱退。
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僕はインターネットとの関わりが薄く、3年前までTwitterなどのSNSすら、まともにしていませんでした。
なので、ザゼンボーイズの活動を逐一知っている訳でも追いかけていた訳でもありません。
特に、アルバム【ZAZEN BOYS III】の後から【すとーりーず】までの間は、僕はナンバーガールをずっと中心に聴いています。
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吉田一郎の活躍と躍進は知りながら、僕は脱退する吉田一郎の後に誰がつながるのかを漠然とファン心理で想像していました。
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そこに現在のベーシスト、MIYAが現れます。
僕はMIYAさんを知りませんでした。
僕の中にMIYAさんの存在は当然ありませんでした。
そこに突然降って表れた、舞い降りたのがMIYAです。
その告知後、僕は携帯をスマートフォンに変え、SNSを始めました。
そこで偶然、MIYAさんの育児物語(記事)を見かけました。
この記事です。
これを偶然読み、僕は、人間ドラマ、群像する人たちの物語を感じたのです。
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加入後のMIYAさんの活躍や、存在は多くの方が知っていると思います。
現在進行形ですので、これからの飛躍を考えられます。
僕の中でMIYAさんのベースは、過去の二人、日向 秀和、吉田一郎の二人の魅力を超えるくらいの音を鳴らします。
攻撃的、刺激的。
職人気質でマニアックな音。
そして、母のような優しくも暖かい。
そして音楽を楽しむ姿と笑顔。
今までのザゼンボーイズは、全員が真剣勝負で、緊張感から生まれるグルーブ、そこから発散される熱量が見ている側の感情を鼓舞し、熱狂させるような楽しさがありました。全力で、全身全霊の演奏。
辛そうにしているとかではないのですが、MIYAさんの笑顔や声や音は、もっともっと弾けるような表情をします。
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僕はインタービューなどを色々と読むのですが、ある時、SNSの何かで本人が
「私も色々と辛くて、発狂していた頃あるよ。でも○○とか○○とか音楽があったから生きてこれたからね、あははっ」
って素敵な笑顔で話していました。
本当に素敵で最高な方だなと思っています。
きっと、人間なので色々あります。
アーティストはロックスターが聖人君子なんて僕は思っていません。
色々あって人間で、その人をどう思うかは人それぞれです。
僕はここでいうナンバーガール、ザゼンボーイズの音が好きです。
メンバー皆さんの、ファンから見えている姿が最高にかっこいいと僕は思い叫んでいます。
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感情的、感傷的な音。
物悲しくも、切なさもあるような。
明るさとその裏腹にある人間としての力強さ。
それを僕は見ながら、今のザゼンボーイズを見ています。
これはベースに注目して書いていますが、僕は向井君に関わる人たち、全員は知りませんが、ナンバーガール、ザゼンボーイズの演奏者たちが全員大好きです。
僕を生かしたのはナンバーガールであり、向井秀徳であり、アヒトイナザワであり、中尾憲太朗であり、田渕ひさ子です。
そしてナンバーガールから続く、ザゼンボーイズ、吉兼聡(カシオメン)、日向 秀和。松下敦、そしてMIYA。
この人たちの奏でた音に僕は力をもらい、僕は生きたのです。
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それでは変態的で、鋭角的な、狂喜乱舞する、鋼鉄の、人間の業と諸行無常とドロドロの群像模様を兼ね備え、それを経て辿り着いた、ザゼンボーイズの現メンバーでの、ザゼンボーイズが2004年2月26日に発表したデビュー曲
【半透明少女関係】を聞きながら、人生を僕らも謳歌しようじゃないか。
スーパーヤング。