「交流の場で延々と一人で喋ってしまう人」問題をどう考えるか?

 まちづくり活動や市民活動の支援事業として、不特定多数の人が集まる交流の場づくりというものがあります。まちづくり活動家や市民活動家が、自身の関心や取り組みについてお互いに話し合うことを通じて、お互いの活動に関するヒントや、ネットワークを得ることができるといった望ましい効果が期待できます。

 一方で、こういった交流の場において、参加者が、他の誰かに自分の活動をプレゼンする時、「妙に一方向的になってしまう」という現象が見られるようです。つまり、相手の関心や興味はそっちのけで、延々と自分の興味や関心を話し続けてしまう人というのが一定確率で現れるわけです。その結果、自分の活動に関心を持ってもらうどころか、むしろ敬遠されてしまう、という意図せざる結果を招くこともあるわけです。

 その様子を、僕の友人は「布団の押し売り」現象と呼んだりしていました。言い得て妙ですね。

 なぜ、こういった「布団の押し売り」現象が発生してしまうのでしょうか?その心理はどのようなものなのでしょうか?

 そもそも、人が長々一方的に話してしまうのは、どういう時なのでしょう?いろんな説がありますが、大きく2つの説を耳にすることが多いです。まずは「親切心」説。「せっかく相手の役に立てるチャンスだし、丁寧に分かりやすく伝えなければ」という親切心から、聞かれてもいないことまで教えてしまうというものですね。次に「自信のなさ」説。自分の話が通じているかどうか、自信がないと。だからその不安を、情報の多さでカバーしようとしてしまうと。結果「あれもこれも話さなければ!」となり、話が長くなる、というものです。いずれも、説得力がある説です。

 じゃあ、どうしたら一方的な押し売りと思われず、「ワンチャンつかめるイケてるトーク」が出来るのでしょうか?ここでは、ワンチャンつかめるトークのあり方を、科学的な知見を応用して、探ってみましょう。

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