大学の講義のオンライン化に関する覚書

 僕が講師を務める大学でも、5月まで対面講義の見送りが決定されまして。この大学は、講義方法は各講師に任せるという、僕は好きな運営方針を示してくれています。しかし、じゃあどうするか。対面はダメだけど講義はしましょう、となると、当面オンライン化が最有力候補となるわけです。もちろん、古風に「文通でやりとりしましょう」という手もなくはないですけど。

 こういうお悩みを抱える同業者は結構多くて、いま同業者ネットワークの間でも「どうしましょうね」という情報交換が盛んです。もしかすると他の人の参考になるのではないかと考え、僕なりに考えをまとめてみたいと思いました。

大学講義のオンライン化をめぐる2つの軸…教員のパフォーマンスを見せることを最大限再現したいかどうか、学生同士の応答を重視するかどうか

 大学の講義と言っても大きく二種類に分けることができます。第一に、講師から学生への情報提供を主な内容とするものです。受講人数が100人を超えるような大講義がこれに当たります。第二に、講師からの情報提供もあるものの、学生と講師、あるいは学生同士の相互作用を主な内容とするものです。10名から20名程度の少人数ゼミがこれに当たります。

 そして、講義をオンライン化するという時、これまた2つの方向がありえます。第一に、オフライン講座で主なコンテンツとなっていた、教員のパフォーマンス(演技)を、可能な限りオンラインで再現するという方向です。第二に、教員のパフォーマンスの再現にこだわらず、オンラインに特化した新しい講座形式を考える、という方向です。

 どうもこの2つの軸の掛け合わせで、「何を考えるべきか」が変わってきそうなんですね。で、それぞれの象限に合わせて採るべき手段も変わってきそうです。まとめるとこうです。

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パターン①動画コンテンツ型

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