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祇園祭から、京都の「一見さんお断りシステム」について考える。

 私の住まわせてもらっている京都では、コロナ禍でここ2年ほど見送られてきた祇園祭の歩行者天国が再開して大いに賑わっている。そんな時事も踏まえ、ちょっと京都に絡んだ話を書いてみようと思う。

都市とはそもそもなんだろう

 都市について、倉田和四生は、多様性、非人格的関係、高流動性、匿名性が特徴だといった。

http://www.kwansei.ac.jp/s_sociology/kiyou/36/36_ch02.pdf

 倉沢進は、その生活課題の処理パターン(生活様式)が専門サービスに依存する程度が高いのが都市だと言った。たぶん、流動性が高い地域では、知り合って共通の価値観を作ることがしにくい。そのため、信頼関係を作りにくい。結果、非契約的な貸し借りをしたり、仲良くなったり、共同作業をすることが難しくなる。それゆえ、非人格的な契約関係で調達する専門サービスへの依存度が高まると考えられる。

 じゃあそんな都市空間では、非専門的で非契約的な関係に基づくサービスの交換は必要ないのか、っていうと、どうもそうではない。やっぱり人々が信頼し合い、仲良くなったり、貸し借りをしたり、共同作業をすることは必要だ。では、都市でそのような関係はいかに作りうるだろう。

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