「普通なら採算の合わない事業」で儲けを出すシステムづくりをイノベーションと呼んでもいいんじゃないかという明るい話。
世の中の事業を「専門性・持続性の必要性」と「採算性の高低」で四象限にわけると図のようになる。
第一象限は、高い採算性があるが、高い専門性や持続性が必要な仕事である。例えば医療や法律、発電や建築などの仕事がそうだろう。高度な専門性を持つ仕事だ。採算性が高いが、参入障壁も高いので、なかなか誰でも勝負できる部分ではない。
第二象限は、高い専門性や持続性が必要だが、採算性がない仕事である。例えば国家や自治体の行う社会福祉事業がこれに当たるだろう。
第三象限は、専門性も持続性も必要ないが、採算がない仕事である。例えば地域団体のボランティア活動なんかがそうだ。
第四象限は、専門性も持続性も必要ないが、高い採算性が見込める仕事である。これはもう多数の民間事業者が放っておかない、早いもの勝ちの奪い合いになる領域だ。
さて、私が日頃お仕事で関わっている住民参加のまちづくりは、ボランティア活動に強く依存しているが、ボランティア活動というのはこの図でいうと第三象限にあたる。サービスの非排除性が高く、採算があいづらいので、どうしても持ち出しで行う無報酬活動になりがちで、サービス利用者はそこにフリーライドすることになる。また、高額な対価支払を必要とするプロフェッショナルな人材をサスティナブルに確保できない。結果、活動がアマチュア化、アンサスティナブル化する。
逆に言えば、それで構わない程度に、断続的でちょっとした手伝いレベルならボランティアでも全然構わないというか、それが必要な場面というのはたくさんあることになる。
サポートされると小躍りするくらい嬉しいです。