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自陣の防衛のために、喩えるなら「シャフトを爆破したり、通路に硬化ベークライトを注入したりして敵の足止めをする」地域団体のご苦労の話。

前回の振り返り


 今日は前回の記事の続き。

 前回、ここ20年くらいのコミュニティ政策は、既存の地域組織という結合型ソーシャル・キャピタル同士をつなぐ橋渡し型ソーシャル・キャピタルを増やすことで、地域組織のサステナビリティの向上につながることを期待してきたけど、そうはなってないかもしれないよね問題というのを書いた。

 で、それはなんでや、というと、以下のような説明が思い浮かんだ、という話。

コミュニティを交通網のアナロジーで理解する

 前回、京都市ではコミュニティをネットワークの集積であるとみなしているという話をした。ネットワークてなんや、というと、典型的には「交通網」、例えば道路のアナロジーで説明ができる。

 私たちの国土には、道路が縦横無尽に走っている。これがネットワークだ。私たちはこの道路を通じて、行きたい場所に行くことができる。

 道路が敷かれることで、これまでであれば取引のなかった人同士の間でモノや情報のやりとりが可能になる。生産が効率化され、イノベーションが起こり、社会にとって良いことが起こる。

 前回の記したように、既存の地域組織というのはいわゆる結合型のネットワークというもので、そのネットワークが外部に開かれていない。これはいわば、街への道が土砂崩れで通れなくなった山奥の村みたいなもので、内部に資源不足が発生する。よく知られる、担い手不足や高齢化といった現象につながる。

 これを解決するには、土砂崩れで通れなくなった道を再度通せばいい、と考えるのは自然だ。つまり、橋渡し型のネットワークを形成するわけだ。そうすることで、外部から資源が流入し、地域団体の持続可能性を高める。はず。というのが、コミュニティ政策の期待だったと説明できるだろう。

 よく言われる「地縁と志縁の協働」みたいなことを理屈っぽく説明するとそうなる。

交通網というストローができたことで中央に吸い上げられる地方、という構図

 さて、ネットワークを交通網で説明すると思い出す話がある。

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