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読むまちづくり

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2024年1月の記事一覧

モテるまちづくり再論〜「ゆるさ」と「楽しさ」からまちづくりをはじめなおすために

某自治体から、市民の地域活動者向けに、まちづくりを進めるための実践活動の手法や考え方を学ぶまちづくり講座を依頼された。頂いたお題は4点、「そもそもまちづくりとは何か?」「何をすればまちづくりがうまくいったと言えるのか?」「新しい仲間づくりを楽しむためには?」「まちづくり活動のゆるさ、わくわく感を大事にするにはどうしたらいいか?」というものである。 この自治体では地域自治政策を推し進めているが、自治をまともにやろうとすればするほど、地域組織は悩んでしまう。言い換えれば、これま

自治会改革は行政改革から始まる〜あるいは「行政の地域依存/地域の行政依存」構造からの脱却

某自治体の職員研修で、自治会の改革、再編に関するレクチャーを依頼された。その内容をもとに再録する。 「自治会の改革、再編が必要」という主張は多いがコミュニティ政策の議論においては、しばしば自治会の弱体化が問題となる。この問題は、自治会の改革、再編が必要だという主張につながる場合が多い。しかし、果たして本当にそうなのだろうか。 前提として町内会に関する概論は以下の記事を参照されたい。 総務省 地域コミュニティに関する研究会、2022「地域コミュニティに関する研究会報告書」

定住者既得権と移動者に対するマイルドな差別問題〜徳田剛「「移動社会」の特徴とコロナ禍によるその変質」

去る2023年は、5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に変わり、まちづくりにおいても様々な対面を伴う行事ごとが再開するなど、コロナ禍の終わりを感じさせる一年だった。 コロナ禍においては、人々の移動の抑制が奨励された。そうした状況で様々な社会関係が変質を余儀なくされ、大小さまざまな不便が生じた。 ではなぜ移動の抑制が不便につながったかというと、そもそも前提として、私たちの社会が「移動」に強く依存しているからだ、と言える。 こじみた状況を踏まえて地域社

まちづくりが「楽しくないとできない」時代はいつ始まったか?〜浅石裕司、吉村輝彦『「楽しさ」概念による「住民主体」の捉えなおし地域福祉・まちづくり分野における文献レビューをとおして』

よく知られる通り、従来の地域組織においては、どこでも担い手不足と高齢化が慢性化している一方で、子ども食堂などの新しい活動が出現し、地域で活動してもいる。 普段、従来の地域組織に関わっている立場からすれば「どうせ活動するんやったら子ども食堂もええけど、従来の組織に参加してくれてもええんちゃうの」と思いがちだ。しかし、そうはならない。ということは、なんらか理由、メカニズムがあるはずだ。 ではそのメカニズムとはなにか。そんな疑問にヒントを提供してくれる論文が、浅石裕司、吉村輝彦

AIに町内会について教えてもらおう

今日のbardとの会話。 ■私:日本の町内会は、高齢化や人手不足などの課題を慢性的に抱えています。これを解決した事例を検索して3つ取り上げ、その共通点を教えてください。 ■bard:町内会の高齢化や人手不足の課題を解決した事例を3つ取り上げ、その共通点をまとめます。 事例1:デジタル化の導入 東京都港区の町内会では、回覧板のデジタル化を導入しました。従来の回覧板は、各世帯に手渡しする必要があり、役員の負担が大きく、また回覧漏れのリスクもありました。デジタル化により、回覧