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シン・猿の惑星

 光速の100倍のスピードで地球に飛来したゴルフボール風の探査機は、地球を100周して収集したデータを、宇宙の全生命を管理するという超次元的に高度な知的生命の住む惑星へとワープさせた。
 地球を担当する二つの超知的生命アとンは届けられたデータを100日熟成させてから分析にとりかかった。熟成されたデータはカドが取れまろやかな風味を醸し出すことでより深みのある情報をもたらす。100ヶ月掛かってデータの分析を終えた時、超知的生命アは首を縦に振りンは横に振った。それは二つの意見が対立したことを意味していた。
 アとンは慣習に従い結論をジャンケンで決定することにした。この二を三で割る方法こそ彼らの文明の真髄なのである。ジャンケンの結果ンの意見が尊重されることになり、リセットボタンが押された。
 これがいわゆる聖書で予言されたハルマゲドンである。私たち人類の物語はこの時点で終わりを迎えたわけだが、この話には続きがある。
 全生命がリセットされ殺、風景な地球に超知的生命アとンが降り立った。彼らは100年前のジャンケンの結果に従い、ンの育てた命の木から採った生命の種を植えると「この次こそ善い猿が栄えますように」と神に祈りを捧げ、彼らの住む惑星へ帰って行った。

(2019年11月ssgへ投稿したものを加筆修正)

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